これはだめだ!

自信喪失、無気力な日本に”喝!”、反日、侮日に反撃、一矢を報いる。

米のオスプレイ強行配備と米国の“使い走り”森本防衛大臣が示した従米外交の破綻

2012-07-02 | 安全保障

                 以下、「東京新聞2012年7月2日 朝刊」
オスプレイ 沖縄、山口が拒否
  仲井真知事「事故なら全基地閉鎖」
  森本敏防衛相は1日、沖縄、山口両県を訪れ、米軍が垂直離着陸輸送機MV22オスプレイを岩国基地(山口県岩国市)に一時搬入し、普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)で本格運用する計画について両県知事と岩国市長にそれぞれ理解を求めた。知事らは相次いで計画撤回や見直しを求めた。日本政府や自治体側に配備を拒否する法的権限はないものの、地元の強い反発により野田政権は配備を急ぐ米側との間で対応に苦慮しそうだ。

 一連の会談を終えた森本氏は記者団に「厳しい意見をもらった。野田佳彦首相や関係閣僚に伝え、協議する」と述べた。

 沖縄県の仲井真弘多知事は森本氏との午前の会談で「安全性に疑問があるものは拒否するしかない。配備中止(の可能性)も踏まえて対応していただきたい」と明言。配備を強行し事故が起きた場合は「(県内の米軍の)全基地即時閉鎖という動きに行かざるを得なくなる」と記者団に指摘し、県民感情の悪化に懸念を示した。
 福田良彦岩国市長は午後に市役所で森本氏と会い「安全性の不安が払拭されておらず、了解できない。陸揚げ自体を行うべきではない」と機体搬入の中止を求めた。この後、山口県庁で森本氏と会談した二井関成知事は「なし崩し的で姑息だ。手順が今のまま続くのは反対だ」と批判した。

 森本氏は仲井真氏との会談で、モロッコと米国で起きたオスプレイ墜落事故の調査について「まだ完璧ではない」として、米側に詳しい情報提供を求める考えを強調した。同時に、普天間飛行場移設問題に関し「民主党政権として努力が足りず、順調に進んでいないことは申し訳ない」と陳謝した。仲井真氏は県外移設を重ねて要請した。

 米側はオスプレイの7月下旬搬入、10月初旬本格運用を計画。搬入後の試験飛行は事故の追加調査結果を8月に日本政府へ提供し安全性が確認されるまで控える意向だ。6月30日に森本氏と会談した宜野湾市の佐喜真淳市長も「許し難い。阻止してもらいたい」と配備に強く反対した。
          
       引用終わり

森本防衛大臣は米国の“使い走り”か
 1953年前の1959年6月30日、石川市(当時)の宮森小学校に米軍のF100戦闘機が墜落した。パイロットは墜落直前に脱出して助かったが、児童ら17人(後に後遺症で1人)が死亡、210人が負傷した。この事故は、今でも沖縄の人々の記憶に深く刻まれている。宮森小では29日、追悼集会が開かれ、児童や遺族らが花や千羽鶴を手向け、黙とうをささげた。よりによって米政府は、追悼集会のあったその日に、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの米軍普天間飛行場への配備を通告した。それだけではない森本防衛大臣は墜落じこのあった6月30日に沖縄県を訪問視し、宜野湾市の佐喜真淳市長にオスプレイの受け入れを要請した。
森本敏防衛大臣は、6月30日が沖縄にとってどんな日か、知っていたのだろうか。 
 政府は「CH46ヘリからMV22オスプレイへの通常の機種変更」だと説明するが、ことはそんな単純なものではない。沖縄のすべての自治体議会がオスプレイ配備に反対し、決議や意見書を可決した。米国でも事故が発生し危険視され本土・山口県でも受け入れられないことがなぜ、沖縄だったら許されるのか。沖縄県民は党派を超え、年齢を超え、職業を超え、多くの人たちがオスプレイ配備に怒りを募らせているのは、そこに、米軍基地をめぐる構造的差別、本土で“迷惑視”されている基地の沖縄県への押し付けという“差別”の存在を感じているからであろう。
 オスプレイをめぐっては、米国内でも、さまざまな動きが浮上している。安全性を疑問視する声は米軍関係者の中にも存在する。国防予算の大幅削減に取り組んでいる米議会も、オスプレイの安全性や保有機数などに不明な点がある、として海兵隊当局に情報公開を求めた。4月のモロッコでの墜落事故も、6月のフロリダでの墜落事故も、最終調査結果はまだまとまっていないにもかかわらず、米海兵隊はオスプレイの配備を強行する。
 
