福井の集中治療室の後、面会謝絶の部屋からです。
息子の手紙を渡された私は、妹と母の前で封を切りました。二人に、
「ちょっと、読ませてもらうけんが。」
妹たちは、
「良かくさ。」
一言だけ、ポツリと言いました。手紙にはこう書いてありました。
「お父さん、僕は元気です。お父さんは病気で大変でしょうが、病気を頑張って治してください。僕も頑張ります。」
○吾より。
と書かれていました。ひらがなで、元気いっぱいの男の子らしい文字でした。
私は、込み上げてくる感情を、妹と母に知られるのが恥ずかしくて、うすら笑いを浮かべて、じーっと、その手紙を読んでいました。5分くらい読んでいたでしょうか?息子の文字を見るのは、その時が最初でした。父親として、息子の字を、病院のベッドの上で、何キロも離れた北陸の土地で読んだのでした。
私は我に帰り、母に、
「読むな?、字を書けるようになったごたぁばい。いいやつやん。」
と、少し泪ぐみながら母に言いました。
すると、妹が、
「ほらっ」
と、母に肘をあてながら促し、はっとした母は、
「そうたい!写真もあるとよ!入学式の!」
妹の絶妙なトスに母は、私に茶色い台紙に飾られた息子の入学式の記念写真を渡してくれました。
その写真には、紺色のブレザーに身をつつんだ、大きな声で笑っている声が聞けるような息子の入学式の写真でした。
・・・・・つづく
息子の手紙を渡された私は、妹と母の前で封を切りました。二人に、
「ちょっと、読ませてもらうけんが。」
妹たちは、
「良かくさ。」
一言だけ、ポツリと言いました。手紙にはこう書いてありました。
「お父さん、僕は元気です。お父さんは病気で大変でしょうが、病気を頑張って治してください。僕も頑張ります。」
○吾より。
と書かれていました。ひらがなで、元気いっぱいの男の子らしい文字でした。
私は、込み上げてくる感情を、妹と母に知られるのが恥ずかしくて、うすら笑いを浮かべて、じーっと、その手紙を読んでいました。5分くらい読んでいたでしょうか?息子の文字を見るのは、その時が最初でした。父親として、息子の字を、病院のベッドの上で、何キロも離れた北陸の土地で読んだのでした。
私は我に帰り、母に、
「読むな?、字を書けるようになったごたぁばい。いいやつやん。」
と、少し泪ぐみながら母に言いました。
すると、妹が、
「ほらっ」
と、母に肘をあてながら促し、はっとした母は、
「そうたい!写真もあるとよ!入学式の!」
妹の絶妙なトスに母は、私に茶色い台紙に飾られた息子の入学式の記念写真を渡してくれました。
その写真には、紺色のブレザーに身をつつんだ、大きな声で笑っている声が聞けるような息子の入学式の写真でした。
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