つづきです。
「ちょっと待って、あーそうやったね、ハムはあっちにあったね。」
と誤魔化しながら、約30分ほどスーパーの中をうろちょろと歩き。
大量のフランスパンと惣菜のハム、惣菜の魚(福岡では、コノシロみたいな)のマリネ、サラダを各種、ミネラルウォーター、ワインを二本ほど買い込みました。すると、母は、
「こげん一杯食べれんめーもん。無駄使いばっかりしてからくさ!」
とまたまたブスっと言い。
「んなら、俺が全部食べるけん、あんたは食べんでもいいやないな。」
(俺の気持ちも知らんで、本当に!)と思いながらスーパーを出ると、まだ、その男は、出口でこちらの方を見ていたので、足早に、
「じゃっ!母ちゃん。急いでホテルに帰ろうか?」
と、またまた誤魔化してホテルに帰ろうとしたら、
「あっち側に洋服やら、靴やら御みあげのごたぁとば売りようごたぁけん、ちょっと見てくるけん、あんただけ荷物ば持って帰っとって。」
ときました。私は、
「わかった、わかった。なら着いて来ちゃあけん、一人で行くとはやめちゃんない。」
と歩きだし、背後の男を気にしながらウィンドウショッピングに行くことにしました。
その男は、トランシーバーか携帯電話を持ち、私達の後ろにずーっといました。
ま、何事も起こらなかったので幸いでした。無事にホテルに着くことができました。
夕食の時間になり、レストランに行き食事をする事になりました。私はハウスワインを頼み少しの料理をおつまみにして、酒を飲んでいました。会話は、老教師の旅行自慢話のオンパレードで面白くもなく、美味しいハウスワインをしこたま飲んで(さすがは、美味しかったですね。ハウスワインのみ)酔っ払いました。
母は、やはりフランスの料理が合わずに、何か物足りなさそうでしたので、食後のデザートのケーキを一口食べたのを、
「ケーキ、あんまり好きやないけん、あんた食べちゃり。」
と渡し、食事は終わりました。
部屋に帰ると母は、
「はーっ、何ねあの夕食は、フランス料理やけん楽しみにしとったとい。美味しくなかったー!」
私は、ワインでかなり酔っていたので、ベッドに横になり、
「そうね。」
と冷たくあしらい、(今日のあの男はいったい、何者なんやろうか?)と思いながら、気分が悪いまま、ウトウトと眠ってしまいました。
夜の12時前くらいだったでしょうか?暗闇の中でガサゴソと音がしてきました。
「まこと、起きとうね?」
私は、ヒョイと飛び起き、
「母ちゃん何しようと?」
と聞いたら、
「お腹が減って眠られんけん、あんたが買うたとば食べてよかね?」
と、今にも泣きそうな、しろしそうな声で私に聞きました。
私は、軽く笑い声で、
「よかくさーっ!その為に、いっぱい買うたっちゃけん。俺はワインば飲んどったら眠れるけど、母ちゃんは腹が減っとったら眠れんめーが。」
「二人で、パンば食べろう、魚は、ちょっと生っぽいみたいやけん、白ワインば開けるけん母ちゃんも飲んどきないよ。ハムは保存の利くけん明日んといしとこう。サラダと魚のマリネから食べろう。」
そして、夜12時過ぎに二人で食事をしました。私は今まで、母と二人で旅行をし、二人きりで食事をした事がなかったので、とても美味しく感じました。母も、
「美味しい、美味しい。」
「こっちの方が美味しか。」
と相当、喜んで食べていました。いろいろと話しました。
「あの、体育の先生は、死んだお父さんのごたぁね。」
「うん。頑固なところとかね。」
「あの病気は、あげんなるとよ。体の自由がきかんけん。怒りっぽくなると。お父さんもそうやったろうが。」
「そうやったね。」
「母ちゃんが、関西空港で戻って連れて行きよったけん。俺もいかないかんやった。」
「ばってんが、お父さんのごたったもん。」
「そうやね。」
貧しく苦労をしてきた母親とのパリで一番のフランス料理でした。(本当においしかった。魚のマリネと白ワインとフランスパン)
・・・・・つづく
「ちょっと待って、あーそうやったね、ハムはあっちにあったね。」
