強姦という犯罪は、非常に卑劣な犯罪であると、僕は思っています。
親告罪であることから、泣き寝入りを強いられている被害者女性は、相当な数にのぼるのではないでしょうか。
それだけ卑劣な犯罪に対して、“たかだか”8年という求刑しかされないという現実に対して、強い憤りを感じます。
強姦罪は、「女性が望まない性交渉を強いられたとき」すべてについて、本来なら適用されるべきです。
もちろん、それを悪用する女性がいないとは限りません (強姦されたと偽って脅迫を行なう、など)。
ですが、客観的な犯罪立証が難しいことは間違いなく (たとえば何らかの怪我を負っていれば、間接的な証明はできるかもしれません)、よって女性からの親告に頼らざるを得ないわけです。
大切なのは、勇気を出して親告した女性をどうやって保護するのか、という点。
徹底的なプライバシー保護は言うまでもありませんが、より深刻なのは「お礼参り」をどうやって防止するか、ということです。
たとえば、女性の住居(もしくはその近辺)において犯行がなされた場合、女性の住所を犯人が知ってしまっている(可能性が高い)ことになります。
前述のとおり、“たかだが”10年足らずで犯人は一般社会に舞い戻ってきます。
そのとき、もし女性の住所が変わらずにいたら、犯人が何らかの報復行為に出ることは、充分に考えられます。
被害者が簡単に引越しできるかどうかは、経済的事情や仕事の事情、家族がいれば子どもの事情などもあるでしょうから、難しい場合も数多くあるはずです。
犯人を相手に民事訴訟を起こし、賠償金を資本とする手もありますが、判決が出るまでの時間や手間を考えると、簡単に行なえることでもないでしょう。
そもそも犯人が経済的に裕福でない場合は、まともな賠償金は期待できません。
仮に、引越しの費用や新居の手配、新しい就職の斡旋まで公的に支援されたとしても、それまでの人生で被害者の女性が培ってきた「人間関係」や「信頼関係」などの無形財産は、失われたまま二度とは戻ってきません。
何より、心に受けた傷が、今後の人生において悪影響を及ぼす可能性 (PTSD など) が非常に高いわけです。
カウンセリングのような心的サポートも、必要となってくるでしょう。
強姦罪のさらなる厳罰化、被害者女性への手厚いサポート、社会意識の改善 (被害者女性を罪悪視しない、性犯罪を黙認しない、など)。
こういったものが確立されても、なお性犯罪が減少する保証はありません。
結局のところ、自分にできることをやっていくしかないのですね。
相手を思いやる気持ち。
性犯罪を憎む正義感。
大切な人を守ろうとする思い。
性犯罪というフィールドにおいて「弱い立場」にいる女性を守ろうとする勇気。
そういうものを、自分の中に育むことから、まずは始めていかないと。
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