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米国の反応
(その1) 米国は「報告を聞けるのを楽しみにしている」
飯島氏訪朝に米国務省、韓国メディアが反応
日テレNEWS< 2013年5月15日 13:12 >
安倍内閣の飯島勲内閣官房参与が北朝鮮の平壌を訪問していることを受け、アメリカ国務省のベントレル副報道官代理は14日、16日に東京を訪れるデービース北朝鮮特別代表が「この北朝鮮訪問について日本政府から報告を聞けるのを楽しみ にしている」と話した。
一方、韓国の新聞は15日、韓国やアメリカ、中国も制裁を加えている中、飯島参与の訪朝は北朝鮮に誤ったメッセージを送る恐れがあるとの見方を伝えている。
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内閣官房参与の谷内正太郎は大学時代は若泉敬主宰の研究会に参加しており、外務省入省後は米国フレッチャースクールで英語研修、その後、在米国大使館3等書記官、同参事官、及びロスアンジェルス総領事と米国とのかかわりが深い人物である。
米国とのかかわりが深く次官に出世した人物が米国に“叱られる”ようなことはしないであろうし、逆に上手く裏で連絡していたとしても不思議ではない。
ベントレル副報道官代理の記者会見の後に、斎木外務審議官が米国務省に入る場面が映され、日米の関係者の会談が行われると報じていた。飯島内閣官房参与の北朝鮮訪問も当然話題となる、というか斎木外務審議官は“報告”に出向いたのであろう。
(その2)飯島参与訪朝、米は日本に説明求める考え
飯島勲・内閣官房参与が14日、平壌を訪れたことについて、アメリカ国務省はデービース北朝鮮担当特別代表が今週日本を訪れた際、日本側から説明を求める考えを示しました。
「我々は、この日本の政府高官、個人に関する訪朝の背景などの情報を持ち合わせていません」(米国務省 ベントレル副報道官代理)
国務省の報道官は、飯島氏の訪朝について報道などを通じて把握しているとした上で、東アジアを歴訪中のデービース北朝鮮担当特別代表が今月16日に日本を訪れた際、飯島氏の訪朝について説明を求める考えを示しました。
アメリカは北朝鮮との対話を再開するにあたって、「北朝鮮が非核化にむけ真剣であるという具体的な手順を示す必要がある」との原則は変わらないと強調しています。
(TBS NEWS 15日08:57)
(その3)米、北朝鮮拘束の男性即時釈放するよう求める
アメリカ国務省のベントレル副報道官代行は、北朝鮮に拘束され、服役を始めた韓国系アメリカ人を即時釈放するよう改めて求めました。
朝鮮中央通信は、「国家転覆陰謀罪」で15年の労働教化刑を言い渡された韓国系アメリカ人のぺ・ジュンホ氏が、14日から服役生活を始めたと伝えていました。ベントレル副報道官代行は「アメリカ人の身の安全ほど優先されることはない」と述べ、恩赦と即時釈放を求めましたが、現時点でこれにつながる対話などの具体的な糸口を見出せていません。
(TBS NEWS 16日06:09)
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米国は北朝鮮と直接対話するための糸口を乱していない。日本が飯島参与を訪朝させて北朝鮮を“威力偵察”することに異存は無いと見られる。
米韓は北朝鮮と対話がしたい
2013年5月15日(水曜日)読売新聞朝刊2面
日本政府の動き
(その1)飯島氏に外務省関係者も同行、宋大使とも会談か
朝鮮半島関係者によりますと、飯島氏には日本の外務省関係者も同行しているということです。また、今回の訪朝の目的の一つとして、日朝関係を改善するため、日朝の局長級協議を再開する可能性もあるということです。
また別の朝鮮半島関係者筋によりますと、飯島氏は、北朝鮮の日朝国交正常化交渉担当大使の宋日昊(ソン・イルホ)氏と話し、参議院選挙前に交渉を再開できないか打診するということです。また、飯島氏は土曜日まで滞在するということです。
こうした中、北朝鮮の朝鮮中央テレビは14日の夜、飯島氏の訪朝を伝えましたが、訪朝の目的などについては触れませんでした。
(TBS NEWS 15日01:30)
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何をか況や。「外務省関係者が同行」していることを米国に秘匿して日朝外交を行うような人物が日本の外務省にはいない。
