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接尾辞「-meter」の発音:ラテン系、ゲルマン系比較

【計量強調月間にちなんだ言葉の話題】

ギリシャ語で「計る/測る」を意味するμέτρον[メトロン](現代:μετρώ[メトロー])に由来し、計る道具の名前によくある接尾辞のつく単語の発音、アクセントを、ラテン系とゲルマン系の各言語で比較してみました。

英語:-meter[-ミター]···-meterの直前の母音に強勢を置く。→「メートル」、「メーター」と「はかる」
イタリア語、ポルトガル語、スペイン語:-metro[-メトロ]···-metroの一つ前の音節に強勢を置く。→英語の接尾辞「-meter」、ラテン系の言語では
ドイツ語:-meter[-メーター]···「me」に強勢を置く。→Meter、-meterのドイツ語発音
フランス語:-mètre[-メ(ー)トル]···「-mètre」だけで1音節。他、発音についての説明は後述。
ギリシャ語:-μετρο[-メトロ]···-μετροの一つ前の音節に強勢を置く。ラテン系と英語はギリシャ語のアクセントを踏襲した形と言える。「温度計」はθερμόμετρο[セルモメトロ]。

以下、「温度計」を意味する単語を例に挙げて説明する。

オランダ語ではthermometer[テルモメーテル]と、ドイツ語と同様に「me」を強く伸ばして発音する。同じくゲルマン系のデンマーク語、ノルウェー語、スウェーデン語では3言語ともtermometerとつづり、「me」に強勢を置く。なので、英語の発音はゲルマン系では特殊と言える。

フランス語は単語中のアクセントはさほど重視されないようで、辞書などの発音記号にアクセントの表記はないが、単語の最後の音節を強く発音することが多い。Forvoでthermomètre[テルモメ(ー)トル]をはじめ-mètreのつくいくつかの単語の発音を聴いてみたら、おおむね-mètreの部分を強く発音していた。一応個人差もあるのか、最初の音節が強く聞こえたのもあった。-Metreの一つ前の音節は、他のラテン系の言語と違って弱く発音していた。
この接尾辞はゲルマン系言語にはフランス語経由で伝わった。大陸のゲルマン系で-meterの「me」を強く発音するのはフランス語の影響を受けたからだろうか。

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