【全国の在日米軍基地従業員でつくる全駐留軍労働組合(約1万6000人)は21日、岩国市の米海兵隊岩国基地などで、防衛省が在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)削減の一環として求めている手当削減に反対し、全国ストをした。全駐労によると、全国ストは1991年9月以来で、16年ぶり。
ストは、岩国をはじめ三沢、横田、那覇など全国7地区本部ごとに、4時間の時限ストとして実施した。米海兵隊岩国基地のゲート前3カ所では、全駐労山口地区本部(975人)の組合員計約60人が午前7時からピケを張るなどした。「年金・福利厚生の総合改善をはかれ」などと書いたのぼりを掲げた】(中国新聞・
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200711220058.html)
全国的には報道されたのだろうか。
あるブログ(
http://jyukunen.blog7.fc2.com/blog-entry-100.html)の紹介で知った長周新聞(
http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/index.html)の報道が興味深いので、引用する。
■■第1回ストの記事■■
米軍基地で働く日本人労働者で組織する「全駐留軍労働組合」(約1万6800人、山川一夫委員長)が21日、全国で一斉に始業から4時間の時限ストに突入した。米空母艦載機部隊移転を巡り、市民と米軍・国が激突している岩国基地の労働者も早朝からストを決行。防衛省が「思いやり予算」の削減と称して打ち出した、日本人基地労働者の「格差給・語学手当廃止」「退職手当改悪」の撤回を要求している。岩国基地で働く労働者のなかでは、手当廃止だけにとどまらず、うっ積した思いが語られている。
日本人見下した扱いが横行
米軍岩国基地で働く約1200人(正規雇用者)の労働者のうち、約980人が参加する全駐労山口地区本部は、午前7時からストに突入。基地正面ゲート、南門、業者搬入門の3カ所でピケを張った。艦載機部隊移転とも関連し、「岩国は米軍の警戒態勢が厳しい」と全国の関係者のなかでも注視されていた。「山口県にある特別な条例」(関係者)なるものによって、プラカードなどは掲げられず、北門ではピケを張ることができない状況もあるなかの決行となった。
労組員の1人は、「基地で働く労働者は、雇用主は国で使用者は米軍だ。精神的にも、労働環境からも複雑な状態のなかにおかれている。なにか問題が発生しても、原則として基地内では組合活動禁止だし、米軍と直接話す交渉権もない。すべて、日本政府とアメリカとの関係になるが、解決は遅遅として進まない」と実態を語る。
労組員は、「問題となっている手当は、そういう状況のなか様様な要求を通じて勝ち取ってきたものだ。国は、“公務員にはない手当がある”などといっているが、基準となる数字が違う事実をねじ曲げて大仰しくいっている。思いやり予算の削減というが、米軍に関わる費用は削っていない。それを、財務省と防衛省が強行していることに対しての抗議だ」といった。
削減が実施されれば、基本給が10%削られたに等しく、約1100~4400円の間で支給されている語学手当も廃止となる。現在、国家公務員の約80%の割合の給与は、73%に下がるのだといわれている。しかし、労働者のなかでは、手当問題だけではなく、日本人を見下した扱いが横行していること、同様の扱いは、基地内に入る業者に対してもされていること、などが語られている。
米軍には平身低頭の国
基地で働いていた婦人の1人は、「思いやり予算をさらに増額するとか、日本人の給料を削るとか、国はなにを考えているのかといいたい。給料が下がるだけの問題ではない。国がアメリカのいうことに平身低頭だから、米兵もおもしろがって日本人をばかにしている」と話す。
清掃作業員として基地に入っていたが、「日本人を見下した態度には腹が立っていけなかった」と語る。学校の掃除でも、汚すだけは汚して教室も食堂もすべて日本人に片付けをさせる。自分のミスでカビが生えても、日本人の責任とされる。掃除が済めば検査があり、ホッチキスの芯1本でも落ちていれば、すべてがやり直しになる。「一生懸命にあらを探していた。あれは嫌がらせだった」と振り返る。
