クラシック音楽の世界で、今からちょうど100年ほど前に「機械文明」を表題に作曲された曲が何曲かあります。「機械」というのは今では若干時代遅れ的なニュアンスを含んでしまいましたが、当時としては最新のテクノロジーでありました。
アルテュール・オネゲルは1923年に『パシフィック231』という蒸気機関車を題材にオーケストラ曲作っています。それから、セルゲイ・プロコフィエフのバレエ音楽『鉄鋼の歩み』(1925)、アレキサンダー・モソロフの『鉄工場』(1926)などという曲が、生まれています。音楽と対極にあるような機械文明をテーマにしている所が面白いものです。
で、ダムに関する曲もあるんじゃないかとネット検索してみたのですが、先にも述べたようにカラオケのDAMに関するものばかりで知りたい情報にはなかなかたどり着けませんでした。
何とか見つけ出したのが、組曲『グランド・キャニオン』で有名なファーディ・グローフェの、組曲『ナイヤガラの滝』(1961)の終曲『Power of Niagara』です。和訳では『ナイヤガラのパワー』などとなっていますが、水力発電所のことを指しているようです。『パワー』とは『電力』のことですね。
入手できるCDは1枚だけのようで、いつものネット通販でポチりました。
聴いてみますと、ダイナミックで派手で、濁流の様子などが音で描かれているのではないかと思います。中盤以降ではサイレンやブザー(湖の船の汽笛か?)が鳴り響き、確かに水力発電所だと思わせるところがあります。(ほとんど知られていない曲なので、日本語の解説が無いのが残念)
スケールの大きさを感じさせてくれる曲となっております。
YOUTUBEに音源がありましたので、お楽しみください。
グローフェ: 組曲「ナイアガラの滝」:第4曲[ナイアガラのパワー]