今回の飯島氏の訪朝は菅官房長官が了承していただけでなく、5月の連休に訪米した古屋拉致問題担当大臣も把握した上で実現した。このような状況であるので飯島参与の訪朝は米国と連携したものと見て差し支えない。
(その2)【首相の一日】、首相は誰と会っていたか
東京新聞の【首相の一日】から安倍首相が、会った政治家以外の人物を抜粋してみる。
●4月27日(土) 【午後】1時50分、東京・日比谷公園の日比谷公会堂。「すべての拉致被害者を救出するぞ!国民大集会」。2時38分
●4月28日(日)(28日)=日本時間【午後】0時13分、羽田空港。24分、報道各社のインタビュー。53分、ロシア、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、トルコの4カ国歴訪のためロシアに向け政府専用機で出発。
●5月4日(土)、(3日)=現地時間【午後】政府専用機でトルコのエセンボア国際空港を出発。
(4日)=日本時間【午後】1時46分、羽田空港。2時29分、東京・富ケ谷の私邸。
●5月5日(日)2時17分、報道各社のインタビュー。20分、長嶋、松井両氏、渡辺恒雄読売新聞グループ本社会長、大久保好男日本テレビ社長ら。3時、巨人-広島戦を観戦。
●5月7日(火) 【午後】5時15分、官邸。23分、ファビウス仏外相。47分、経済財政諮問会議。6時45分、谷内正太郎内閣官房参与。54分、自民党の川口順子参院環境委員長。7時33分、東京・丸の内のパレスホテル東京。日本料理店「和田倉」で時事通信社の西沢豊社長、田崎史郎解説委員らと会食。9時36分、
●5月8日(水)【午後】6時37分、公邸。国民栄誉賞を受けた長嶋茂雄氏、松井秀喜氏と会食。渡辺恒雄読売新聞グループ本社会長、大久保好男日本テレビ社長、菅義偉官房長官ら同席。8時25分、長嶋、松井両氏らを見送り。42分
●5月9日(木)【午前】9時16分、官邸。17分、杉山晋輔外務省アジア大洋州局長。10時11分、皇居。
【午後】3時14分、米ニュースサイト「ハフィントンポスト」のインタビュー。3時38分、・・・・・・5時12分、外務省の河相周夫事務次官、斎木昭隆外務審議官、上月豊久欧州局長。5時35分
●5月10日(金)【午後】3時45分、斎木昭隆外務審議官。4時52分、東京・台場のフジテレビ。5時、報道番組に出演。6時19分、官邸。22分、小野寺五典防衛相、徳地秀士防衛省防衛政策局長、伊原純一外務省北米局長。7時6分、公邸。タレントのみのもんた氏、二階俊博自民党総務会長代行と会食。8時40分
●5月11日(土)【午後】5時9分、公邸。15分、米外交専門誌「フォーリン・アフェアーズ」のインタビュー。6時23分
●5月12日(日) 宮城県の被災地等視察
●5月13日(月)【午後】0時2分、首相主催昼食会。49分、ボルキア国王を見送り。1時24分
●5月14日(火)【午後】0時、自民党の江島潔参院議員。12分、米製薬会社セルジーンのヒューギン会長兼最高経営責任者。54分、国会。7時30分、東京・西麻布のフランス料理店「彩季」。中日新聞の小出宣昭社長らと会食。9時56分
●5月15日(水)【午後】8時28分、東京・丸の内のパレスホテル東京。日本料理店「和田倉」で渡辺恒雄読売新聞グループ本社会長らと会食。10時22分。
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マスコミ関係者と度々会食している。読売新聞(5月13日、朝刊1面)は内閣支持率が72%と高く報道しているが、読売新聞は安倍首相と阿吽の呼吸にあるようだ。首相は就任以来、マスコミ篭絡に腐心しているのでマスコミは安倍首相を困らせるような報道をしない。
また、米国の「フォーリン・アフェアーズ」米ニュースサイト「ハフィントンポスト」の取材に応じたり、TPPと関係のある米製薬会社の経営者と会うなど米国側に対する配慮が伺えるだけでなく、訪米中の斎木昭隆外務審議官ら外務省関係者と、当然ではあるが会っている。
更に靖国参拝で中韓からの批判に対し「圧力には屈しない」と勇まし事を言っていたにも拘わらず米国側から懸念が示されるとトーンダウンしたことは、米国の反対を押し切ってでも事を断固行動するという胆力が無いことを物語っている。
このような状況を見れば、安倍首相が米国に連絡せず飯島参与を訪朝させたのではなく、事前に米国側の了解を得た上で訪朝させたものと観察される。
中国傾斜する朴槿恵大統領に対する米国の懸念
