Time is moneyはかのベンジャミン・フランクリンが彼の発行していた日めくりカレンダーに書いたのがどうも最初のようだ。僕が中学生のころ、田舎の教師はそれを知ってか知らずか、「時間は大切なものだ」という意味で ”Time is money” を紹介した。金はカネでもありキンでもある。だから君たちは自分の時間をお金のように或いはキンのように大切に使わねばならぬ。(教師の頭にあったのは、生徒は受験を勝ち抜くためには一分一秒無駄にはできぬ。これはちょうどよい言葉があった、くらいのことではなかったろうか。)
Time is moneyの本当の意味というか、フランクリンの意図した意味を実感したのは、社会人になってからのことであった。あっ、これって、自分の時間を自分の将来のために投資しろっていうことなのね! お金を貸せば毎秒毎秒時間の経過とともに貸金が利息という形で何ものかを作り出す(現実化する)わけだけど、自分の時間も自分の将来のために使え、ということなのね! と。
フランクリンにとって、Time is ”Gold” ではいけなかったのだ。田舎の教師は日本語の「金」からGoldを連想し、そこから「時間は大切だ」という意味を引き出したわけだけど(まっ、それはそれで当たらずとも遠からずの解だったわけだけど、生徒にテストをさせる立場の教師としては、明らかに不十分な解だったわけだ。)
フランクリンの指摘は二つある。
一つは、人生における時間の観念。二つ目は、投資の概念。