とし’s ブログ

▼社会人になってから、趣味で音楽活動を始めました。

ライブレポートSP 5/23:Eddi Reader(心斎橋クラブクアトロ)

2007年05月24日 | (未分類)

日本では、エデイ・リーダーというより、「元フェアグラウンド・アトラクションのボーカリスト」として知られているかもしれませんが、ソロアーティストとしても8枚のアルバムをリリースして、確固たる地位を築いているアーティストです。

わたしがエデイのライブに行くのはこれが3回目。最もお気に入りのアーティストの一人です。
エディはスコットランドのグラスゴー出身ですが、なぜかわたしはグラスゴー出身のアーティストに好きな人が多く、この他にも、ティーンエイジ・ファンクラブとか、トラヴィス、フランツ・フェルディナンド、ベル・アンド・セバスティアンなどがお気に入り。

エデイは1959年生まれ。会場の年齢層も高めで、落ち着いた雰囲気でライブ開始を待ちます。

そんな中、エデイが登場。前半はややしっとりと進めていきました。

印象的なのは「パーフェクト」や「ペイシェンス・オブ・エンジェル」などの有名な曲を早い順番でプレイしたこと。昔のヒットに頼らないステージを進めようとしているのだなと感じました。
エデイは2003年に、詩人ロバート・バーンズの詞による、スコットランドの伝承曲を取り上げたアルバムを出していますが、近年、自分の音楽的なルーツに原点回帰しようとしているようで、ライブもそういった姿勢なのでしょう。

CDでは繊細なイメージが強いエデイですが、ライブの雰囲気はかなり違います。
なかなかお茶目でチャーミング。中村俊輔のシャツを着てみたり、ギタリストの帽子を取ってふざけたり……、ジョークも交えて、観客を楽しませていきます。
歌っているときのしなやかな手の動きや、身のこなしは、エデイ独特の美しいもので、自然と見入ってしまいます。

ボーカルも、CDで聴く以上に、太くて良くとおる声。表現力が素晴らしい。
バックバンドは分厚い音で、エデイを引き出すような控えめで堅実なプレイでした。
全体のサウンドはジャジーというか、ブルージーというか、もっとソウルフルです。
最後の方で、観客のリクエストに答えて演奏した「Hummingbird」などは、この特徴がハッキリ出ていて、CDでは線の細い曲ですが、ライブでは分厚い、ノリのよいナンバーになっています。
エディはエラ・フィッツジェラルドやビリー・ホリデイに憧れて育ったそうだということですが、聴いて納得します。

途中、ウッドベースが
ソロで、タッピングでリズムを刻みながら鳴らすという、びっくりするようなテクニックを披露したり、ゲストボーカリストのHeidi Talbotを迎えて、「Invisible」「Muddy Water」の2曲を披露するような場面もありました。

後半は、フィドルとアコーディオンをまじえて、ノリのよい曲を中心に、エデイが歌い、舞い踊るという感じ。
ホントに楽しい雰囲気で、イギリスのバーでお客さんと一緒になって歌っている……そんな光景が目に浮かぶようでした。
盛り上がりの中、ライブ終了。
アンコールでは、意外な組み合わせですが、ジョン・レノンの「Oh My Love」をカバー。これがまた、じーんと来ました。

メンバーが去って、会場が明るくなっても、残ってアンコールを求めるお客さんの姿が。
と、突然エデイが再登場して、ドラムだけをバックにもう1曲。実は、エデイのライブにはこういうサプライズがあるので、急いで帰ると損ですよ・・・。

というわけで、ベテランの余裕と風格をも感じたライブでした。大満足。