朝鮮日報 ChosunOnline.com 2013.05.16 (木) 10:06更新
朴槿恵大統領は15日、大統領府にメディア各社の政治部長を招いて夕食会を開催し、北朝鮮問題をはじめとする中国や日本との関係などについて率直な思いを語った。
■「中国が変わってきた」
朴大統領は「中国は国連安全保障理事会による今回の北朝鮮制裁決議に対して積極的に賛同し、自らそれを履行するなど、これまでとは違った態度を示している」「中国が全ての責任を取れるわけではないが、非常に重要な役割を果たせるとは思う。米国など他国も中国に大きな期待を寄せている」と述べた。
朴大統領は、中国からさまざまなルートを通じて「早い時期の訪中要請」があることを明らかにした上で「できるだけ早い時期に中国を訪問したい。習近平国家主席など中国政府の指導部と積極的に意見を交換したいと思う」との考えも示した。
■北朝鮮政策「韓半島(朝鮮半島)信頼プロセス」
朴大統領は、自身が推進する北朝鮮政策「韓半島(朝鮮半島)信頼プロセス」について「(北朝鮮が)今のまま変化しないから方法がないと諦めるのではなく、こちらから積極的に国際社会と協力し努力することで、北朝鮮が自ら変化する選択を取れるよう戦略的に行動するという方法だ」と説明した。
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朴大統領は米国の朝鮮半島政策とは噛み合わなかった“独裁者の娘”であり、韓国内には核武装論もくすぶっており、先の訪米では韓国の求める核燃料の再処理は認めなかった。
「中国が変わってきた」とはオメデタイがオバマ政権は覚めた目で朴政権を見ている。朴大統領が提唱する韓半島信頼プロセスを「大枠では支持している」が、懸念も持っている。それは、
第1段階は北朝鮮に対する人道支援(食糧支援を含む)
第2段階は農業・造林など低いレベルの南北経済協力
第3段階は交通・通信の大規模インフラ投資を主な内容とするもので、
第2段階までは非核化などの条件をつけず、政治状況と切り離して推進する。
これは、中国側が推奨する政策であり、しかも朴大統領はこれを日米韓3カ国が主体となって取組むのでなく、日本を外し韓米中3カ国が連携して推進することを意図しており、米国の考えと必ずしも合致しているとはいえない。
また韓半島信頼プロセスの第1、第2段階は「非核化とは関係なく」現状のまま人道支援や南北経済協力を行えば北朝鮮に核を放棄させることが一層困難となる。韓国が中国に飲み込まれるだけでなく・・・・既に属国化しているが・・・・・、北朝鮮の地下資源が中国に根こそぎ収奪され露朝国境付近の羅先港などに中国海軍が進出するような事態を米国が座視することはできない。
飯島参与の訪朝は日米連携による韓国に対する牽制と北朝鮮の偵察?
米国は米朝対話のためには「北朝鮮が非核化にむけ真剣であるという具体的な手順を示す必要がある」といっているが、 “非核化に向けて”であって“非核”ではない。北朝鮮が“非核化に向けて”動けば、米朝対話再開だけでなく韓国を切捨て米朝接近さえありうると見ておかねばならない。
飯島参与の訪朝は朝鮮総連中央本部の土地の落札が夏に先送りされたことが関係しているであろうし、安倍首相は参院選を前に拉致問題解決に取組んでいる姿勢をアピールすることも狙いにあるのだろう。
非公式なルートであっても、対話の駆け引きとなる材料が日米両国とも必要であり、6月に中韓首脳会談が行われのを前に韓国が中国に取り込まれぬよう牽制する必要もある。
大統領の報道官かセクハラ問題で更迭されたが、これは好色な韓国人の性癖を承知の上で韓国政府に対する“貸”をつくるための韓国系米国人を使った色仕掛けの罠だった可能性も疑っておくべきである。恰も中川正一がIMFの会合に参加した時、米国のシンパであった読売新聞経済部の越前谷知子智子記者は中川と二人で酒を飲み交わし酩酊にさせた挙句、「面白い会見になるわよ」と記者会見を予告し中川の醜態を世界に曝したケースを髣髴させる。
韓国の報道官のセクハラ事件は、米国の朴大統領に対する牽制だったと言えば下衆の勘ぐりとなるが、その可能性も否定できない。
このような状況を見れば、飯島秘書官の訪朝は拉致問題を装った日米連携による韓中接近に対する牽制と北朝鮮指導部の内情の“偵察”のため行われたものと観察される。
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