9月21日に開催された「第14回原子力損害賠償紛争審査会」で、区域外避難(自主的避難)者に対する補償の問題が協議されたが、その中で、20ミリシーベルト未満の地域からの避難について補償しない方向の意見が多かったという。そんな馬鹿な決定をしたら、日本は人権侵害国であると宣言するようなものだ。原発事故がなければ、放射線量の高いところで生活する必要はなかった。それにもかかわらず、放射線量の高いところでの生活を強いられたために、そこから避難したのだから、当然、その費用を東電及び政府は賠償する必要がある。それにもかかわらず、なぜ、審査会では異なる意見が多かったのか?
配布された資料を見てその原因が分かった。議論の前提が間違っていたのだ。
問題の資料は、「自主的避難に関する主な論点」だ(※1)。その4頁に次のような記載がある。
※1 http://ow.ly/6EUbP
【放射線量が年間20ミリシーベルト以下の地域では、放射線量との関係で緊急時の避難をする必要がないために政府は避難指示を行っていない。】
この一文の誤りがお分かりだろうか?
政府が決めることができるのは、「緊急時の避難をする必要がない」ということではない。一定の被ばくがある場合であっても、メリットとデメリットを検討して、住むことができるレベルを政府として決めるということであって、避難をする必要がないということではない。あくまでも、メリットとデメリットを考慮して暫定的に一定のレベルを決め、最終的には1mSv/年にまで落とすということがICRPの勧告の正確な内容だ。
冒頭の画像は、ICRPのパブリケーション111(※2)の34~35頁の一部だ。
※2 http://www.jrias.or.jp/index.cfm/6,15092,76,1,html
これを読めば、被ばく地で長期間暮らすためには、被ばくの上限値として1~20mSv/年の範囲の低い数値、できれば1mSv/年を定めることが勧告されていることが分かると思う。
それにもかかわらず、日本政府は、地元住民へ相談することもなく、一方的に1~20mSv/年のうちの最大値である20mSv/年を暫定的な数値として定めたのである。勝手に決めておいて、それ以下の場所から避難した人について一切補償しないというのは、明確にICRPの勧告の趣旨に違反している。
もし、政府が、審議会における前提事実が誤っていることを指摘せず、このまま、区域外避難(自主的)避難者に対する補償をしなかった場合、日本政府は、ICRPの勧告に反する人権侵害国家であることを世界に宣言することになる。それが諸外国に対してどのような印象を与えるか、考えてほしい。日本政府は、自国の国民の人権を正々堂々と侵害する北朝鮮並みの政府という評価を受けるはずだ。日本ブランドがどれだけ傷つくことだろう…。
sらに、これは日本に住むすべての人に関わる問題だ。つまり、放射性物質は徐々に日本中に拡大する可能性がある。ここでしっかりと政府に責任をとらせておかなければ、皆さんの地域が汚染されることについても、政府は本気で対策をとることはないと思う。
文部科学省研究開発局原子力損害賠償対策室(※3)、官邸(※4)及び内閣官房(※5)に対し、例えば、「区域外避難(自主的)避難者に対する補償をしないということは通常ではない量の被ばくをすることを強制することに等しい人権侵害行為だ」という抗議をしてほしい。
※3 電話番号:03-5253-4111(代表) ファクシミリ番号:03-6734-4659 メールアドレス:genshi●mext.go.jp ●は@
原賠ホットラインは、電話番号:03-5537-0245
※4 https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken_ssl.html
※5 http://www.cas.go.jp/goiken.html
なお、区域外避難者への補償を求める院内集会が次の日程で行われる。参加希望者はこの頁から申し込んでください→https://pro.form-mailer.jp/fms/3560b5a622284
日時:10月3日(月)13:00~15:00
場所:参議院議員会館講堂
※12:30からロビーにて通行証を配布します。
(東京都千代田区永田町1-7-1)
主催:国際環境NGO FoE Japan、福島老朽原発を考える会(フクロウの会)、福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク(SAFLAN)、子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク、子どもたちを放射能から守る全国ネットワーク
●日本、特に東北・関東の保護者必読の書●
「ICRP Publ. 111 日本語版・JRIA暫定翻訳版」(http://www.jrias.or.jp/index.cfm/6,15092,76,1,html)
「緊急時被ばく状況における人々に対する防護のための委員会勧告の適用(仮題)=109」
(http://www.jrias.or.jp/index.cfm/6,15290,76,1,html)
アメリカ科学アカデミーの文献「BEIR-VII」(Biological Effects of Ionizing Radiation-VII、電離放射線の生物学的影響に関する第7報告)
http://archives.shiminkagaku.org/archives/radi-beir%20public%20new.pdf
◆東電本社の記者会見は、午前11時~正午から始まる単独会見、午後5時ごろからの統合本部会見の2回となっている。インターネットで生中継と録画配信されている◆
→ ニコ生 http://live.nicovideo.jp/
岩上さんのサイト http://ow.ly/4wCEr
◆東電会見に出席し続けている木野龍逸さんへの支援金の振込先口座は下記のとおりです。
郵便局の振替口座
口座番号は、00100-5-362362
口座名称は、木野龍逸支援の会(キノリュウイチシエンノカイ)
なお、銀行からの場合、
ゆうちょ銀行
〇一九店
当座預金
0362362
にお願いします(できれば郵便局の振替でお願いします)。
◆以下参考◆
原子炉建屋とタービン建屋の図。クリックで拡大できます。
↓
【日弁連の東日本大震災・原発事故災害復興支援活動】
→ http://www.nichibenren.or.jp/activity/human/higashinihon_daishinsai.html
◆参加してみました。クリックお願いします。
↓

