東洋はり医学会 大阪支部

(一社)東洋はり医学会は60年、大阪支部も50年以上、経絡治療はり専門臨床家の学術を支えてきた勉強会・講習会の団体です。

7月21日支部会の感想 東洋はり医学会大阪支部

2019年09月11日 00時37分07秒 | 支部会感想
7月21日支部会の感想 東洋はり医学会大阪支部

7月支部会のメニュー
午前
事業報告・3分間スピーチ
特別講習会日程・カリキュラム決定
基礎講義 わかりやすい経絡治療 第26回 第20章 誤治の調整
午後1時00分より  
支部年間研究テーマ、「刺鍼と脉状変化の検証 其の5 瀉法の脉状変化」 瀉法
実技 基礎班・研修班其の1「脈診」 
 実技 基礎班・研修班其の2「証決定」

実技纏め・質問、臨床質問、本部会音声を聞いて
午後5時 終講
   

感想 
午前中は基礎講義、わかりやすい経絡治療・第二十章「誤治の調整」でした。
 経絡治療は明確な理論のもと、合理的に治療が進められる為、時に誤治を招いたとしても、その反応を検討・修正し、治癒に導くことができる。
この誤治調整は、主証の正否、取穴の適否、ドーゼの多少、適応側の適正、脈状に応ずる手法の適合、標治法の如何の六方面から検討されるとの事です。
 取穴や刺鍼技術が未熟であれば例え誤治を招いたとしても、殆ど影響はないが、熟達していれば恐ろしい反応が現れてしまうので、五蔵特有の反応を押えつつ、よくよく検討して調整する事が肝要との事でした。
只、誤治反応が起こせる程度に熟達しなければ平素の治療で優秀な成績を得る事はできないので、基礎・基本はしっかり修練せねばと思った次第です。

午後からは実技で瀉法の脈状変化の検証と脈診・証決定が行われました。

 瀉法では「押す止める押す止める」を心がけましたが、止める際、少し引いていたようでしたので、今後は押し戻されない程度に圧を入れて止めてみようと思いました。

 脈診・証決定の時は模擬患者として参加しました。
脈診では肝虚と診る先生が多かったですが、自分は脾虚に診えました。
他の先生にアドバイスをもらい左関上を中脈の下側・骨際まで深く沈めると、確かに肝の脈は弱く診えました
 今回は基本的な事ですが、中脈をしっかり確認し、そこから陰分・陽分の脈を丁寧に診て比較する大切さを再認識することができました。




■お問い合わせ

聴講初回は、無料、2回目以降は、学生1500円、有資格者3000円となっています。
聴講等の際は、事前に御連絡下さい。

お問い合わせやご質問は、メールにて 

または、お電話にて、
までご連絡下さい。

次回、大阪支部会は、令和元年 2019年

東洋はり医学会 趣意書

 文化の進展は瞬時の猶予をも許さず、今や鍼灸術も世界の医学界に登場するところとなった。
 翻って国内においては、これが科学化の掛け声と共に種々な研究が進められてはいるが、その大勢は鍼灸の臨床における諸現象を現代医学によって解明せんとするものの如くである。即ち、経穴を刺激の部位となし経絡はほとんど顧りみない状態であるが、かくては数千年の伝統を誇る東洋医学の真髄を学ぶことは全く至難となる。
 病体を気血の変動とし、その病変を経絡の虚実として統一的に把握し経穴を診断と治療の場として補瀉調整する経絡治療こそ鍼灸術本来の正道である。しかして、この学理と術技を体得せしめて、真に病苦除去の実力ある鍼灸人を育成することこそ、その科学化に優先すべき必須要件であるが、不幸にしてこれを誤る時は、その鍼灸術、すなわち我が祖先の偉大な文化遺産を後世に伝承することは全く不可能となる。
 ここにおいて、我々志を同じうする者、相図って東洋はり医学会を結成し別紙綱領の完遂を期す。
 以上の主旨を諒とせられる同志は、来って本会に投ぜられんことを広く業界の諸君に訴える次第である。

綱  領
1.我々は臨床を通して古典を再検討し、病体を通じて経絡経穴を把握し、以て伝統的な鍼灸術の本道を体得せんことを期す。

1.我々は正しい経絡治療の学理と術技を修得することによって、鍼灸人としての人格と実力を涵養し、以て鍼灸家の社会的地位を確立せんことを期す。

1.我々は古典による経絡理論を正しく理解実践し、経絡経穴の普及啓蒙に努め、以て偉大な祖先の文化遺産を伝承せんことを期す。




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