田中防衛相、首都圏にもPAC3配備を明言
田中防衛相は26日午前の参院予算委員会集中審議で、北朝鮮が「人工衛星」と称して打ち上げを予告しているミサイルについて「万全の措置を取ることが必要だ。首都圏にも(PAC3を)配備していく」と明言した。
防衛省はミサイル発射に備え、イージス艦3隻を東シナ海などに展開するほか、沖縄本島などに地対空誘導弾パトリオット・ミサイル3(PAC3)を配備し、日本の領土・領海に落下する可能性があれば迎撃する方針だ。2009年に北朝鮮がミサイルを発射した際も、首都圏内の市ヶ谷駐屯地などにPAC3を配備した。
(2012年3月26日11時03分 読売新聞)
発射計画、金総書記が決定?…死去直前に伝達
【ワシントン=山口香子】北朝鮮政府高官が昨年12月の金正日(キムジョンイル)総書記死去直前に、ミサイル発射の方針を米側に伝えていたことが分かった。
話を伝えられた元米高官は、発射計画は金総書記自身の決定だった可能性が高く、後継者の金正恩(キムジョンウン)氏らは「決定を覆す立場にない」として発射は避けられないだろうとの見方を示している。 元米高官は、ブッシュ前政権で国務次官補代理などを務めたエバンス・リビア氏。米調査研究機関のウェブサイトへの寄稿で、昨年12月15日に北朝鮮政府の高官と接触し、「人工衛星」と称するミサイルを打ち上げると告げられたと明らかにした。接触した場所はニューヨークと見られる。
リビア氏によると、オバマ政権もそれ以前の段階で北朝鮮側から発射について伝えられ、実施しないよう警告していた。
(2012年3月25日00時20分 読売新聞)
ミサイル予告問題、韓国が主要国首脳と協議へ
【ソウル=宇恵一郎】北朝鮮が予告した事実上の長距離弾道ミサイル発射計画に強く反発する韓国政府は、26、27日にソウルで開かれる核安全サミットを機会に訪韓するオバマ米大統領など主要国首脳との個別会談で、この問題を緊急議題として取り上げて北朝鮮への圧力を強める方針だ。
李明博韓国大統領は19日、外交安保関係閣僚会議を開いて協議し、北朝鮮が主張する「実用衛星打ち上げ」について、「弾道ミサイル技術を利用して核弾頭の長距離運搬手段を開発する重大な挑発的行為だ」との認識を確認した。
核安全サミットには、日米や中国、ロシアなど53か国の首脳級代表と4国際機関から代表が出席する。本来は、核テロ防止に向けた核物質の安全管理と低減を話し合う機会で、個別の国の核開発問題は全体協議の対象外となる。このため、急きょ浮上した北朝鮮問題は、2国間協議の場で扱われる。
(2012年3月19日18時51分 読売新聞)
出来レース:米は北朝鮮の“花火”が危ないと”芝居”を演じている
北朝鮮は4月中旬に朝鮮半島西海岸の東倉里の「西海衛星発射場」から「衛星」打ち上げるが、これは、韓国が衛星ロケット開発の発射場としている南海岸の羅老宇宙基地から南に打ち上げている軌道と同じである。衛星の打ち上げは失敗したが、韓国も北朝鮮と同じ事を試みている。韓国が騒ぎ立てる筋合いのものではない。4月15日に国を挙げて挙行される金日成誕生100周年に向けて欧米などの圧力に屈せず核開発を継続するという強いイメージを国内外に印象つけることも目的であろう。
読売新聞は今回予告された衛星の発射に関して、「昨年12月の金正日総書記死去直前に、ミサイル発射の方針を米側に伝えていたことが分かった。」と報じている。事前に米側に伝えていたにもかかわらず、今年になって米朝間で食料支援について合意が成立したのはどういうことなのか。
政治、軍事などどの分野をとっても何の実績も無い30歳に満たない青二才の正恩が、親父金正日が定めた路線と別の路線を選択するだけの指導力がるはずが無い。
「平和利用」の名目で技術開発を進め、完成した段階で「核保有」を宣言した金正日のプルトニウム型核開発の手法をウランの濃縮、弾道ミサイル開発でも継承し、金正恩と彼を支える者達が、体制を固めるため金日成誕生100周年に向けて早急に実績作りをすることは素人でも予測できる。米朝が食料支援の合意に至るまでの過程で、米国の情報機関は北朝鮮の動向を把握し、それなりの分析をしたはずであり、その上で合意をしたのではなかったか。況や北朝鮮の衛星発射がさし詰まった今頃に“米国は昨年12月以前に衛星の発射を予告されていた”となれば、なおさらのことである。