そして、「1番かわいそうだったのが、ペリースクールの塗り替えに入っていた業者。真夏の暑い盛りに、建物すべてのペンキ塗りをさせられて、終わったと思うとなにが気に入らなかったのか、全部やり直し。作業員は、クーラーのある部屋での休憩もさせてもらえず、日がカンカンに照っているところでひっくり返っていた」という。
「指示通りに物をつくったり、材料を持って行ったりしても、気に入らないと“ダメだ。もう1度”という。おもしろがってやっていた。国は、上げ膳下げ膳だから話にならない。日本人から税金をぶんどってまでアメリカに何千億円も出さなくていい」と語った。
労働者の1人は、「岩国は、日本人に対してとくに厳しいところといわれている。語学手当を切るというが、今は英語ができない人間にはまともな仕事がない。基地には段階のある試験制度があり、それに受かるため仕方なく学校に通うなどしていてそのための費用だ。最近、大卒や留学生など、英語ができる人間の採用を増やしている。できない人は、55歳などで早期退職させている」と話す。
また、「雇用者は国だが使用者は米軍ということで、管理者の気に入らなければ解雇される。日本が金を払っているのに、なぜか米兵の奥さんなどが、従業員になっていたりする。そういうのは余り仕事をせず、日本人にやらせている。清掃など、業者の入札もひどいダンピングをさせて、金を下げている。おかげで基地に入る業者は儲けにならないと聞く。日本人の金は削って、なぜ米軍にだけは制限もなく金を払っているのか」といった。
子どもが基地内で働いているという住民は、「基地で働こうと思えば、日本人として腹が立つことがあっても割り切らなければいけない。ショッピングセンターでも、バーでもマンションでも、全部日本の税金でつくっているのに、日本人は立ち入り禁止だ」と語る。
そして、「テロ事件のあとは、化学兵器攻撃などといって避難訓練をよくやっているが、日本人は米軍を助ける訓練はしても、自分たちや家族は逃げる訓練はない。消防にいれば、給料はよくても命をかけて米軍を守る。米兵や家族は、飛行機などで逃げていく。狂っているし、基地の従業員だけでなく、岩国市民みんながもっとやれ! と思っている」といった。
■■第2回ストの記事■■
米軍岩国基地で働く全駐労山口地区本部(980人)の労働者たちは11月30日、24時間ストライキを決行した。第1波(4時間)、第2波(24時間)のストをたたかった労働者のなかでは、基地を動かす労働者の力と、市民の支持に確信が強まっている。ピケに参加した組合員からは、日本人をばかにしきった米兵の態度と、税金によって贅沢三昧をする姿、卑屈な日本政府の様子が語られる。労働者たちは、「基地の実態が日本の姿。これを全国に伝えてくれ!」と口口に話した。
基地内米兵は贅沢三昧 日本の税金を使い放題
第2波ストは午前5時半から開始された。組合員たちは、4時間交代で正面ゲート、門前ゲート、業者搬入門に詰めた。前回ストでは、「1回目だから」「米軍は従業員に同情的」(役員)などという理由で、基地の基本機能は動かしていた。しかし今回は、「協定」で提供することが決められているセキュリティや消防、ユーティリティー、食堂に至る基地の全機能でストを拡大。「米兵は旨い物も食べられず、粗末な野戦用の食事でもしてるのだろう」と語られ、毎日爆音をとどろかせる戦斗機も飛ぶことはなかった。
第2波ストを前にして、「国があまりにも労働者をばかにした態度を取っている」ことへの怒りは強く、組合員・非組合員にかかわらず、ストへの協力呼びかけが徹底された。ピケ参加人数も第1派から倍増。物流から施設管理、戦斗機への給油、食堂の婦人、宿舎の管理まで、180人以上が参加した。
集まって話をしていた若手労働者たちは、「前回は“段階がある”“米軍は味方”のような話もあり、あまり徹底されなかった。でも国は、なにをいっても聞かない姿勢だし、米兵も“アメリカは激しいのに、日本のストはおとなしい”などとばかにしていた。それなら、徹底的にやろうとみんな張り切っている」と話す。
また、「どの部門でも、日本人労働者がいなければ基地は動かない。この状態を続けるなら、米軍が身動き付かなくなるぐらいまでやる覚悟ですよ」と明るい表情でいった。
