民主主義が成熟した国とされるノルウェーで外国人排斥思想に染まった若者が大量殺人を起こしたことには衝撃を受けた。しかも、彼は、【政治問題に強い関心を示し、イスラム批判のインターネットサイトに熱心に投稿しては「現在の政策は社会主義と資本主義の争いではなく、愛国主義と国際主義の戦いだ」などと主張していた。投稿の一つでは、日本と韓国について「多文化主義を拒否している国」と言及。日本などを反移民、非多文化社会の模範のようにたたえていた】(毎日 ※1)というのだ。
※1 http://mainichi.jp/select/world/europe/news/20110724k0000m030131000c.html
しかし、光もある。
【24日には国王やストルテンベルグ首相をはじめとする政府首脳らが出席して、犠牲者を追悼するミサがおこなわれた。ノルウェーメディアは涙をこらえてスピーチを読み上げるストルテンベルグ首相の様子を繰り返し報道している。
ストルテンベルグ首相は、銃乱射のあったウトヤ島の生き残りであり、CNNの取材に答えた女性の一言をスピーチで引用した。「ひとりの男性がこれだけの憎悪を表すことができたのです。私たちが共にどれだけ大きな愛をみせることができるか、考えてみてください」。】(※2 地球の歩き方)
※2 http://tokuhain.arukikata.co.jp/oslo/2011/07/25.html
あれだけの恐怖にさらされた女性がこのセリフをいえる社会、首相がこの言葉を引用できる社会…。
対して、日本の今朝のニュースは、中国での鉄道事故によって中国がビジネスチャンスを失ったことに焦点を当てているところもあった。あれだけ多くの死者が出た事故直後のこの時期にそのような報道をする必要があるのだろうか…?
この違いは何に基づくのか?
それは情報の流通の有無によるのだと思う。
ノルウェーは情報公開が極めて進んでいる国の一つだ。
吉武真理さん(在ノルウェー日本国大使館元専門調査員、慶應大学大学院博士課程)は次のように説明する。 【行政の透明性は日本の比ではありません。オンブズマン制度と情報公開制度のタイアップは必要不可欠のものです。また、公務員同士で癒着するようなオンブズマン、業績をあげないオンブズマンは免職され、かつ市民の審判を受けることになります(オンブズマンはあくまで「市民の代理」ですから)。そうなれば、彼は社会的信頼を失い、彼自身の将来にも支障が出るでしょう。国民主権が現実に機能している国と、名ばかりの国との違いです】(※3)
※3 http://www.csij.org/archives/2007/01/post_3.html
必要な情報を知り、自分たちが判断しているという自信が彼女の崇高な言葉の背景にあるのだと思う。
日本で老人が「墓場に避難する」と言って自殺したのも、象徴的な出来事だったが、結局、情報が十分に与えられず、どうなるか、まったくわからないからだと思う。
日本で排外活動がおきるのも、たとえば日本が行う海外支援の内実、海外支援関連の天下り法人の実態などが、正確に紹介されていないことも理由の一つになっていると思う。
もちろん、日本では海外のニュース量が圧倒的に少なく、かつ、英語で情報をとっている人が少ないため、独善に陥りやすいという問題もある。
果たして、ストルテンベルグ首相が、銃乱射のあったウトヤ島の生き残りの女性の一言をスピーチ「ひとりの男性がこれだけの憎悪を表すことができたのです。私たちが共にどれだけ大きな愛をみせることができるか、考えてみてください」を引用したことを伝えるマスメディアはあるだろうか…。
冒頭の画像は、ノルウェーは、政治家と市民が近い関係を保ちつつ、若者が政治的にアクティブで、開放的な社会であり続けることができると話す首相(※4 CNN)。
※4 http://edition.cnn.com/video/#/video/world/2011/07/23/bts.stoltenberg.norway.attacks.cnn
●日本、特に東北・関東の保護者必読の書●
「ICRP Publ. 111 日本語版・JRIA暫定翻訳版」(http://www.jrias.or.jp/index.cfm/6,15092,76,1,html)
「緊急時被ばく状況における人々に対する防護のための委員会勧告の適用(仮題)=109」
(http://www.jrias.or.jp/index.cfm/6,15290,76,1,html)
アメリカ科学アカデミーの文献「BEIR-VII」(Biological Effects of Ionizing Radiation-VII、電離放射線の生物学的影響に関する第7報告)
http://archives.shiminkagaku.org/archives/radi-beir%20public%20new.pdf
◆東電本社の記者会見は、午前11時~正午から始まる単独会見、午後5時ごろからの統合本部会見の2回となっている。インターネットで生中継と録画配信されている◆
→ ニコ生 http://live.nicovideo.jp/
岩上さんのサイト http://ow.ly/4wCEr
◆以下参考◆
原子炉建屋とタービン建屋の図。クリックで拡大できます。
↓
【日弁連会長声明】
「東北地方太平洋沖地震による福島第一原子力発電所の事故に関する会長声明」 http://ow.ly/4n21n
●今後想定されるあらゆる事態、並びに、各地の放射能汚染の実情と被曝による長期的なリスクに関する情報、被曝防護に関する情報を正確かつ迅速に国民に提供し、適切な範囲の住民を速やかに避難させるよう求めるとともに、原発の新増設停止、既存原発についても電力需給を勘案しつつ危険性の高いものからの段階的停止を提言
◆参加してみました。クリックお願いします。
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◆持ち込み可視化についてアンケート実施しました。ご協力ありがとうございました。
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【ツイッターアカウント】yamebun
●沖縄への連帯ツイッターキャンぺーン●
【ツイッターアカウント】@BarackObama
【メール】→http://www.whitehouse.gov/contactから
【ツイッター例文】
JAPAN IS NOT US'S COLONY! We won't support US BASE. All US BASE OUT! from our country.
