尖閣国有化で政府、都と本格交渉…中台は反発、野田政権も、“逃げた”石原都知事も尖閣諸島を守れない！

　野田首相は７日、尖閣諸島（沖縄県石垣市）を国有化する方針について、独自に同諸島の購入計画を進める東京都との調整を急ぐ考えを表明した。
 政府は、領土保全に関する国の責任を明確にするため、同諸島の地権者と購入契約を結ぶ考えだ。これに対し、石原慎太郎都知事は、まず都が買い取り、国に引き渡す考えを示している。一方、尖閣諸島の領有権を主張している中国や台湾は同日、日本政府の購入方針について反発した。首相は７日、福島市で記者団に対し、石原知事が都による購入が先だと主張していることに関し、「尖閣諸島の平穏かつ安定的な維持管理を継続する観点から、さまざまなレベルで、さまざまな接触をし、総合的に検討しているのが現状だ。それに尽きる」と述べた。
             （2012年7月7日22時18分  読売新聞）

尖閣、まず都が購入する方がスムーズ…石原知事
◆石原慎太郎東京都知事の発言要旨
◆　国有化の方針を固めない方がおかしい。民主党も支離滅裂だから、たぶん人気稼ぎなんだろう。６日に官房副長官と首相補佐官が来て「首相の意向で買わせてください」と言うから、「元々、国の仕事だが、今までのいきさつもあるし、相手の事情もある。まず東京が買い取っていつでも国に渡す。取得した後、即座に国に渡しても結構だ」と答えた。
　（政府側は）その足で地権者に連絡したのだろう。地権者から人を通じてすぐに連絡があり、「国が来ましたけど、私は石原さんにしか売りません。ご安心ください」と伝えられた。
　この前、野田首相に会った時に「そういう意向があるならば、二人で念書を交わして東京が取得してから国に渡そう」と言った。まずは都が購入する方がスムーズだ。国民が１４億円に近い（寄付）金を出してくれた。新しいキャンペーンを考えていて、地権者の要求額を集める自信もあった。　　　　　　　　　（2012年7月7日18時38分  読売新聞）

野田首相は中国との武力対決を決断できるのか！
　石原都知事は、今は“時の人”で、その言動がマスコミに頻繁に取り上げられている。とりわけ尖閣諸島購入のアイデアは国民の共感を得ている。野田首相は、東京都の動きを無視できず何らかの動きを見せないとマイナスになると判断したのだろうか。尖閣諸島を購入し管理したいとの国の打診に対し都知事は「見守ってくれ」と申し出を断ったと報じられている。地権者も都に購入してもらいたい意向のようである。さもありなん。国は今まで尖閣諸島を守るため何もしなかったから、現状維持で無為無策が継続すると危惧したのだろう。

　仮に国が購入したとしても、尖閣諸島の防衛が可能なのか。中国共産党の王家端中央対外連絡部長は、５月２２日、中国を訪問した江田五月元法相と会談した際、尖閣諸島の領有権や独立運動がくすぶる新疆ウイグル自治区に関し「中国の核心的利益だ」と強調した。中国の温家宝首相は、５月１３日の野田首相との会談で、ウイグルと尖閣諸島を念頭に「中国の核心的利益と重大な関心事項を尊重することが大事だ」と指摘していた。江田元法相に対する王家端中央対外連絡部長の発言により、尖閣諸島の位置づけが一段と明確になった。中国がいう「核心的利益だ」とは、一切の妥協を排除し、武力を行使してでも断固守りぬく利益である。

　中国は原則を曲げない国である。しかも石原都知事は、中国を挑発する言葉を頻発している。中国人がこれを座視すると見るのは甘い。中国（人）は、倣岸不遜、隙があればとことんつけ上がる体質を持っている。今後、予期しなければならぬことは、中国軍が日本側の機先を制して、尖閣諸島を占領するというケースである。果たして野田首相に侵攻した中国軍を、武力をもって・・・・自衛権を発動して・・・・排除する覚悟があるのか。
　尖閣諸島事件のとき官房長官仙谷は「日本はすでに中国の属国だ」言った。これが示すがごとく民主党は国家観も、国を守る覚悟も、意思も無い徒党の集まりである。民主党内閣が自衛隊をもって中国軍と一戦を交える決断ができるか。野田首相はそこまで考えているのか？覚悟があるのか？大変心もとない。

