【日本は変われたか。ゼロリスク思想 油断招く】
(東京証券取引所は)昨年10月1日、システム仕様書の記述ミスひとつから終日売買停止という重大事態に陥った。この日、故障機器を早々に交換してシステムを復旧させたにもかかわらず、午後も取引を再開できなかった。すでに証券会社から受信した売買注文をどう扱うか、十分な判断基準も手順をなかったからだ。
システム障害はゼロにはできない。調査委員会の久保利英明弁護士は東証が売買停止リスクを極限まで減らすネバーストップにとらわれ「止まったときにどうするかに発想が及ばなかったまらだ」と指摘した。
企業のリスク管理が思考停止に蝕まれつつある。(中略)BCP(企業継続予防計画)がある企業の比率は20年に初めて減少に転じた。(中略)「喉元過ぎれば・・・で機運がしぼんでいる」(略)
「ゼロリスク」などあり得ない。そこを思考の原点としなければBCPは綻びてゆく。