あの日見た群青を探してる

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インドネシア  コモド島ー2

2020-02-02 13:36:00 | 旅行
インドネシア  コモド島-2

コモド島は世界でも稀なビーチを持っていた。
赤珊瑚と白珊瑚が混ざって出来たピンクサンドビーチ。
世界中のダイバーが憧れるも
そのアクセスの悪さから立ち入る事の叶わないうつし世の楽園。
その美しいピンクのビーチは島の船着場から近い場所にあって
この頃はまだ海に入る事が出来た。

この海は本当はこの世のものじゃないはず。
…つじつまのあわないことを口走りつつ
手付かずの汚れのない透明な水に足を踏み入れ、海に入っていく。
全身が徐々に清められてゆくように感じた。
…こんな透明な海…見たこと無いなあ…
昨日潜ったギリ島でも世界でここしか見られないという
珍しい青サンゴ礁に興奮したけど、人も多くて、
この海ほど特殊な感じではなかった。

バラクーダ、悠々と浮かぶナポレオンフィッシュ、カタクチイワシ群、
熱帯の色鮮やかな魚影、100万匹のロウニンアジコ、
魚の群れはやがて一面をみるみる群青の世界に染めていく。
青に覆われていく青だけの世界。
私の身体は、全く別の次元の世界に飲み込まれて
その世界を漂っている錯覚に駆られた。
それはかって無い不思議な感覚だった。
一瞬なのか、どれほどの時間なのか、
私は海の中なのか、或いは宇宙なのか、
自分なのか、今なのか、永遠なのか…。
限りも無く、区切りも無く、
果てしなく漂う魂のような…。

私はコモド島の海で群青と一体になった事がある。

「ウミヘビ見ました」
「私も見た!いたよね、ウミヘビ、危険じゃないのかな…?」
!!!危険と言えば
「ピンクサンドビーチにドラゴンいましたよね」
「何頭か見たよ、‥ドラゴンって泳げるんだよね」
………………………

海に熱い想いを寄せる‘ヤツ“に
昔チヨノと行ったピンクサンドビーチの話を何度も話した。
「うわー! そんな魚の群れ、まだ見たことない。見たい〜」
シドニーからシンガポールに向かうクルーズの途中、
寄港できるコモド島はその旅の目的だった。

やっと思いが叶うと思って上陸したら 
もうピンクサンドビーチには立入る事が出来なくなっていた。
せっかくここまで来たのに、
あの美しい魚影を見せる約束が果たせずひどく残念に思えた。

「世界中探せば見つかるよ」
私はこれからも生きていくから
きっと旅を続けて
いつか、あの日と同じ群青を見つける。

「うん、ビマは腐る程ある」