◆持ち込み可視化についてアンケート実施しました。ご協力ありがとうございました。
↓
http://blog.with2.net/vote/?m=v&id=57952
【ツイッターアカウント】yamebun
●沖縄への連帯ツイッターキャンぺーン●
【ツイッターアカウント】@BarackObama
【メール】→http://www.whitehouse.gov/contactから
【ツイッター例文】
JAPAN IS NOT US'S COLONY! We won't support US BASE. All US BASE OUT! from our country.
Please HELP Okinawa. 75% of the American bases in JP is in the islands, only 0.6% of JP land. Relocate #Futenma base outside.
Marine in Futenma must go back to your country. There is no place where the base of Marine is acceptable in Japan.
Okinawa and a lot of Japanese oppose the transfer of the Futenma base to Henoko
At least180 MPs of ruling parties say NO to Futenma relocation within Okinawa. Check this http://bit.ly/9jQIW8
●今回の原発事故から、原子力村の実態、大手マスメディア経営陣がそれに取り込まれている実態が明らかとなりました。この実態を打破するための仕組みを紹介した拙著を紹介させていただきます。もし、このブログをお読みの方でまだ、これらの本に目を通されていない方は、最寄りの図書館にリクエストしてお読みください。外国でどのような対策が実行されているかがお分かりいただけると思います。今後、3・11の再来を防ぐための具体的な方法のいくつかだと確信しています。


★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて:Gilbert's Nuremberg Diary)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
※このブログのトップページへはここ←をクリックして下さい。過去記事はENTRY ARCHIVE・過去の記事,分野別で読むにはCATEGORY・カテゴリからそれぞれ選択して下さい。
また,このブログの趣旨の紹介及びTB&コメントの際のお願いはこちら(←クリック)まで。なお、多忙につき、試行的に、コメントの反映はしないようにします。コメント内容の名誉毀損性、プライバシー侵害性についての確認をすることが難しいためです。情報提供、提案、誤りの指摘などは、コメント欄を通じて、今後ともよろしくお願いします。転載、引用はこれまでどおり大歓迎です。
配布された資料を見てその原因が分かった。議論の前提が間違っていたのだ。
問題の資料は、「自主的避難に関する主な論点」だ(※1)。その4頁に次のような記載がある。
※1 http://ow.ly/6EUbP
【放射線量が年間20ミリシーベルト以下の地域では、放射線量との関係で緊急時の避難をする必要がないために政府は避難指示を行っていない。】
この一文の誤りがお分かりだろうか?
政府が決めることができるのは、「緊急時の避難をする必要がない」ということではない。一定の被ばくがある場合であっても、メリットとデメリットを検討して、住むことができるレベルを政府として決めるということであって、避難をする必要がないということではない。あくまでも、メリットとデメリットを考慮して暫定的に一定のレベルを決め、最終的には1mSv/年にまで落とすということがICRPの勧告の正確な内容だ。
冒頭の画像は、ICRPのパブリケーション111(※2)の34~35頁の一部だ。
※2 http://www.jrias.or.jp/index.cfm/6,15092,76,1,html
これを読めば、被ばく地で長期間暮らすためには、被ばくの上限値として1~20mSv/年の範囲の低い数値、できれば1mSv/年を定めることが勧告されていることが分かると思う。
それにもかかわらず、日本政府は、地元住民へ相談することもなく、一方的に1~20mSv/年のうちの最大値である20mSv/年を暫定的な数値として定めたのである。勝手に決めておいて、それ以下の場所から避難した人について一切補償しないというのは、明確にICRPの勧告の趣旨に違反している。
もし、政府が、審議会における前提事実が誤っていることを指摘せず、このまま、区域外避難(自主的)避難者に対する補償をしなかった場合、日本政府は、ICRPの勧告に反する人権侵害国家であることを世界に宣言することになる。それが諸外国に対してどのような印象を与えるか、考えてほしい。日本政府は、自国の国民の人権を正々堂々と侵害する北朝鮮並みの政府という評価を受けるはずだ。日本ブランドがどれだけ傷つくことだろう…。
sらに、これは日本に住むすべての人に関わる問題だ。つまり、放射性物質は徐々に日本中に拡大する可能性がある。ここでしっかりと政府に責任をとらせておかなければ、皆さんの地域が汚染されることについても、政府は本気で対策をとることはないと思う。
文部科学省研究開発局原子力損害賠償対策室(※3)、官邸(※4)及び内閣官房(※5)に対し、例えば、「区域外避難(自主的)避難者に対する補償をしないということは通常ではない量の被ばくをすることを強制することに等しい人権侵害行為だ」という抗議をしてほしい。
※3 電話番号:03-5253-4111(代表) ファクシミリ番号:03-6734-4659 メールアドレス:genshi●mext.go.jp ●は@
原賠ホットラインは、電話番号:03-5537-0245
※4 https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken_ssl.html
※5 http://www.cas.go.jp/goiken.html
なお、区域外避難者への補償を求める院内集会が次の日程で行われる。参加希望者はこの頁から申し込んでください→https://pro.form-mailer.jp/fms/3560b5a622284
日時:10月3日(月)13:00~15:00
場所:参議院議員会館講堂
※12:30からロビーにて通行証を配布します。
(東京都千代田区永田町1-7-1)
主催:国際環境NGO FoE Japan、福島老朽原発を考える会(フクロウの会)、福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク(SAFLAN)、子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク、子どもたちを放射能から守る全国ネットワーク
●日本、特に東北・関東の保護者必読の書●
「ICRP Publ. 111 日本語版・JRIA暫定翻訳版」(http://www.jrias.or.jp/index.cfm/6,15092,76,1,html)
「緊急時被ばく状況における人々に対する防護のための委員会勧告の適用(仮題)=109」
(http://www.jrias.or.jp/index.cfm/6,15290,76,1,html)
アメリカ科学アカデミーの文献「BEIR-VII」(Biological Effects of Ionizing Radiation-VII、電離放射線の生物学的影響に関する第7報告)
http://archives.shiminkagaku.org/archives/radi-beir%20public%20new.pdf
◆東電本社の記者会見は、午前11時~正午から始まる単独会見、午後5時ごろからの統合本部会見の2回となっている。インターネットで生中継と録画配信されている◆
→ ニコ生 http://live.nicovideo.jp/
岩上さんのサイト http://ow.ly/4wCEr
◆東電会見に出席し続けている木野龍逸さんへの支援金の振込先口座は下記のとおりです。
郵便局の振替口座
口座番号は、00100-5-362362
口座名称は、木野龍逸支援の会(キノリュウイチシエンノカイ)
なお、銀行からの場合、
ゆうちょ銀行
〇一九店
当座預金
0362362
にお願いします(できれば郵便局の振替でお願いします)。
◆以下参考◆
原子炉建屋とタービン建屋の図。クリックで拡大できます。
↓

