【申告】
バケットが下りてくる時に、閉じてしまいます。
【初診】
本来はパケットが下りてくる時パケットを開いて降りてくるのですが、開いたか思うと急激に降りて閉じてしまいます。かと思うと開いたりします。
おそらく、チェーンを巻くプーリの機構に病巣がありそうです。内部を確認します。
屋根をはぐると駆動ブロックが現れます。このモデルは、手動でも動かせるように手動ダイヤルが付いています。
さらに、ギヤブロックを開けて行きます。
症状からすると、バケットが自重落下してチェーンが伸びて、昇降チェーンと開閉チェーンの関係が崩れて閉じているようです。
自由落下を防ぐためのギヤの回転を止める爪の力がなくなっているようです。そこで爪がギヤの回転を押さえる力を強くするために、スペーサを挿入しました。
これで、症状がなくなりました。
【治療後記】
バケットを開いてから下降を始め、バケットを閉じてから上昇する。この単純そうでこの動きをさせる構造は、素晴らしいと思います。
次々と新しいクレーンゲームが出てきています。楽しいおもちゃのひとつです。
【おまけ】
バケットの動作説明です。
まず、2本のチェーンとバケットの開閉動作の説明です。
2本のチェーンは、バケット昇降用とバケット開閉用です。どちらのチェーンでバケットを吊り下げるかにより開閉状態が変わります。
バケット開閉と昇降の動作順序についての説明です。
モータからの動力に連動するギヤの軸には、昇降チェーンプーリは圧入されています。開閉チェーンプーリは、軸に対し空転しています。開閉チェーンプーリとバケット自由落下防止ギヤは、一体化しています。
昇降チェーンプーリには突起があり、開閉チェーンプーリにある段差に当たると同時に回転します。
昇降チェーンプーリの回転方向が変わったとき、昇降チェーンプーリが半回転して開閉チェーンプーリの段差に当たるまでは、開閉チェーンプーリは回転しません。半回転分遅れることになります。そしてこの時こそ、開閉チェーンプーリはバケットの自重を支える状態で、バケット自由落下防止ギヤを自由落下防止爪で回転を止めているのです。
今回、自重落下防止爪の力が弱くなり、バケットの自重でバケット自由落下防止ギヤの回転を止めることが出来なくなり回転しました。この時がチェーンが急激に伸びた状態です。