「でも、何だったんだろうね、カルって」
ラウルシャインの台詞に、レムが木の葉の彫刻のあるメダルをもてそびながら、ため息をつく。
「何って言われてもね。・・・・、なんて言ったっけ、コウジュ? 風の玉? ってあれ手にした途端、風が渦巻いてなんとかっていう男の人ときえちゃったんでしょう。もしかして、そのコウジュ手にしたら記憶が戻って、反対に記憶喪失になっていた間の記憶が無くなってたりして」
あれから三日後、レムはマリーヌの館にいた。
「元気出してよ」
レムにそう言って、焼きたてのお菓子を持ってきてくれたのは、ラウルシャインである。
「元気よ。あたしは、大丈夫。ただ・・・・、なんか、夢見てたような気分」
カルがねー、あの、どーうしようもなくとろい、あのカルがねぇ・・・・。
「だけど、カルが風の精霊玉の主なんて、お師匠の言葉疑うわけじゃないけど、信じられないよね」
ラウルシャインはそう言いながら、お茶の入ったカップをレムの前に置いた。
「うん。なんか、本当かなぁ、って感じ。何ていっても、伝説の中だけの存在としか思ってなかったしねぇ」
レムの台詞にラウルシャインが頷いて、お茶をひとすすり。
「でも、マリーヌの勘は、当たるからね。それにカルが呪文も唱えないで竜巻並みの風を起こすとところをこの目で見たしね。それに、凄かったのよ。面接の時、あたしが教えてないような精霊学の問題にすらすら答えちゃって」
レムは、お茶を一口飲んで視線を移す。ソファーの上に小さな荷物。夢ではないという証拠の品、つまり、カルの荷物をここまで持って来たのだ。レム自身とカルの二人分の荷物を。
今、レムの手にしているメダルもカルの荷物に入っていたもので・・・。
「・・・術士、になれたんだね。本当に」
レムの手の中のメダルを覗き込んで、ため息をつくラウルシャイン。
「そりゃぁ、あたしが懇切丁寧に手取り足取り教えたんだもの。当然よ」
ふんっ と、レムが息を荒くする。
「だけど、本当に、カルって何者なんだろう?」
「だから、風の精霊玉の持ち主で・・・」
「それは、さっき聞いたわよ。そういうんじゃなくって・・・」
「でも、お師匠が言ってたよ。近いうちに、またカルに会えるって」
「うん、そうよね」
「そうそう。だから、これ食べて元気出して」
はい。と出されたのは、焼きたてのお菓子だった。
ラウルシャインの台詞に、レムが木の葉の彫刻のあるメダルをもてそびながら、ため息をつく。
「何って言われてもね。・・・・、なんて言ったっけ、コウジュ? 風の玉? ってあれ手にした途端、風が渦巻いてなんとかっていう男の人ときえちゃったんでしょう。もしかして、そのコウジュ手にしたら記憶が戻って、反対に記憶喪失になっていた間の記憶が無くなってたりして」
あれから三日後、レムはマリーヌの館にいた。
「元気出してよ」
レムにそう言って、焼きたてのお菓子を持ってきてくれたのは、ラウルシャインである。
「元気よ。あたしは、大丈夫。ただ・・・・、なんか、夢見てたような気分」
カルがねー、あの、どーうしようもなくとろい、あのカルがねぇ・・・・。
「だけど、カルが風の精霊玉の主なんて、お師匠の言葉疑うわけじゃないけど、信じられないよね」
ラウルシャインはそう言いながら、お茶の入ったカップをレムの前に置いた。
「うん。なんか、本当かなぁ、って感じ。何ていっても、伝説の中だけの存在としか思ってなかったしねぇ」
レムの台詞にラウルシャインが頷いて、お茶をひとすすり。
「でも、マリーヌの勘は、当たるからね。それにカルが呪文も唱えないで竜巻並みの風を起こすとところをこの目で見たしね。それに、凄かったのよ。面接の時、あたしが教えてないような精霊学の問題にすらすら答えちゃって」
レムは、お茶を一口飲んで視線を移す。ソファーの上に小さな荷物。夢ではないという証拠の品、つまり、カルの荷物をここまで持って来たのだ。レム自身とカルの二人分の荷物を。
今、レムの手にしているメダルもカルの荷物に入っていたもので・・・。
「・・・術士、になれたんだね。本当に」
レムの手の中のメダルを覗き込んで、ため息をつくラウルシャイン。
「そりゃぁ、あたしが懇切丁寧に手取り足取り教えたんだもの。当然よ」
ふんっ と、レムが息を荒くする。
「だけど、本当に、カルって何者なんだろう?」
「だから、風の精霊玉の持ち主で・・・」
「それは、さっき聞いたわよ。そういうんじゃなくって・・・」
「でも、お師匠が言ってたよ。近いうちに、またカルに会えるって」
「うん、そうよね」
「そうそう。だから、これ食べて元気出して」
はい。と出されたのは、焼きたてのお菓子だった。