【日弁連の東日本大震災・原発事故災害復興支援活動】
→ http://www.nichibenren.or.jp/activity/human/higashinihon_daishinsai.html
◆参加してみました。クリックお願いします。
↓

◆持ち込み可視化についてアンケート実施しました。ご協力ありがとうございました。
↓
http://blog.with2.net/vote/?m=v&id=57952
【ツイッターアカウント】yamebun
●沖縄への連帯ツイッターキャンぺーン●
【ツイッターアカウント】@BarackObama
【メール】→http://www.whitehouse.gov/contactから
【ツイッター例文】
JAPAN IS NOT US'S COLONY! We won't support US BASE. All US BASE OUT! from our country.
Please HELP Okinawa. 75% of the American bases in JP is in the islands, only 0.6% of JP land. Relocate #Futenma base outside.
Marine in Futenma must go back to your country. There is no place where the base of Marine is acceptable in Japan.
Okinawa and a lot of Japanese oppose the transfer of the Futenma base to Henoko
At least180 MPs of ruling parties say NO to Futenma relocation within Okinawa. Check this http://bit.ly/9jQIW8
●今回の原発事故から、原子力村の実態、大手マスメディア経営陣がそれに取り込まれている実態が明らかとなりました。この実態を打破するための仕組みを紹介した拙著を紹介させていただきます。もし、このブログをお読みの方でまだ、これらの本に目を通されていない方は、最寄りの図書館にリクエストしてお読みください。外国でどのような対策が実行されているかがお分かりいただけると思います。今後、3・11の再来を防ぐための具体的な方法のいくつかだと確信しています。


★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて:Gilbert's Nuremberg Diary)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
※このブログのトップページへはここ←をクリックして下さい。過去記事はENTRY ARCHIVE・過去の記事,分野別で読むにはCATEGORY・カテゴリからそれぞれ選択して下さい。
また,このブログの趣旨の紹介及びTB&コメントの際のお願いはこちら(←クリック)まで。なお、多忙につき、試行的に、コメントの反映はしないようにします。コメント内容の名誉毀損性、プライバシー侵害性についての確認をすることが難しいためです。情報提供、提案、誤りの指摘などは、コメント欄を通じて、今後ともよろしくお願いします。転載、引用はこれまでどおり大歓迎です。