日光浴がおすすめされることはよくあるけれど、実際どのようなメリットがあるのかは分からないという方は多いのではないでしょうか。
太陽光による紫外線は肌に悪影響を及ぼすといったことでも知られていることから、できれば直射日光は避けたいと考える方が少なくありません。
しかし実際は、太陽光によって効率的に生成できるホルモンや栄養素があるだけでなく、健康に欠かせないものでもあるため、定期的な日光浴はとても大切です。
今回は、日光浴と深い関係のある幸せホルモンについて、太陽光を浴びるメリット、日光浴をするときのポイントをご紹介します。
健康体を目指したい方、夜眠りづらい方、日光浴を取り入れようと考えている方はぜひ最後までご覧ください。
■太陽の光は幸せホルモンと深い関係がある!
幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」をご存知でしょうか。
セロトニンは脳内の神経伝達物質の1つで、脳の興奮を抑え、メンタルを安定させるという作用があります。
精神が安定することによって幸福感を得やすくなるため、幸せホルモンと呼ばれているのです。
そして、そのセロトニンの分泌を促してくれるのが日光です。
セロトニン分泌に欠かせない器官「セロトニン神経」は、網膜が光を感じることによって活性化します。
光によってセロトニンが分泌されるなら、蛍光灯などの光でも良いのでは?と考える方もいるかもしれません。
しかし、セロトニン神経が活性化するのは、2,500ルクス以上の照度です。
一般的な勉強部屋が500ルクス~1,000ルクスと言われていることを考えると、かなりの照度だということが分かるでしょう。
太陽の光はたとえ曇っていても、約1万ルクスあると言われています。
つまり、より効率的にセロトニンを分泌させるには、日光浴を取り入れる必要があるのです。
■日光浴のメリットは他にも
日光浴は、セロトニンを分泌しやすくするだけでなく、他にも多くのメリットがあります。
ここからは、日光浴を行うメリットをご紹介します。
・ビタミンDが作られる
日光浴をすると、ビタミンDが生成されます。
食品だけでは補いきれないと言われているビタミンDですが、実は体作りをサポートしてくれる健康体に欠かせないビタミンなのです。
具体的には、カルシウムの吸収を良くしてくれる、脳機能を正常に保ってくれる、免疫力をアップしてくれるといったメリットがあります。
骨や歯が強くなるだけでなく、風邪や生活習慣病、認知症の予防にも役立ってくれるため、積極的にとっておきたい栄養素の1つと言えるでしょう。
このビタミンDは、皮膚が紫外線を浴びることによって生成されるのが特徴です。
ビタミンDは歳をとるほど生成量が減少していくと言われているため、継続的に日光を浴びることが大切なのです。
・ストレス軽減・うつ病改善に役立つ
先ほどもご紹介した通り、日光はセロトニン、ビタミンDを分泌させます。
実は最近の研究で、セロトニンとビタミンDにも深い関係があることが分かってきました。
具体的には、ビタミンDがセロトニンを調節する役割を担っているということです。
セロトニンとビタミンDを十分に生成させることができれば、ストレス軽減はもちろん、うつなどのメンタル症状を改善してくれる可能性が高いのです。
精神を安定させ、幸福感をもたらしてくれることから、メンタル面で考えても日光浴は取り入れていくべきだと言えます。
・睡眠の質がアップする
日光浴は、睡眠の質アップにも効果的だと言われています。
日中に十分な量のセロトニンを生成しておくと、「メラトニン」が分泌されやすくなるためです。
メラトニンは睡眠を促してくれることから睡眠ホルモンと呼ばれており、睡眠の質アップには欠かせません。
メラトニンを作る際のもとになるのがセロトニンであるため、夜によく眠るためにも、日光浴が重要になってくるのです。
■日光浴の効果を最大限に得るためのポイント
日光浴の効果を最大限に得るためには、どのようなことに気を付ければ良いのでしょうか。
ここからは、日光浴を行う際のポイントを見ていきましょう。
・日光浴は午前中に行う
日光浴を行うベストなタイミングは、朝起きてすぐの時間帯です。
朝起きてすぐに日光浴を行うのが難しい場合は、午前中に行いましょう。
午前中に行った方が良い理由は、日光浴で分泌されるセロトニンに「頭の回転を良くする」効果があるからです。
これによって脳や体が活動的になり、すっきりした目覚めを体感できるのです。
また、睡眠ホルモンであるメラトニンは、日光浴後14時間~16時間たった頃に分泌されます。
朝起きてすぐ日光を浴びることで、適切な時間帯に眠くなるというサイクルを作れます。
睡眠の質をアップさせるためにも、日光浴を行う時間帯には気を付ける必要があるでしょう。
・最低でも週3回、1日15分~30分程度
太陽の光は毎日浴びなければならないというイメージを持っている方は多いでしょう。
しかし実際は、毎日欠かさず行わなくても問題ありません。
最低でも週3回、1日15分~30分程度を目安として、できる範囲で行うようにするのがおすすめです。
長時間太陽の光を浴びると、むしろ体に悪影響を及ぼすケースもあります。
体調や天気を見ながら頻度や時間を調節しましょう。
夏は日差しが強くなりやすいため午前10時まで、光が弱まりやすい冬や曇り、雨の日などは長めに行うのがおすすめです。
・できれば直接日光を浴びる
セロトニンは、ガラス越しの日光浴でも分泌されます。
しかし、セロトニンを増やすには、直接太陽の光に当たるのがおすすめです。
窓ガラスを通ると光量が少なくなってしまうため、短時間で済ませたい場合は、なおさら直接浴びる方が効率的なのです。
室内で日光浴を行う際は、ガラス越しではなく、網戸越しで行うと良いでしょう。
網戸には遮光機能がほとんど備わっていないことから、直接太陽の光に当たるのとさほど変わらない効果が期待できます。
・手のひらだけの日光浴も効果的
日光浴の欠点として、日焼けしたり、紫外線を浴びたりしてしまうことが挙げられます。
セロトニンを分泌させるには網膜から光を取り込めばいいため、紫外線を浴びる必要はありません。
しかし、健康体に欠かせないビタミンDを生成するには、紫外線を皮膚で受け止める必要があります。
どうしても紫外線を浴びたくないという場合は、手のひらから紫外線を吸収するのがおすすめです。
手のひらでの日光浴であっても、ビタミンDの生成は十分に期待できます。
とはいえ、体全体で日光浴をするときよりも面積が狭くなるため、日光を浴びる時間を長めに取るなどの工夫が必要でしょう。
また、手のひらだけで行う際は、手のひらに日焼け止めが残らないように注意することが大切です。
今回は、日光浴のメリットや行う際のポイントをご紹介しました。
日光浴は幸せホルモンを分泌させてくれるだけでなく、健康な生活を送るために欠かせないビタミンDも生成してくれます。
日光浴を習慣化させることによって、早起きや外に出て体を動かすなどのメリットもついてくるでしょう。
ただ太陽光を浴びるだけの簡単な習慣でたくさんのメリットが得られるため、日光浴を意識したことがないという方は、ぜひ取り入れてみてください。
日光浴を行う際はご紹介したポイントを意識してみると、より効果的です。
特に日光浴を行う時間帯はしっかりと守り、睡眠の質アップなどの効果も得られるようにするのがおすすめです。
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