11月1日には私のブログでは去年までの直近4年間は「計量記念日」にちなんだ話題を取り上げていたけど、今回は「犬の日」にちなんだ話題を取り上げます。
まず日本語の「いぬ」の語源について。
「いぬ」の語源には多くの説があって、これが定説だというのは言えない。
「寝る」の古語「いぬる」から、「家+寝る」から、すぐにどこかへ行ってしまうことから「行く、去る」という意味の古語「いぬ」からなどの説がある。また、鳴き声に由来するという説もある。
古くは「ゑぬ」とも言った。「ゑ」は古くは[we](ウェ)と発音し、「ゑぬ」は「ウェヌ」という発音であったため、まさに「ワン」と似た音であり、間違いなく鳴き声に由来すると考えられる。接尾辞の「こ」が付いて「ゑのこ」とも言い、これは現代語の「わんこ」のようなニュアンスでしょう。
「ゑぬ」がなまって「いぬ」になったという説もあるが、そうだとしたら「いぬ」の旧仮名遣いは「ゐぬ」になるはずだが、そうではなく「いぬ」に関してはもともとア行の「い」を用いた「いぬ」だった点で疑問がある。
犬の鳴き声は日本語では「ワンワン」、英語では「bow-wow(バウワウ)」が一般的だが、下記のようなバリエーションがある。
日本語:
キャンキャン(主に仔犬の高い声)
ワオーン(遠吠え)
バウバウ(漫画で時々見る表記)
ガウガウ
英語:
Arf-arf(アーフアーフ)
Woof-woof(ウフウフ、ウーフウーフ)
Bark-bark(バークバーク)
Bow-bow(バウバウ)
Wow-wow(ワウワウ)
「Bark」は「吠える」という動詞でもある(オノマトペに由来する動詞)。「Bow-wow」、「woof」も動詞として使われることもある。
イルヴィスの『The Fox』の歌詞では「Dog goes woof」となっているね。「Wooooooof」と長く引き伸ばすと遠吠えの表現になる。
漢字の「犬」の音読み「けん」と、ラテン系言語(ロマンス諸語)での「犬」を指す単語が似ているのも興味深い。
「犬」は現代中国語で「quǎn チュアン」、古代中国語では「クェン」と発音し、鳴き声に由来するとされる。
ラテン系言語ではラテン語「canis(カニス)」、イタリア語「cane(カーネ)」、フランス語「chien(シエン)」、ポルトガル語「cão(カウン)」など。古代ギリシャ語の「κύων(キュオーン)」も同系統で、鳴き声に由来するとされる。
ペットとしての伝播と同時に単語も伝わった(つまり「犬」の漢字音とラテン系言語で「犬」を表す単語は同じ語源)のではないかとも考えられる。そうではないにしても、両者とも鳴き声がベースになっているようだ。
これらは「キャンキャン」に近いので、仔犬の鳴き声から来ているのかな。
スペイン語で犬は他のラテン系言語と大きく違って「perro(ペロ)」と言うが、カナリア諸島(Islas Canarias)は「犬の島々」という意味で、「canaria(s)」は本来「犬の」「犬に関する」という形容詞だった。鳥のカナリアはカナリア諸島に由来して名付けられた。
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