と誤魔化しながら、約30分ほどスーパーの中をうろちょろと歩き。
大量のフランスパンと惣菜のハム、惣菜の魚(福岡では、コノシロみたいな)のマリネ、サラダを各種、ミネラルウォーター、ワインを二本ほど買い込みました。すると、母は、
「こげん一杯食べれんめーもん。無駄使いばっかりしてからくさ!」
とまたまたブスっと言い。
「んなら、俺が全部食べるけん、あんたは食べんでもいいやないな。」
(俺の気持ちも知らんで、本当に!)と思いながらスーパーを出ると、まだ、その男は、出口でこちらの方を見ていたので、足早に、
「じゃっ!母ちゃん。急いでホテルに帰ろうか?」
と、またまた誤魔化してホテルに帰ろうとしたら、
「あっち側に洋服やら、靴やら御みあげのごたぁとば売りようごたぁけん、ちょっと見てくるけん、あんただけ荷物ば持って帰っとって。」
ときました。私は、
「わかった、わかった。なら着いて来ちゃあけん、一人で行くとはやめちゃんない。」
と歩きだし、背後の男を気にしながらウィンドウショッピングに行くことにしました。
その男は、トランシーバーか携帯電話を持ち、私達の後ろにずーっといました。
ま、何事も起こらなかったので幸いでした。無事にホテルに着くことができました。
夕食の時間になり、レストランに行き食事をする事になりました。私はハウスワインを頼み少しの料理をおつまみにして、酒を飲んでいました。会話は、老教師の旅行自慢話のオンパレードで面白くもなく、美味しいハウスワインをしこたま飲んで(さすがは、美味しかったですね。ハウスワインのみ)酔っ払いました。
母は、やはりフランスの料理が合わずに、何か物足りなさそうでしたので、食後のデザートのケーキを一口食べたのを、
「ケーキ、あんまり好きやないけん、あんた食べちゃり。」
と渡し、食事は終わりました。
部屋に帰ると母は、
「はーっ、何ねあの夕食は、フランス料理やけん楽しみにしとったとい。美味しくなかったー!」
私は、ワインでかなり酔っていたので、ベッドに横になり、
「そうね。」
と冷たくあしらい、(今日のあの男はいったい、何者なんやろうか?)と思いながら、気分が悪いまま、ウトウトと眠ってしまいました。
夜の12時前くらいだったでしょうか?暗闇の中でガサゴソと音がしてきました。
「まこと、起きとうね?」
私は、ヒョイと飛び起き、
「母ちゃん何しようと?」
と聞いたら、
「お腹が減って眠られんけん、あんたが買うたとば食べてよかね?」
と、今にも泣きそうな、しろしそうな声で私に聞きました。
私は、軽く笑い声で、
「よかくさーっ!その為に、いっぱい買うたっちゃけん。俺はワインば飲んどったら眠れるけど、母ちゃんは腹が減っとったら眠れんめーが。」
「二人で、パンば食べろう、魚は、ちょっと生っぽいみたいやけん、白ワインば開けるけん母ちゃんも飲んどきないよ。ハムは保存の利くけん明日んといしとこう。サラダと魚のマリネから食べろう。」
そして、夜12時過ぎに二人で食事をしました。私は今まで、母と二人で旅行をし、二人きりで食事をした事がなかったので、とても美味しく感じました。母も、
「美味しい、美味しい。」
「こっちの方が美味しか。」
と相当、喜んで食べていました。いろいろと話しました。
「あの、体育の先生は、死んだお父さんのごたぁね。」
「うん。頑固なところとかね。」
「あの病気は、あげんなるとよ。体の自由がきかんけん。怒りっぽくなると。お父さんもそうやったろうが。」
「そうやったね。」
「母ちゃんが、関西空港で戻って連れて行きよったけん。俺もいかないかんやった。」
「ばってんが、お父さんのごたったもん。」
「そうやね。」
貧しく苦労をしてきた母親とのパリで一番のフランス料理でした。(本当においしかった。魚のマリネと白ワインとフランスパン)
・・・・・つづく
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