米朝の2国間会談を度々経験してきた米国政府や米国の情報機関が北朝鮮の出方を、全く読めなかったということはまず無いであろう。米国は北朝鮮に簡単にだまされたと見るのは極めて不自然である。
第二回の核サミットを唯一被爆国である日本で開催せず米韓が早々と韓国開催を決定したことだけをとっても、北朝鮮が反発する事は予測できたことである。
金正日は死の直以前まで中国や露西亜を訪問していたので、米国に伝える前に中国や露西亜にも伝えていたとみるのが自然である。北朝鮮に対する中露の対応は抑制的であることもこれを暗示させる。たとえ中露が「発射阻止」に賛同しても金正日生誕100周年を前周辺国の反対を振り切って人工衛星を打ち上げる事で、金正恩の偉大さ、強さをアピールできることになる。人工衛星の打ち上げを中止すれば金正恩体制が存続できないだろう。おそらく北朝鮮は、中露の衛星打ち上げ反対の意思表明も折込済みであろう。
北朝鮮が米国との交渉を有利にするため核兵器体系の完成に向け、核の運搬手段である長距離ミサイル技術の確立を目指していることも正しいだろう。北朝鮮が開発している弾道ミサイルは、米国から見れば極めて初歩的なレベルである。米国は北朝鮮のロケットの射程が米本土に到達するから脅威であるというならば、中露が保有する弾道ミサイルをなぜ取り上げないのか。なぜ米中露英仏の核やミサイルの廃棄をソウルで行われている核サミットで呼びかけないのか。
このような観点からすれば、米国は自らが保有する圧倒的な核・ミサイルの前には北朝鮮が多少の弾道ミサイルを保有したところで大した脅威ではない、目を瞑っても差し支えないとの判断も出来る。今年は中国、韓国、アメリカ、ロシアの指導者が交代する。今年の末か来年になれば、東アジア情勢の“リセット”、緊張緩和も可能となる。東アジア情勢が大きく変わりそうな気もする。
いみじくも、オバマ大統領は3月26日、北朝鮮向けの演説を行い、その中で「新たな核保有国が増えることは容認できない」と言った。核兵器国の核の独占体制は堅持する、それ以外の国の核開発を阻止するという姿勢が見え見えである。
原子力の研究者や技術者の育成もできない
日本が原子力発電の継続、廃炉のいずれの道を
選択しても日本独自では処理出来なくなる可能性
がある。「日米で運用の見直し」、ここがポイント!
2012年3月25日(日曜日)読売新聞2面
北朝鮮の衛星打ち上げに対する米国政府、オバマ大統領の反応は、米朝関係の大きな転換を前にして“アリバイ作り”を演じていないか。ソウルで開催された核サミットを前に、北朝鮮に“線香花火”を打ち上げさせ、“火の粉が落ちる、危ない”と騒ぎたて“建前”を演じているようにも観察される。自作自演の芝居の印象を拭えない。
2012年3月21日(水曜日)読売新聞朝刊1面
ミサイル発射で大騒ぎをしている日韓比3カ国と米軍の再編成
●米韓両国は25日、核安全サミットが開かれるソウルでの首脳会談を通じて、北朝鮮が予告した「人工衛星打ち上げ」と称した長距離弾道ミサイル発射の「断固阻止」に向けて協調することを確認した。
(2012年3月26日08時12分 読売新聞)
●北朝鮮に発射中止求める声明…フィリピン外務省
【バンコク=石崎伸生】北朝鮮が「人工衛星」と称し、発射を通告した長距離弾道ミサイル計画について、フィリピン外務省は21日、「重大な懸念」を表明し、北朝鮮に発射中止を求める声明を出した。北朝鮮のミサイルの一部は、フィリピン東190キロの公海上への落下が予想されており、声明は「発射計画は受け入れられない」と反発している。
(2012年3月22日22時04分 読売新聞)
●田中防衛相、首都圏にもPAC3配備を明言
田中防衛相は26日午前の参院予算委員会集中審議で、北朝鮮が「人工衛星」と称して打ち上げを予告しているミサイルについて「万全の措置を取ることが必要だ。首都圏にも(PAC3を)配備していく」と明言した。
(2012年3月26日11時03分 読売新聞)
