あ可よろし

「あきらかによきこと」は自分で見つける・おもしろがる
好奇心全開日記(不定期)

最高に贅沢なご馳走

2009-10-03 | スポーツ・エンタメ
まだ昨日の感動がそのまま残っている状態の中にいます。昨夜、オーチャードホールで行われた演奏会に行ってきました。
実はこの演奏会のチケット、6月にGETしていました。チケット発売日でしたけど、半日出遅れたので2日目のチケットは入手できず、かろうじて初日のものが手に入ったのでした。それから約3ヶ月半。ようやくこの日が来ました。
どれだけ楽しみにしていたかと言うと、
演目が、私が愛してやまないベートーヴェンの交響曲第9番だから! 
指揮は、多分日本一ベト9を振り慣れている佐渡裕さんだったから!
そして何よりもオケがNHK交響楽団、「N響」だったから!
私にとって、これはもう最高なご馳走なわけです。「贅沢微糖」よりも贅沢です。贅沢すぎます。本当はこんな最高なご馳走を食べたら、バチがあたっちゃうかもしれないと考えてしまうほどの贅沢なのでした。

日曜日のTVは、佐渡さんが司会をしている『題名のない音楽会』で始まり『N響アワー』で終わるのがいつものスケジュールですので、金曜日の夜に日曜日が来ちゃったような感覚で開演をワクワクしながら待ちました。
まずは合唱の二期会合唱団(この合唱団も「贅沢」です!)の方々がステージに上がり、続いてN響の皆さんが。コンマスは堀正文さん。ああ、贅沢! あと、第3楽章に入る前にステージに登場したソリストの方も贅沢でした(ソプラノ・澤畑恵美さん、メゾ・林美智子さん、テノール・福井敬さん、バリトン・成田博之さん)。
そしていよいよ佐渡さんがステージへ。
『デ・デカい!』
いや~、佐渡さんホントにデカいわ~。舞台映えするわ~。その昔、実家(京都)の近所のおばちゃんに「裕ちゃん、今何やってはるの?」と訊かれた佐渡氏。「新日(本フィル)の…」と言いかけたら「ああ、新日本プロレス」と理解されてしまった、というエピソードをお持ちなくらい、見た目トップレスラー。事実、佐渡さんよりも小柄なジュニアヘビー級のプロレスラーなんてたくさんいますからね。佐渡さんは十分ヘビー級でイケちゃいますから。その佐渡さんが全身を大きく使ってエネルギッシュに指揮をするので、何かのはずみでコンマスの堀さんの後頭部をペシッと叩いちゃったりして! なんてことも考えたりしましたが…。

いつも『第9』を聴くと、たとえそれがCDであったとしても、第4楽章のラストの1分間で感極まり、どうしても涙が出てしまうのです。なので、この最高な状態でのラストは危険すぎます。号泣しちゃうかも、です。
しかし実際に演奏が始まったら、とんでもないことがおきました。
第1楽章の最初の音から、これが世界レベルのN響の音なんだと思い知らされました。今までに体験したことがないようなハーモニーで聴く『第9』。こんな音の『第9』が聴けただなんて! 佐渡さんの『第9』に対する想いの崇高さがN響の音として現れた、そんな瞬間だったと思います。演奏が始まって5分もたたないうちに、言いようのない感動に涙が溢れていました。
『おいおい、第1楽章も始まったばかりなのにもう泣いてるよ!』と己に驚きましたが、結局、第2楽章も第3楽章の間も、素晴らしい演奏に落涙しっぱなし。もちろん第4楽章でも涙は止まりませんでした。何なのよ、私!

楽しみに待ちこがれたものは、待った時間とは反比例して、あっという間に終わってしまうものです。演奏時間が1時間にもなる『第9』なのに、夢のような贅沢な時間は、本当にすぐに過ぎて行きました。
素晴らしい演奏に対して鳴りやまない拍手。何度も要求されたカーテンコール。ステージからN響の皆さんや合唱団の皆さんがいなくなっても、座席から立てないでいる私がおりましたが、心の中は「Freude」で満ちていました。
チケット、ちょっと高かったけど、聴きに行けてホントに良かったぁ~。
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2 コメント

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伝わってきます (ハナキャップ)
2009-10-05 09:17:47
とみさん、すごい文才だよ…。
とみさんの感動の余波も、
N響や佐渡さんの素晴しさも、
この文章からヒシヒシと伝わってきて、なんとなくジーンときました。
久しく生のクラシックを聴いてない私ですが、ちょっと心惹かれましたとも。
そして何故か、身辺ちょっと慌しく、いつもにも増してガサツに生活している私も、
もちょっと優雅に丁寧に動いてみようよ…っていう気になりました。
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ハナキャップさん (とみ)
2009-10-06 21:33:34
ハナキャップ家は最大のイベントが控えているから、慌ただしいのは仕方ないよね。
でも、ずっと慌ただしくしていると疲れちゃって動けなくなるから、
ちょっとだけでもゆ~ったりしてみて!

マジで、N響の演奏会は凄かったっす。チケット料金がお高めなのも納得でした。
今年2回目の生の『第9』。ホント、幸せでした
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