電子書籍でアドルフに告ぐを購入しました。この漫画に出会ったのは自分が中学生の時で、どういうわけか学校の図書館に入っていたのを読んだのがきっかけです。図書館に漫画が入っているのは珍しく、他に漫画はなかったと思います。(作品自体は昭和ですが、自分にとっては平成レトロの一つかもしれません。)
考えてみると、自分が中学生の頃は学校の先生も比較的「左翼的な考え方」をする人が多く、確か社会科の教師は「ゴリゴリの日教組の活動家」だったと思います。とにかく「政権批判・戦争・選挙」の話題が多い人でした。最もそういう時代だったといえばそれまでですが、「平和教育」の一環としてアドルフに告ぐを入れたのかもしれません。
最初に読んだ時の感想は「なんだか気味の悪い漫画だ」と思った一方、「日本の同盟国だったドイツは本当にこんな気味の悪い国だったのか」と疑問にも思いました。というのも、当時はプラモデルにもはまっていて、戦闘機とか戦車をよく作っていたのですが、ドイツ軍の兵器はそれなりに種類も多く、技術的にも洗練されていたことから「そんな変な国からこんなすごい兵器が生まれるのか」と疑問に思ったからです。確か角川だったと思いますが、「我が闘争」が日本語訳で出版されており、買って読んだ記憶があります。その時「ドイツでは出版そのものが違法」だと知りました。
最終的には作者が「書き足りなかった」と感じる部分もあるらしく、確かになぜこのキャラクターがこうなったのかという空白の部分があり、そこがすっきりしない原因の一つなのかもしれません。改めて読み返してみると10台の頃とは異なり、「もし自分がこの時代に生まれていたら、時代の流れに逆らう生き方ができたのだろうか、周りに流されて、後から「あの時は仕方がなかったのだ」といわないだろうか」と思いました。やはり中年になって自分なりに人生を振り返ったとき「仕方なかったのだ」と自分を納得させた経験あるとどうしてもそう思ってしまいます。登場人物の年齢はよくわかりませんが、最終話の頃で自分より少し上くらいだと思います。中学生の頃はるか年上だった登場人物(最終話時点)が自分とそう変わらない年齢になり、描かれていない空白の時間に何があったのだろうといろいろ想像してしまいました。
電子書籍でダウンロードしたので、今後サービスが終了しない限りデータは残ります。またしばらく後に読み返したとき、今回と異なる感想を持つのだろうと思います。
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