あ可よろし

「あきらかによきこと」は自分で見つける・おもしろがる
好奇心全開日記(不定期)

奥湯元あじさいホテル

2007-08-03 | 本(文庫本)
「この作家の新作が出たら絶対に買う! とにかく全作品読む!」
という作家が誰にでもあるかもしれません。小説だったり漫画だったり…。私にとってのそれは、浅田次郎さんの作品です。新刊本(と言っても文庫本になるまで待つのですが…)を見つけたら即買いです。読む前からワクワクしてしまいます。

浅田先生の小説は風景が鮮明にイメージできるんです。多くの作品が映像化されるのは、そのためだと思っています。でも残念ながら、面白さ・美しさ・せつなさなどが原作に勝って描かれた映像作品はまだないと思います。
映画化された「鉄道員(ぽっぽや)」や「地下鉄(メトロ)に乗って」からのイメージだと、浅田先生の作品は「とにかく泣ける」と思っている人が多いかもしれません。でもそれだけじゃないんだなぁ~。

例えば「プリズンホテル」(これもテレビドラマ化されたようですが、私は見ていません)。
物語は、一見普通のリゾートホテル「奥湯元あじさいホテル」が舞台です。しかしこのホテル、実は任侠な方々の保養地的ホテルだったりします。表紙をめくると「奥湯元あじさいホテル館内のご案内」というのがあり、注意書きを読んだ多端に、一瞬にしてこの作品のとりこになります。5つの注意事項がありますが、最後の「館内ロビー・廊下での仁義の交換はご遠慮下さい」まで読むともう笑いが止まりません。本文を読む前に、まだ目次にまで行っていないのに…。秒殺です…。
のっけから笑わせておきながら、実は、浅田先生の得意技「泣き」も入ってます。実は私はこの作品がおそらくイチバン好きで、2度ほど読み返しています。読むたびに新鮮で、前回やられた「泣き」のポイントをすっかり忘れてしまい、同じところで「また泣かされちゃったよ…」となるのです。

画像に一緒にあるのは「きんぴか」(本当は3冊あります)という、これまた悪漢が大活躍のスカッとする小説です。実はここに出てくる救急救命センターの看護師長“血まみれのマリア”こと阿部まりあが「プリズンホテル」にも登場します。なので「きんぴか」を読んでから「プリズンホテル」に入るという順番をおすすめします。まりあさん、超カッコイイの!「私の好きな女性キャラ」のトップがまりあさんですから!

あ、すっかりお気づきでしょうが「プリズンホテル」の表紙、花札の絵柄です。「あ可よろし」のイメージは、ここからいただきました。
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6 コメント

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あったな~ (なおきちどん)
2007-08-04 23:33:57
ワタシはかなり長い間、赤川次郎は全部読んでましたね。
今は(数年前から)たまにしか読んでない…。
けっこうのめり込むタイプなんで、そういうのあります。
群ようこさんのエッセイ、竹河 聖さんのホラーなんかはほとんど持ってるかな。
あ、もちろん文庫ね
漫画なら「クッキング・パパ」これだけは外せません!
置き場所なくて困ってます
浅田さんのは読んだことないです
いつも布団に入ってから本読むのですが、最近は眠たくて読んでられない…
でも、今度見てみますね~!
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なおどんさん (とみ)
2007-08-05 19:19:58
以前、なおどんさんのところの画像で、
書棚に赤川次郎の小説とクッキング・パパがダーッと並んでいるのを見ました。
なおどんさんのお気に入りの作家や作品を知ることが出来て嬉しく思ってましたよ。

浅田さんのは、いちばん最初が「地下鉄に乗って」で、次に「きんぴか」を読んだので、
その書き様の違いに「同じ人が書いているのか?」とかなり驚いたものです。
浅田さんの小説、ホントにオススメなんですぅ~ 是非読んでみてね
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のめりこむタイプ (patomil)
2007-08-06 12:37:09
ハイハ~イ!私めのことです。
しっかり、どっぷりハマリ込んでま~す
「日暮し」はまだ文庫本が出てなかったので、「あかんべえ」を先週読み終わり、今は「初ものがたり」を読んでます。
活字を詰め込みすぎて、頭痛になり一晩休憩した日もありました。
フムフム・・今度は「きんぴか」ね。
盆休みもあるし「プリズンホテル」までいっちゃうぞ
「海のトリトン」私も大好き
少なくとも10個位は年下と思ってたけど、まさか?同じ世代?
そんなことはないよねぇ~
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あ可よろし (ふうちゃ)
2007-08-06 17:21:39
恥ずかしながら わたくし ず~~っと 「あのよろし」だと思っておりました~
歳はとっても 知らないことばっかりで お恥ずかしいです~~

松本清張先生の作品も 森村誠一先生の作品も 一気に読んで「ドラマじゃあ この微妙な雰囲気は 伝わらないな~」なんて 言っていたのは ずっと昔の事になってしまいました~
でも いい作品は 何度読み直しても いいですね

あっ! 「クッキング・パパ」と 「美味しんぼ」と「味いちもんめ」ありま~~す 
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patomilさん (とみ)
2007-08-06 22:44:05
本を読みすぎて頭痛
ある意味、極めましたねpatomilさん
でもね、あまり無理しないでくださいね。夢中になっちゃうのはわかるんですけど…。
夏休みにゆっくりどうぞ!

「海のトリトン」も「バビル2世」も大好きだった私。
たぶん、私たちは同世代ではないかと…。
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ふうちゃさん (とみ)
2007-08-06 22:53:25
私も、すっかり大人になってから「あ可よろし」と読むのだと知りました。
子供のときは「“あ”の下にある点は何?」と思ってましたが、
疑問を解決しないまま、大人になってしまったもので…

ふうちゃさんのお好みは重厚な小説ですね
「砂の器」の中に出てくる亀嵩のシーン。
出雲弁の描写が完璧だったことに驚き「松本清張って凄い!」
と思った、出雲弁ネイティブな女子高校生だった頃の私

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