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葬儀屋に連絡して
運んでもらう手筈を整えていた
医師による説明を受け死亡診断書を見せられる
地下の遺体安置所に行き
初めて 顔を見られる
頬に触ると 硬く冷たかった
すでに 生命の匂いは なかった
余計に絶望感が増す
私たちは三女の部屋に寄る
遺体に着せる 服を
探し持ち帰る
長女と次女に来て欲しいと
頼む
遺体の入った棺を 居間に入れ込む
15:30頃
家電に電話あり
見知らぬ声 名前
三女の会社の上司
「アリサさんと連絡がつきません。何かご存知ですか?」
晴天の霹靂
背中がざわつく
姉たちに連絡するが
何も知らないという
長女の夫にアパートまで行ってもらうことになった
色々 思案して
警察に部屋に入ってもらうよう依頼
「娘さんは今まで、自殺未遂とかありましたか?
家出するとかありませんでしたか?」
はなから 自殺と決めてかかったいた
余計に 不安を増す
長女の夫立会のもと
鍵を開ける専門職の人を呼んで ドアを開けることになった
新聞受けの穴から のぞいた
警察官には 縊死の死体が目に入ったらしく
長女の夫は 直ぐに遠ざけられた
長女の夫から電話が入ったのは18時頃
携帯を持ったまま
「何だって?!」と夫が絶句する
(この瞬間から私たちのまわりから 色も音も無くなる)
何が何だか分からないまま
東京に向かう
ついて19時半
検証が入っているために
私たちは 部屋に近寄ることさえできない
「会えますか?」と尋ねたら
難色を示す
すべてが終わって
シートに包まれた三女が出てくる
シート越しに体に触る
初めて涙があふれ出す
警察署で検死が行われるので
遺体を引き取れるのは
明日 と言われる
部屋に入ったら ノートに書かれた
メモのような遺書を見せてくれる
覚悟の死
でも 原因が分からない
こうした自死の場面には
数多く立ち会っているのだろう
警察の人は
丁寧に事件性がないことを説明してくれる
混乱のまま
家に帰り着き 眠る