 米軍は基地の再編成との名目で中国に対する包囲網を緩め、中国軍の脅威を軽減するため沖縄米軍をハワイ、グアムやオーストラリアなど“遠く”離れた地域に分散配備する。日本などの同盟国防衛などよりも米国の防衛に精一杯であることがよく分かる。このため米軍の再編が完了した時点における日本周辺に展開する米軍部隊は現状より“小規模”となり、中国・北朝鮮に対する抑止力が低下する。従来型の対米従属外交、米国頼みの国家防衛は成り立たないことは明白である。

 米軍は日本に無断で飛行訓練を計画していた。
  防衛大臣も知らなかった。
   主権侵害、日本はアメリカの属国だ!
     
       2012年6月20日 水曜日 読売新聞朝刊4面
 米軍によるオスプレイの強行配備は、米軍基地がもたらす地域社会及ぼす“危険”の公正な負担を実現するため米軍基地のあり方や基地の管理権を日本側に移すことだけでなく、外務省や防衛省のすすめてきた米国追従の外交・防衛政策の抜本的見直しを求めている。

 このような情況下にありながら森本防衛大臣は、信頼性の乏しい米軍の中間報告をひっさげて、のこのこ沖縄を訪ね、欠陥飛行場への欠陥機の受け入れを要請する―一国の防衛を預かる大臣が、この程度の政治感覚しか持ち合わせていないとなれば、主権国家の防衛大臣と言えようか。沖縄県民はじめ国民の不安や懸念をそっちのけに、防衛大臣が米国の「使い走り」をするようでは、世も末である。

外務・防衛官僚の従米外交の破綻
 
政治家は自国の生存を他国の「公正と信義を信頼」することで、よしとしてきた。自民党は防衛体制の脆弱性に目をつぶり従米路線を墨守、野党は国の防衛をまともに考えてこなかった。民主党は政権をとったが党に綱領もなく、安全保障・国防の政策も無い。与野党とも防衛を担当しうる人物が見当たらず、野田改造内閣は民間人に国防担当大臣の職を託すことになった。このことは、“平和憲法”のもとで安全保障や国防を埒外とし経済成長のみで歩んできた戦後日本が追求してきた路線の破綻以外の何ものでもない。


 また、森本防衛大臣は航空自衛隊の自衛官であったから、日本の防空体制だけでなく国防の実態の一端は理解し、米国に頼らなければ防空も国土の防衛も儘ならぬことを承知しているであろう。森本防衛大臣は自衛官であったが出向先の外務官僚の体質に合致したからこそ、外務省官僚へ転身したのだろう。数年前、田母神元空爆長が懸賞論文に当選しその文章が公表され、マスコミに登場し軍事の専門家として従米路線から離れた自主・自立の安全保障・国防を論じると、森本防衛大臣は外務省官僚の考え方に立って田母神元空爆長を批判した。
 外務官僚は、その背後に米国が控えていることを匂わせつつ素人の政治家を操ったほうが生き延びるためには都合がよい。この体質は日本外交の自主性を追求することよりも米国追従、日米安保重視となり、米国の“日本離れ”を受け容れない。森本防衛大臣が沖縄県訪問に先立つ記者会見で、沖縄県など関係自治体の理解を得られるかとの問いに“確信が持てないが・・・”と言ったことと符合する。

 主権国家の外務官僚は、自立主体的に安全保障・国防を律していかねばならないが、外務省、防衛省の官僚には、その姿勢が欠落し、ただひたすら対米従属で有為諾々である。
 防衛大臣は米国の無理難題に抗することもできず渋々、沖縄県や山口県に出向きオスプレイの配備について理解を求めるハメになった。国の要求を関係自治体に説明し理解を得ようとしたが、”説得”するという以外策を持ち合わせていなかったことは、外務・防衛官僚が追及してきた従米外交の破綻を示している。

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