2019年5月、パワハラ防止法が成立しました。
しかし職場のハラスメント根絶までの道のりはまだまだ遠いのが実情です。
私は2020年10月に、「パワハラ問題」(新潮新書)を出版しました。
この本は、パワハラ防止法の解説だけでなく、実際にパワハラになるかどうかの線引きについて具体例を
通して説明したものです。
ハラスメントの基礎知識から書いていますのでぜひお読みください。
ただ職場のハラスメントを根絶するためには線引きを考えるだけでは十分ではありません。
ハラスメントの根絶は何を目指すのかを理解しないとその場しのぎで終わってしまいます。
この点で私たちが原点とすべきものはILO(国際労働機関)が目指す「ディーセント・ワーク」(Decent Work)です。
これは「権利が保障され、十分な収入を生み出し、適切な社会的保護が与えられる生産的な仕事」を意味します。
ハラスメント根絶はこの「ディーセント・ワーク」の実現するための取組みのひとつということになります。
パワハラ防止法をさらに充実したものにするためにはこの原点に立ったところからの議論が必要です。