【実録】会計事務所(公認会計士・税理士)の経理・税金・経営相談

大阪市北区の築山公認会計士事務所(築山哲税理士事務所)です。
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営業利益と経常利益の違いと関係

2014-09-17 17:00:00 | 決算書・試算表
営業利益と経常利益の違いと関係について、よく質問を受けます。

この件について誤解が多いのは、「営業利益は本業の儲け」で「経常利益は『本業以外』の儲け」ということです。

利益の計算は次のようにして行います。

収益・・・売上500+受取利息(預金)15=515

費用・・・売上原価(商品仕入れ)350+販売費管理費(人件費・家賃などの諸経費)100+支払利息(借入金利息)5=455

収益515-費用455=60・・・・これが利益です。

損益計算書では次のように、収益と費用を「対比させたり」、「属性ごとにひとまとめ」にしたりします。

A売上(収益)500
B売上原価(費用)350
★売上総利益150(A-B)
C販売費管理費(費用)100
★営業利益50(売上総利益-C)
D受取利息(収益)15
F支払利息(費用)5
★経常利益60(営業利益+D-F)

経常利益は、営業利益に本業以外の収益(受取利息15)と費用(支払利息5)を「加減算」した結果なのです。なお、本業以外の収益を営業外収益、費用を営業外費用といいます。

●何が本業か?
本業とは、仕入れて売ることです。会計の世界では資金調達と運用は本業とは考えません。ですから、受取利息(運用益)を支払利息(資金調達コスト)は営業利益の計算からは除かれているのです。

●経常とは?
「毎年繰り返される」と考えてください。経常利益の計算は毎年繰り返し発生する収益と費用だけで行います。

●特別損益と当期利益
上記の例では省略しましたが、経常利益にさらに特別損益(突発的に生じた収益と費用)を加減算して当期利益を計算します。ただし、文字通り「特別(突発的)」ですので、普通は経常利益の額がそのまま当期利益になります。

●法人税
当期利益からさらに法人税を差し引きます。当期利益には、法人税を差し引く前の「税引前」当期利益、差し引いた後の当期「純」利益があります。