若手労働者の1人は、「基地に入れば、日本とアメリカの関係がよくわかる。学校では平等とか対等、立派な国と習ってきたが全然違った。従業員と米兵の関係も、上司と部下というものではなく、都合のいい使用人のような扱い。植民地状態を実感することが多い」と語る。
そして、「日本人の給料を削るというが、米軍再編には3兆円、思いやり予算は2000億円というし、防衛省の汚職事件のように政治家や業者が好きなだけ儲けている。グアム移転でも、本当は1軒2000万円もかからない住宅が、政治家とゼネコンが関わると9000万円に跳ね上がったと聞いた。国も無茶だし、マスコミも基地労働者が不当に儲けているようなデマを流す。米軍再編で岩国は兵糧攻めにされているが、同じ問題だ」と話した。
労働者からは、占領者意識丸出しの米兵の様子、日本の税金を湯水のように使った贅沢ぶりが、基地従業員の給料削減や消費税などの大増税と対比して、憤りを込めて語られる。「基地の中は、一般の人が驚くようなことばかり。実態を広く知らせてくれ」と話された。
日本人労働者に対しては、「頭からばかにしきっている者が多い。表面上優しい人物もいるという問題ではなく、根がそうなっている」とか、「学校や親から、“日本は敗戦国、アメリカは戦勝国”と教えられて育っているから抜けることがない。初めて日本に来た米兵が1番程度が悪く、あまりひどいことをして痛い目にあうと少しおとなしくなる」などが語られる。
日本語話させぬ米兵も 悪口言われる事恐れ
従業員の1人は、「基地内では日本人同士であっても“ここは、アメリカの領土だ。日本語をしゃべるな!”と命令してくる米兵もいる。そんなことをいっても、仕事にならないし、腹も立つからわざと日本語でしゃべる。最近はフィリピン系の従業員も多い。米兵は、言葉の意味がわからず、全部悪口をいわれていると思い恐れている」と語る。「日本にいるなら少しは、日本語の勉強をしろ」と思うが、「米兵には英語で話すのが当たり前」の人間が多いという。
「使用人・召使い」感覚の米兵もおり、思い通りに仕事が動かなければ、「制裁」といって殴ったり罰を加えたりもする。「やかましい規則にはめ込んで日本人イジメを楽しんでいる者もいる」という。また、基地内では家族や退役者も働いているが、「自分が昇給や昇格しようと思い立つと、邪魔になる日本人従業員はすぐ首にしたり、配置換えをしたりする。人事課も当然のように動かしている」と語られた。
なかには、「わしらは戦争だけ。それ以外の雑用と金を出すのは、全部日本人で当たり前」といい放つ兵隊もいる。50代の労働者は「基地内のゴミは、分別ではなく、ビンもペットボトルも、紙もすべて一まとめで袋に入れてある。その分別を日本人がやる。将校クラスは広い庭を持っているがその手入れも日本人。掃除をした端からゴミを散らかす者もいる。第1、ゴミの量が半端でない。新しい物でもどんどん捨てる。補充は日本の税金でするから気にすることはない」と話した。
日本人労働者への扱いで「象徴的」といわれるのが米軍用建物は立派なものばかりなのに、従業員用のまともな施設はないこと。「部署によっては、更衣室も休憩するところもない。あっても男女兼用で、着替えに使えない。トイレにロッカーが置いてあり、そこで着替えたり休憩したりしている。“なんでトイレなのか。ふざけるな!”という感じだ」と語られる。
労働者のなかでは、「腹が立つことも多いが、なにかトラブルになれば異常に時間を取られるし、国はまともに交渉できず、結局日本人の不利益で終わることも多い。大きな事件だとすぐに本国に逃げる。軍務中だと、いっさい責任は問われてない。だからなるべくトラブルを起こさないようにしている」と話された。
家賃タダで豪邸で生活 電気・暖房つけっ放し
40代の労働者は、「贅沢三昧も目に余る」と強い口調で語る。米軍住宅もすべて日本の税金で建設し家賃はタダ、電気・水道・ガスも使いたい放題の状態は以前から指摘されていたが、「家具や電子レンジ、ベッド、冷蔵庫、テレビに至るまで全部が備え付け。第一家が巨大すぎる」という。
一般米兵の住宅でも、ベッドルームが3つとかトイレが2つとか、リビングルームもダイニングキッチンもある。少し位が上になると、1人部屋にもそれぞれ、バスルームからキッチン、トイレが付いている。「偉い人たち」になると、1軒7、8000万円かけた豪邸のうえに、広広とした庭が付いている。最近は、基地外に住む米兵も増えつつあるが、その家賃も光熱費もすべて日本持ち。「家の構えも豪華」なのだといわれる。
