あ可よろし

「あきらかによきこと」は自分で見つける・おもしろがる
好奇心全開日記(不定期)

みんな頑張れ!

2019-07-06 | 本(文庫本)
荻原浩さんの『ギブ・ミー・ア・チャンス』を読みました。
前回、荻原さんの作品を読んだ感想で「長編」「束は1.5㎝以上」ってなことを書きましたが、本作は短編集であり、束は1.4㎝。……あはははは。

尾行してもすぐに気づかれてしまう元相撲取りの探偵→「探偵には向かない職業」
ひとりで営業のドサ回りをする売れない演歌歌手→「冬燕ひとり旅」
超人気漫画の連載終了に危機を感じるアシスタント→「夜明けはスクリーントーンの彼方」
グリーン車のキャビンアテンダントに転職した元CA→「アテンションプリーズ・ミー」
ゆるキャラの"中の人"に決まった若手公務員→「タケぴよインサイドストーリー」
殺害方法を考えながらミステリー新人賞に応募し続ける主婦→「リリーベル殺人事件」
子どもの頃からの夢、「テレビに出ること」を追い続ける元柔道少女→「押入れの国の女王様」
バイト中でも脳内でツッコミ練習と相方探しを続ける芸人→「ギブ・ミー・ア・チャンス」


「働く」のって大変なんです。しかも夢を持って仕事と向き合っていたら、挫折するってことは絶対にある。順調に描いた夢通りに進める人生なんてありゃしないでしょう。そんな人がいたら逆に「人生楽しいですか?」ってインタビューしたいわ。
本作で登場する8人の主人公たちも大変な思いをしながら仕事と向き合っています。一生懸命に仕事に取り組んでいるのに、空回りばかりで順調に進まなくて。それでも腐ったりしないで切り抜けようと頑張っている。読み進めて行くと「頑張れ!」って応援してしまう。そんな愛おしい作品たちでした。
中でも「冬燕ひとり旅」の琴路さんはカッコイイです。ラストはスカッと爽快な気持ちにしてくれます。
それと、荻原さん自身による「あと書き」ならぬ「あと描き」。全部読んだ人に向けてのご褒美です。……って、マジか! メッチャうまいんですけど!
何だろうなぁ~。才能がある人って、どこまでも才能があるんだなぁ~。裏山~。
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