石原都知事は煮え切らない
　　　　　以下、読売新聞YOMIURI ONLINEから
石原知事、小沢氏は「自滅への道」…秋に照準
　民主、自民両党の２大政党に代わる「第３極」の結集を目指す地域政党などは、民主党分裂に伴う政局の混乱が早期の衆院解散につながる可能性があると見て、衆院選準備を加速する構えだ。既成政党に対する批判票の受け皿を目指すが、各党や政治勢力間の連携の構図は固まっていない。
◆様子見
　「民主党は衆院選で４年間は消費税を上げないと言っていた。統治の王道はだまさないことだ」地域政党・大阪維新の会代表の橋下徹大阪市長は２日、民主党の小沢一郎元代表らの離党に理解を示した。市役所で記者団に語った。
維新幹事長の松井一郎大阪府知事は２日、政策の違いを理由に小沢新党との連携を改めて否定したが、橋下氏は、次期衆院選での連携の具体像を示しておらず、衆院選間近まで世論を見極める考えと見られる。
◆「秋」に照準
　「西」の橋下氏に対し、「東」の石原慎太郎東京都知事を中心とする「石原新党」は、解散時期を秋以降とにらみ準備を進めている。
　石原氏は２日深夜、シンガポールから帰国した羽田空港で記者団に、小沢氏の離党表明について「自滅への道ではないか」と述べた。
　石原氏はたちあがれ日本の平沼代表、園田幹事長、亀井静香・前国民新党代表と新党構想を協議している。世論の支持が高い維新の会との連携を重視し、石原氏自ら、維新塾に講師として出向くなど秋波を送る。
　ただ、石原氏が新党を結成して自ら次の衆院選に出馬するかどうかは、都による尖閣諸島購入計画の行方が左右しそうだ。石原氏は羽田空港で、「東京の仕事をやる。国がやらない仕事をやっているんだから」と述べ、当面は購入計画に最優先で取り組むとした。　小沢氏との連携については、亀井氏は前向きだが、石原、園田両氏は否定的だ。
　　　　　　　（2012年7月3日13時31分  読売新聞）

石原都知事は国政に出なければ、
 ただの“塾の先生”、逃げたのだ！
　石原都知事は既成政党の再編を核とする新党結成を断念して、橋下大阪市長と連携して政界の流動化にそなえているが、国政に出るかはっきりしない。口ばかり達者でビジョンも政治的能力もないのが松下政経塾出身の政治家である。これが示すように塾で勉強すれば立派な政治家になれると思うのは、ただ単に頭がよく勉強ができる東大出の人物が国家と国民の役に立つ官僚になれると思うのと同じ、大間違いである。

　橋下大阪市長と石原都知事に共通するところは時代感覚や情、行動力で、高所に立って、カッコよい理想論を述べ立てることである。石原都知事は知名度の高さから政界の政変の度に、首相待望論が出たり新党構想などがマスコミをにぎわす。はたして石原都知事が国会議員のときはどうであったか。青嵐会のメンバーで威勢はよかったが、中川一郎自殺後グループを率いていくことはできなかった。一匹狼で自民党を変えることはできなかった。
　このたびの尖閣諸島を巡る動きを見ても、政界復帰の意思を明確に示していない。なぜなのか。逃げを打って、観念論へ立て篭もろうとしていないか。威勢はいいが、土壇場で、ことばの世界へ逃げ込んだのではないかと危惧している。

　橋下大阪市長は、記者会見で涙を流す場面が時々あるが、石原都知事も似たようなひ弱な体質を持っている。昨年3月11日の東日本大震災で福島原発に都の消防隊を派遣し放水作業を行わせ、無事帰還、その解散式で無事帰還したことに安堵したのか、感極まって涙を潤ませた。石原都知事の涙は、艱難辛苦に堪えてことを断固やりぬくほどの強固な意志を持っていないことをうかがわせる。ロシアのプーチン大統領や中国の胡錦濤は感情を動揺させるだろうか。彼らには冷徹さが伺われる。石原都知事は大言壮語で勇ましいが、所詮、”太陽族”のかっこいいお坊ちゃんのようである。

（参照）
橋下大阪市長、倒閣発言撤回、「停電の恐れに『おじけづいた』」と言うのなら国政を担うには１０年早い！　2012年06月09日 17時19分42秒　

　政治家に求められることは、時代感覚や情、行動力で、高所に立って、カッコよい理想論を述べ立てることだけではない。しかも、今は国難といわれる時である。維新も革命も“行動”で、既成の政治機構を破壊し、新しい秩序を建設することである。現実の政治の中で行動しなければ永田町は変わらない。言葉とポーズですむものではない。
　ましてや国家間の対立は空理空論ではすまない。最終的決着には血が流れる。中国軍が都の尖閣諸島購入に反発し占領するケースを想定しているのか。

 中国軍が尖閣諸島を占領したら、都の職員が中国軍と戦うのか。不法占拠に対し軍事力で対抗するのは、国＝自衛隊である。そのとき、石原都知事は、記者会見で「シナはけしからん」と正論を述べるであろうが、実際に、尖閣諸島を守るのは、自衛隊である。石原都知事は安全な場所で、テレビ画面で様子をながめているだけである。石原都知事は、流血の場を避けて、“学校の先生”の世界へ逃げ込んだのではないか。これを戦線離脱という。そうならないことを切に願っている。