労働者は、「電気もエアコンも付けっ放し。日本人には、節電しろ、節約しろというが自分たちには関係ない。綺麗な家具なども、新しいのがくるからと、いっせいにブルドーザーでバリバリつぶす。ゴミ置き場は、日本人には買えないような立派な物が捨ててあり、“宝の山”といわれている」と語った。
婦人の1人は、「宿舎や隊舎を回るとき、いつでも“税金・税金”といって電気や暖房を消して回る。でもすぐに付ける。ひどいのは、運動場を使ってもいないのに、ナイター用のライトや照明を付けっ放しにしている。住宅のなかには、半分も入居していない所もあるが、そこもガンガンに暖房などを付けている。自分が払わないから、感覚がないんですよ。生活も成り立たない人もいるのに、基地にはつぎ込まれている」と話した。
その他にも、「基地内はすべて空調が行き渡るようになっている。それプラス各部屋にエアコンがある。夏なのに、暖房をかけているし、冬はクーラーや扇風機をつけている。夏にかぜを引く兵隊は多い。だから思い思いに、“暑い”とか“寒い”とか、空調を担当する日本人に電話で怒鳴ってくる。ばかじゃあないか」。
「デパートのエスカレーター部分の天井はガラス張りになっている。夏になると、直射日光が当たる。暑いのは当たり前だが、また怒鳴る。だいたい、入り口の自動ドアも二重になっておらず1枚だから、人が入るとすぐ温度が変わる。当然のことなのに、日本人へ文句をいう」なども語られた。
また、退役した兵隊のなかには、全部がタダのため日本に住み続ける者もいる。「それをなんらかの形で国や米軍が雇って、日本が給料を払っている」とも話されていた。
長年基地に勤めてきた労働者は、「基地が好きで入った人はほとんどいない。外では、ボーナスはカットだし給料は安い。生活ができず仕方なく基地従業員になったような人が多い。みんな働き出して、初めて中身がわかる。アメリカが、命をかけて日本を守るわけがない。米軍には金を出し、日本人は苦しめる。それに私たちは腹を立てているんだ」と語った。
■■おまけ・創立者のコラムから■■
●猿とインテリ
(1936年8月11日門司新報掲載)
熱心な訓練者の異常な努力によって、 動物仲間で1番頭脳の発達している類人猿が少しばかり人語を解するようになって、 白痴の頭脳と比較されることがある。 が所詮(しよせん)猿は猿で、 ついにいかなる努力にもかかわらず人類の最下等の頭脳にすらおよばないのである。
人類の社会生活が複雑化し、 非自然的な世紀末的現象を呈し倫理とかモラルとかいわれるものが混沌としてくると、 人類は改めて自分がいかに動物よりも優位であるかを証明して安心してみるのである。
まず第1に確かに人類の頭脳は優秀である、 人類には整然たる社会的モラルがある……と高らかに叫ぶ。
よろしい、 確かにその通りである。
そこで、 この優秀なる人類の頭脳も、 それが正当に使われなければ大して賞賛するには値しない事も同様である。
人智の限りをつくして人を殺す武器を生産したり、 人類のために築きなされた偉大なる文化の書を火で焼いたり、 優れた科学者、 哲学者、 芸術家、 社会運動家を虐殺したりあるいは国外に追放し、 または獄内に閉じ込めたり、 あるいは非文明国に近代的な武器をもっておびただしい殺戮(りく)をあえてしたり等々々まことにもって動物以下ではないか。
(以下略)
※時々、見に行きたい新聞だ。
★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「
News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
※このブログのトップページへは
ここ←をクリックして下さい。過去記事はENTRY ARCHIVE・過去の記事,分野別で読むにはCATEGORY・カテゴリからそれぞれ選択して下さい。
また,このブログの趣旨の紹介及びTB&コメントの際のお願いは
こちら(←クリック)まで。転載、引用大歓迎です。
なお、現在、
こちらで(←クリック)、350円、1000万人寄付運動を展開しています。ぜひ、ご覧のうえ、行動にしてください。