プロレスへの造詣はさほど深くはないけれども、橋本真也というプロレスラーの名前は知っていた。
少々太めの体つき。小川直也との抗争、和解、共闘。
確かDDTという技が決め技だったと思う。
力強いチョップやキックを放つ姿を、何となく覚えている。
プロレスラーには身体の危険がつきまとっている。
総合格闘技の選手も同様だろう。
身体を張った仕事だから、ある程度のリスクは仕方ないのかもしれない。
ただ、精神論的なものはさておき、プロレスも総合格闘技も殺し合いではない。
そこにはルールが存在する。
不慮の事故はあるかもしれないが、生命の危険はできる限り排除されなくてはならない。
しかし、観客の意識は常に過激なものを求める。
技の威力は、選手の技倆と共に進化し、より強力なものとなる一方だ。
力道山は空手チョップで一世を風靡したそうだが、現在のレスラーはそうもいくまい。
より華麗に、より強力に、より危険に。
そのツケは、確実にレスラーを蝕んでいく。
橋本真也はリングの外で倒れた。
その死因とプロレスとの間に、因果関係があったのかないのか。
詳しいことは判らない。
でも、おそらく彼の身体は相当に傷ついていたのだろうと思う。
確か、肩の治療でリングから遠ざかっていたはずだ。
他の部位も相当なダメージを負っていたに違いない。
この一件は、あくまでイレギュラーなケースなのだろうか。
レスラーであっても、安穏無事な老後は過ごせるのだろうか。
そんなこと、レスラーは望んでいないのだろうか。
人生の意味を、その年月の長さで測ることは難しい。
だから、勝手に祈るしかない。
橋本真也というレスラーの人生が、本人にとって豊かなものであったことを。
合掌。
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