ウクライナで欧米諸国はロシアに敗北、
この重大さは極めて大きい
欧米は、NATOの「強大な」力にもかかわらず、ウクライナで敗北している。
フランスのマクロンなどヨーロッの指導者たちは、
ウクライナでロシア軍と戦うため自国軍を派遣することを含め「より強力な」対応を考えているようである。
しかし、この決定が最終的に下されたとしても、ウクライナのジワリジワリ陥落に向かっている事に変わりはない。
欧米諸国が備蓄している武器や弾薬の枯渇で、既に補充困難になっている。
一方、ロシアは、より多くの、より優れた兵器システム生産に関する限り、
既に欧米諸国を凌駕している。
ガーディアン紙報道は
「ロシアの兵器生産がヨーロッパの戦争計画立案者を憂慮させている」と指摘しているが、
主な理由は、このレベルの軍事準備や、2〜3年間戦闘を維持する能力に対抗できないためだ。
https://www.theguardian.com/world/2024/feb/15/rate-of-russian-military-production-worries-european-war-planners
最近、2年間、EU諸国は、主に既存備蓄から大量の兵器を供給してきたが、
欧州諸国の既存備蓄は今や枯渇しており
「紛争は、在庫戦争から生産力戦争に進化した」と
欧州連合外務・安全保障政策上級代表のジョセップ・ボレルは指摘した。
この情報は今や公開されており、
最近漏洩したペンタゴン文書とともに、ウクライナにおけるロシア優位の現実を裏付けている。
宣伝工作にもかかわらず、これら漏洩文書は、
ウクライナにおけるロシアの損失は、
アメリカ当局が公式発表した損失より遙かに少ないと
ペンタゴンが考えていることを示している。
例えば、様々な公表された推計とは対照的に、
ロシアは約20万人の兵士を失ったと言われている。
しかし、2024年2月と3月の国防総省文書では、
その数字は約1万7000人にとどまっている。
欧米のNATO拡大という狙いの崩壊をめぐる恐怖の大きさは、
現在、対ロシア戦争の資金として、
押収したロシア資産をウクライナに引き渡す措置を欧米がとっていることでわかる。
連中はおそらく十分な資金も使い果たしている。
https://www.wsj.com/world/europe/europe-will-tap-frozen-russian-assets-for-ukraine-arms-germanys-scholz-says-659ed672
多くの公式報道を参考にしたと主張する、
あるフランス新聞の調査によると、状況は「危機的」で、
フランス軍が、ウクライナ応援部隊が、
戦闘で優位に立っているロシア軍と戦うのがほとんど不可能なウクライナに
フランス軍を派兵するという考えを、多くのフランス軍当局者があり得ないと否定している。
ヨーロッパは状況を共有しているが、攻撃兵器がほとんどないか、提供できる兵力がほとんどない。
https://www.wsj.com/world/europe/alarm-nato-weak-military-empty-arsenals-europe-a72b23f4
〔ウオールストリートの記事〕
「米国の主要な軍事同盟国であり、欧州最大の国防支出国である英国軍は、配備可能な戦車を約 150 両しか保有しておらず、実用可能な長距離砲はおそらく 12 丁しかありません。 食器棚はあまりにもむき出しだったので、昨年イギリス軍は博物館から複数のロケットランチャーを調達して改良し、ウクライナに寄付することを検討したが、その案は却下された。」
ヨーロッパ大陸自身を無防備にしてまで、
ヨーロッパ各国が全ての兵器をウクライナに送り込むことができないのは確実である。
ロシアがヨーロッパを攻撃する可能性は極めて低いが、
ヨーロッパの挑発により、このシナリオは変わるかもしれない。
しかし、ウクライナにおけるロシアの軍事作戦が、
NATO拡大という欧米の願望によって推進されてきたこと、推進されている事実を考慮すると、
この拡大を阻止するロシアの成功は、目的にかなっている。
欧米諸国にとって、ウクライナにおけるロシアの勝利は、
別の目的にとって、憂慮すべきものだ。
ロシアが勝利すれば、ヨーロッパでのより広範な戦争につながる懸念がある。
ロシアの勝利は、第二次世界大戦終結以来、世界政治における欧米覇権の終焉を告げることになる。
欧米はもはや世界の中心でなくなる。
地政学的に、欧米諸国は、過去数十年間に可能だったようには世界政治を支配できなくなる。
経済的な面では、ウクライナでのロシアの勝利は、
欧米が支配する金融制度を迂回するロシアの能力も示すので、
米ドルは金融覇権を失うかもしれない。
もし欧米諸国が、もはや世界の金融制度を支配できなくなれば、
代替システムが繁栄して、中心的重要性を獲得する余地が自動的に生まれる。
このようなシナリオは、新しい代替国際秩序の構築にとっては都合が良い前兆といえる。
欧米諸国、特に「自由世界」のリーダーを自称するアメリカにとって、
これは非常に厄介な状況だろう。
ワシントンの2024年年次脅威評価は、
この不安が危機的レベルに達していることを示している。
https://www.dni.gov/files/ODNI/documents/assessments/ATA-2024-Unclassified-Report.pdf
「モスクワは、自国の利益を推進し、
アメリカと同盟諸国を弱体化させるため利用可能な全資源を使い続けるだろう。
グローバル・システムにおけるアメリカの優位性への挑戦だ。
ロシア経済は成長を続けており、
欧米の経済制裁にもかかわらず、モスクワの石油貿易は減少と程遠い」とも
報告書は述べている。
同報告書は
「モスクワは海上石油輸出のほとんどを迂回させるのに成功しており、
おそらく2022年12月と2023年2月に発効した
G7主導の原油と精製品の価格上限を大幅に上回る量を販売している。
これはロシアが海上石油輸出の大部分の転換を促進するため
非欧米諸国という選択肢の利用を増やしていることと、
昨年の世界的石油価格上昇が一因だ」と認めている。
2024年評価によると、
ロシアは「エネルギー・レバレッジ」を維持できるため、
ウクライナでの軍事作戦の資金調達に関し何の問題にも直面していないことを意味する。
実際、紛争が続いているにもかかわらず、
ロシアが公共支出を増やす能力があることも報書は認めている。
これが、2年連続、対ロシア戦争に資金提供した欧米の評価である。
そのような評価は恐怖と絶望感をもたらし、
ヨーロッパの一部指導者はNATO軍のウクライナ派兵を言い出している。
それは恫喝に過ぎないかもしれないが、
極端に高まった敗北感の現れであり「西洋の世紀」の終わりの始まりの予兆かもしれない。