「防衛大臣は自衛官ではないんですね」と首相
菅首相は8月19日、首相官邸で自衛隊の折木良一統合幕僚長と、陸海空3自衛隊の各幕僚長と会談した。 昨年の政権交代後、首相が自衛隊の「制服組」トップと会談するのは初めて。首相は、最近の日本の国際貢献活動や日本周辺の安全保障環境などについて説明を受けた。
会談は、8月2日の衆院予算委員会で自民党の石破政調会長から、「首相就任後、自衛隊の最高指揮官として制服組から話を聞いたか」と追及された首相が、「早い段階で(機会を)設けたい」と答弁したことが契機となって実現した。ただ、首相は8月19日の会談冒頭、同席した北沢防衛相に「昨日予習したら、大臣は自衛官ではないんですね」と発言。あいさつでは「改めて調べてみたら、首相は自衛隊の最高の指揮監督権を有している」などと述べた。
首相の発言について折木氏は記者団に、「冗談だと思う。(首相は)最高指揮官なので、意見交換が出来たことは非常に意義があり、大変ありがたい」と述べたが、政府内からは「首相は文民統制を理解していないのではないか」との声も出た。憲法は66条で「国務大臣は文民でなければならない」としている。 (2010年8月19日20時35分 読売新聞)
防衛の最高指揮官がこの体たらくとは
日本は防衛どころか崩壊だ!
菅首相の発言を考えてみる。
●昨年の政権交代後、首相が自衛隊の「制服組」トップと会談するのは初めて。
最高指揮官は、就任後、何にも優先して「制服組」トップと会い、軍事情
勢を把握するのが他国の指導者と軍のトップの関係である。最高指揮官
の国防意識のなさ、無関心さの発露である。国辱的である。敵官示唆の
●首相は、最近の日本の国際貢献活動や日本周辺の安全保障環境などについて説明を受けた。
首相は、就任以来、最近の国際貢献活動や日本周辺の安全保障閑居
を把握せず国を運 営し、外国の要人と接触していた。外国からは、やは
り、中身の有る話をするに足る人 物ではないと再確認させる機会となっ
た。首相は、説明を受けただけで、指揮官として“反応”出来しなかった。
指揮官“失格”であると内外に表明したことと同じ。
●会談は、8月2日の衆院予算委員会で自民党の石破政調会長から、「首相就任後、自衛隊の最高指揮官として制服組から話を聞いたか」と追及された。
他人から、部下の話を聞いたかと指摘される、何と言うお粗末さ!各国
の外交関係者呆れていないか。
●首相が、「早い段階で(機会を)設けたい」と答弁したことが契機となって実現した。
議会答弁をするまでも無い。軽井沢で夏休みを過ごしたのだから、安全
保障、国防に関心が有ればいつでも聞けるはず。首相がこの程度では、
隊員は「事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務め・・・・」
という気にならないだろう。
●首相は8月19日の会談冒頭、同席した北沢防衛相に「昨日予習したら、大臣は自衛官ではないんですね」と発言。あいさつでは「改めて調べてみたら、首相は自衛隊の最高の指揮監督権を有している」などとのべた。
「昨日予習したら・・・・・」とは、首相が言う言葉ではない。国内外の受け
取り方を全く考慮していない。幼稚というかお粗末というか表現する言葉
が無い。「大臣は自衛官ではないんですね」も冗談でも口にすべき言葉で
はない。防衛や安全保障について全く関心が無く国民向けの“政治ごっ
こ”をしてきただけの人間ですと自己紹介したようなもの。このようなことを
冗談として扱う神経の持ち主には、「事に臨んでは、身をもって責務の完
遂」する考えも、覚悟もないのであろうから武装集団を統率する最高指揮官として不適格、失格である。
日本の防衛どころではない、日本には最高指揮官がいないようなもの
だ。中国、北朝鮮及びロシアもこんな“首相”を歯牙にもかけないだろう。
ベトナムは中国に毅然と対応した
菅首相は事に臨んで危険を顧みず
使命を果たす覚悟が有るか!
ベトナムは、中国の南沙諸島侵略の脅威に断固対抗した。中国が
日本の離島を侵略したら、菅首相は断固たる対応を決断できるか?
”最高指揮官”である菅首相は、ベトナムの指導部が示したような、
「事に臨んで身の危険を顧みず使命を遂行する」覚悟はあるか!
自衛隊が離島奪回の訓練をするとの報道が有る。訓練は遅きに失した
くらいだが、問題は最高指揮官である首相の資質である。
制服組との会談で明らかになったこと、それは”弱い日本”だ!
自衛隊が離島奪回の訓練をするが
自衛隊だけでは”離島の奪回”はできない!
政治家の”意志”と”覚悟”が先だ!
強い中国の台頭と弱い日本の没落
19世紀の後半から20世紀は、アジアは安定した勢力均衡が出来なかった。その結果、第二次世界大戦後、日本が再び武装すれば、アジアの平和と安定を脅かすとどの国も見ていた。かってはそれが本当であったとしても、現在はそうではない。北朝鮮と韓国は、統一へ向かうだろうが、日本独力では統一朝鮮に対抗する力は無い。
強い中国の台頭に合わせるかのごとく日本の没落、弱体化が止まらない。世界第2の経済も衰退が著しい。軍事力は、自国を自力で守ることも出来ない軍隊に似ているが軍隊とはいえない準軍事的な武装集団“自衛隊”である。国を守るための法体系も整備されていない“弱い日本”に変わりは無い。アメリカは、いずれアジアから撤退する。アメリカ無き後のアジアの“真空”を埋めるのは強い中国である。
中国はアメリカに対しても自信を強めつつある
米空母を制する3大利器もある。空母攻撃用の各種ミサイル、亜州
最大潜艇保有国、すなわち潜水艦部隊の攻撃、近岸に構成された
立体的火網。記事の終わりに、日本を母港とする米空母は日本の世
論を無視して有事に行動出来ないだろう・・・とのニュアンスの語句が
見える。中国は、日本など眼中に無い。 これは、人民日報日本語版
の記事、すなわち中国の公式の考え方、自信の現れ。
自衛隊の離島奪回の訓練は遅きに失したくらいであるが、それよりも急を要するのは首相や政治家の“教育”である。
(参考)「日韓併合100周年」、対韓外交“勝利の記録” 何度も繰り返す屈辱的奴隷体質 2010年08月12日
問題は政治家の資質の低さ、政治家の劣化であり、国の防衛以前の話だ。菅首相の自衛隊制服組との会談は、国の防衛に関心も無く、国を守る意識を持たない最高指揮官の出現、戦えない日本、弱い日本の現実を内外に示したのであり、21世紀は、”弱い日本”がアジアの安定を脅かすということである。