Please HELP Okinawa. 75% of the American bases in JP is in the islands, only 0.6% of JP land. Relocate #Futenma base outside.
Marine in Futenma must go back to your country. There is no place where the base of Marine is acceptable in Japan.
Okinawa and a lot of Japanese oppose the transfer of the Futenma base to Henoko
At least180 MPs of ruling parties say NO to Futenma relocation within Okinawa. Check this http://bit.ly/9jQIW8
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★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて:Gilbert's Nuremberg Diary)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
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※1 http://mainichi.jp/select/world/europe/news/20110724k0000m030131000c.html
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【24日には国王やストルテンベルグ首相をはじめとする政府首脳らが出席して、犠牲者を追悼するミサがおこなわれた。ノルウェーメディアは涙をこらえてスピーチを読み上げるストルテンベルグ首相の様子を繰り返し報道している。
ストルテンベルグ首相は、銃乱射のあったウトヤ島の生き残りであり、CNNの取材に答えた女性の一言をスピーチで引用した。「ひとりの男性がこれだけの憎悪を表すことができたのです。私たちが共にどれだけ大きな愛をみせることができるか、考えてみてください」。】(※2 地球の歩き方)
※2 http://tokuhain.arukikata.co.jp/oslo/2011/07/25.html
あれだけの恐怖にさらされた女性がこのセリフをいえる社会、首相がこの言葉を引用できる社会…。
対して、日本の今朝のニュースは、中国での鉄道事故によって中国がビジネスチャンスを失ったことに焦点を当てているところもあった。あれだけ多くの死者が出た事故直後のこの時期にそのような報道をする必要があるのだろうか…?
この違いは何に基づくのか?
それは情報の流通の有無によるのだと思う。
ノルウェーは情報公開が極めて進んでいる国の一つだ。
吉武真理さん(在ノルウェー日本国大使館元専門調査員、慶應大学大学院博士課程)は次のように説明する。 【行政の透明性は日本の比ではありません。オンブズマン制度と情報公開制度のタイアップは必要不可欠のものです。また、公務員同士で癒着するようなオンブズマン、業績をあげないオンブズマンは免職され、かつ市民の審判を受けることになります(オンブズマンはあくまで「市民の代理」ですから)。そうなれば、彼は社会的信頼を失い、彼自身の将来にも支障が出るでしょう。国民主権が現実に機能している国と、名ばかりの国との違いです】(※3)
※3 http://www.csij.org/archives/2007/01/post_3.html
必要な情報を知り、自分たちが判断しているという自信が彼女の崇高な言葉の背景にあるのだと思う。
日本で老人が「墓場に避難する」と言って自殺したのも、象徴的な出来事だったが、結局、情報が十分に与えられず、どうなるか、まったくわからないからだと思う。
日本で排外活動がおきるのも、たとえば日本が行う海外支援の内実、海外支援関連の天下り法人の実態などが、正確に紹介されていないことも理由の一つになっていると思う。
もちろん、日本では海外のニュース量が圧倒的に少なく、かつ、英語で情報をとっている人が少ないため、独善に陥りやすいという問題もある。
果たして、ストルテンベルグ首相が、銃乱射のあったウトヤ島の生き残りの女性の一言をスピーチ「ひとりの男性がこれだけの憎悪を表すことができたのです。私たちが共にどれだけ大きな愛をみせることができるか、考えてみてください」を引用したことを伝えるマスメディアはあるだろうか…。
冒頭の画像は、ノルウェーは、政治家と市民が近い関係を保ちつつ、若者が政治的にアクティブで、開放的な社会であり続けることができると話す首相(※4 CNN)。
※4 http://edition.cnn.com/video/#/video/world/2011/07/23/bts.stoltenberg.norway.attacks.cnn
●日本、特に東北・関東の保護者必読の書●
「ICRP Publ. 111 日本語版・JRIA暫定翻訳版」(http://www.jrias.or.jp/index.cfm/6,15092,76,1,html)
「緊急時被ばく状況における人々に対する防護のための委員会勧告の適用(仮題)=109」
(http://www.jrias.or.jp/index.cfm/6,15290,76,1,html)
アメリカ科学アカデミーの文献「BEIR-VII」(Biological Effects of Ionizing Radiation-VII、電離放射線の生物学的影響に関する第7報告)
http://archives.shiminkagaku.org/archives/radi-beir%20public%20new.pdf
◆東電本社の記者会見は、午前11時~正午から始まる単独会見、午後5時ごろからの統合本部会見の2回となっている。インターネットで生中継と録画配信されている◆
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原子炉建屋とタービン建屋の図。クリックで拡大できます。
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【日弁連会長声明】
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★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて:Gilbert's Nuremberg Diary)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
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