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ロシアのウクライナ侵攻は、ウクライナ祖国防衛戦争である。ロシアの歴史を顧みれば、プーチン・ロシアはこの戦争に勝てない・・・(であろう)・・・・

2022-04-06 18:44:37 | 払暁半刻
今回のプーチン・ロシアによるウクライナ侵攻は、侵攻後ウクライナが頑強な抵抗を継続していること、さらに一部では反攻に出ていることを見ると、すでにロシアによる単なる「侵攻」という呼び方は適切ではないように思う。旧ソ連がナチス・ドイツに対する戦争を「祖国防衛戦争」と呼んでいるように、今回の戦争はすでに「ウクライナによる祖国防衛戦争」と見るのが適切であると思う。
 2月24日のプーチン・ロシアによる侵攻以降のウクライナの人々の犠牲と苦難は、テレビ報道の画像を見ているだけでも涙が出てきそうになるが、それでもウクライナの皆さんの直面する苦痛をどれほど感じることができるか、甚だ心もとない限りだ。さらにウクライナの人々がその祖国と肉親を思うその気高い郷土愛と同じものを、我々日本人が今後持てるだろうかと考えた時、中々確信が持てない。それほど、この21世紀の20年代において稀有のものだと思う。

 ロシアは、旧ソ連時代、さらにその前の帝政ロシア時代でも、筆者の知る限り、その領土の外で戦った戦争で勝ったためしがない。第二次大戦で旧ソ連は連合国の一員として戦勝国となったが、ソ連軍がドイツ第三帝国に勝利したのは、有名なレニングラード攻防戦を含めそのほとんどがソ連国内での戦いであった。フランス革命後ナポレオン軍がモスクワを攻めた時も、ロシア帝国はこれを撃退したが、このときも冬将軍に負うところが大きいとはよく言われることだ。日露戦争では日本海海戦で惨敗を喫したが、これもロシア帝国の領土の外であった。旧ソ連はアフガンにも侵攻したがここでも戦闘は長引き泥沼化し結局は撤退した。一方で、ロシア国内に他国が攻め込んできたときは「祖国防衛戦争」として膨大な犠牲を払いつつも、ロシアの人々は強靭な忍耐力をもって勝ち、他国の侵略を跳ね返してきた。ロシアは、強力強大な軍事力を維持しているが、歴史を見ると、守るに強く、攻めるに弱い国のようである。(いくつか要因を考えることができるが、それはまた別の機会に。)
 今回のウクライナ「戦争」では、プーチンは「ロシア帝国」内での軍事作成と考えているふしがあるが、ソ連崩壊後は国際法上明らかにウクライナは独立国となったのであり、さらにウクライナ人の自己認識でもウクライナは明らかにロシアの一部でないようだ。(このウクライナ人の意識は、8年前のロシアによるクリミア併合後より強固に自覚されてきたようだ。)つまり、プーチンの自己認識はどうであれ、プーチン・ロシアは「他国」に攻め入ったのである。
 さらに誠に皮肉なことに、今回のプーチンの戦争はロシアの安全保障を求めて侵攻したものの、ウクライナというロシアの領土外に攻め込んだもので、上に概観した歴史が繰り返すとするなら、結局ロシアは自国領土外でのこの戦争に勝てない可能性が高い。
 衝撃的な2月24日の軍事侵攻後の戦況を現在(4月6日)まで見てきて、やっとこのように、ある確信をもって「ロシアは負ける、あるいは勝てない」と思えるようになった。ウクライナの人々の苦痛を苦悩はこれからもしばらく続くであろうし、それはそれでとても言葉で連帯を叫んだだけでは足りるものではないが、そろそろ、ウクライナの人々のためのことも含めて、「戦後」の姿を考え、さらに「戦域外」に住む庶民の一人として、その「戦後」に何が出来るか、また、何をしてはいけないか、を考えてみるべき時期に至ったように思う。    (2020年4月6日記)


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