この3カ国に共通しているのは、米国の言いなり、自国を主体的に防衛する能力も意思も欠けていることである。韓国は米国の同意が無ければ自国のミサイルの射程を300キロから500キロへ延伸できなかった。米韓同盟で北朝鮮に対処するが、指揮権は米国が握っている。自国の兵器の開発も軍の指揮も米国の“許可”を受けなければ出来ない国は独立国ではない。
自国の生存を他国の“公正と信義に委ね”ている日本の防衛体制は、韓国よりもお粗末である。日米同盟“深化”の文言に惑わされ自らが防衛の主役となって国を防衛するという独立国家として当たり前な体制の整備を怠ってきた。陸上自衛隊は在日米軍基地を守るレベルの戦力しかなく、海上自衛隊は米国の第7艦隊を保管する“第8艦隊”よろしく第7艦隊の協同部隊・補助部隊的地位を脱却していない。航空自衛隊は装備の老朽化著しく独力での防空は不可能、北朝鮮の弾道ミサイルを迎撃するためにはミサイル情報を米国から提供されなければ迎撃できない。
陸海空自衛隊どれをとっても米軍の補助部隊のような地位に甘んじている。自民党の長期政権は経済成長偏重と惰性の政権運営を続け国防は極めて軽視されてきた。その後の民主党政権は安全保障の素養が全く無い人物が大臣となって3人目、防衛大臣不在のような観がある。日本は国防を論ずる以前の状況にある。
フィリピンはどうか、中国と南シナ海の群島を巡って対立しているにもかかわらず、軍備弱小、海空戦力はゼロに近い。
3カ国のこのような状況に焦点を当てるべく、北朝鮮が打ち上げを予告したブースターはこれら3カ国の近海に落下する。米海兵即応部隊は、米軍の再編計画の見直しにより対中抑止強化のため沖縄、グアム及び豪州の3拠点に分散配置することになった。米軍は中国の脅威に対し“間合い”をとるが、“番犬”役の同盟国は力不足である。もっと強くならなければ役に立たないので、その必要性を気付かせる必要が生じた。3月21日の読売新聞朝刊が掲載した「米海兵即応隊 3拠点に」の記事と北朝鮮が予告したロケットのブースターの落下地点を照らし合わせれば、米朝が暗黙の合意の上で緊張状態を醸成したのではないかという疑問が残る。
「破壊命令」、勇ましい字が踊る
迎撃部隊を展開するだけで終わりか・・・・・。
2012年3月25日(日曜日)読売新聞朝刊1面
米軍基地を他国の領土内に建設するため日本がカネを出す
これを拒めない日本は独立国ではない!
2012年2月18日(土曜日)読売新聞朝刊4面
米軍の再編における「対中抑止」とは日本対中国の観点からではなく、米国の対中戦略の観点からとらえたもので、日本の対中抑止力は明らかに現在より低下する。それにもかかわらず米国は日本に対しグアム移転部隊が少なくなる分の経費削減応じるどころか、沖縄の負担軽減を名目にグアム以外の移転のための経費の負担まで要求している。日本側の防衛努力の欠如という弱点を最大限利用する魂胆が見え見えである。日本から経費を搾り出させるためには北朝鮮の脅威をあげつらうことが効果的である。
また米国は国防予算を大幅に削減し、イラク・アフガニスタンから米軍を撤退させるので、米軍需産業は兵器の輸出先を開拓する必要に迫られている。日本、韓国及びフィリピンなど東アジアの国々の更なる防衛力向上を迫れば米国製兵器を購入させる道も開ける。米国にとっては北朝鮮の弾道ミサイルの発射は、うわべで脅威を騒ぎ立てても実利は極めて大きい。核ミサイルサミットでテロ対策として非核兵器国の核物質の管理を強化することができれようになれば、エネルギーで世界をコントロールするという長期的戦略にも合致する。
北朝鮮の弾道ミサイルの発射騒ぎは、米軍再編の動きと同時並行的に進行している。自分(米国)は家(米領土)に引きこもるが庭先(東アジア)は“番犬”(同盟国)に警戒させるための”芝居”ではないか。米国の建前は尤もらしく見えるが、魂胆はこのあたりではないか。北朝鮮のミサイルがフィリピン方面に飛行するにもかかわらず首都圏にPAC3を配備するとあっては、ますます胡散臭い。
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