"My Grandmother asked me to tell you she's sorry" Fredrick Backman
エルサは小学校でいじめられている。
ちょっと変わり者だからだ。
エルサはいつも独りぼっちだ。
でも大丈夫。
最強にクレージーなおばあちゃんがいるから。
警察に猿のフンを投げつけちゃうようなクレージーなおばあちゃんが。
学校からダッシュで逃げ帰り、おばあちゃんのもとへ。
クレージーなおばあちゃんは、エルサに「ミアマス王国」の話をしてくれる。
ミアマス王国では、誰もが変わり者だから、
普通でいる努力なんてしなくてもいい。
エルサはミアマス王国の勇者なのだ。
ミアマス王国の住人達を胸に、
現実の世界でもエルサは成長していく、本物の勇者へと。
やがて、独りぼっちだったエルサの周りには、
心と心でつながった友達が増えていく。
きっかけを作ってくれたのは、口汚い最強のおばあちゃん。
"Having a grandmother is like having an army. This is a grandchild's ultimate privilege: knowing that someone is on your side, always, whatever the details. Even when you are wring. Especially then, in fact."
「おばあちゃんがいるっていうのは、軍隊を味方につけているようなもの。これは孫の究極の特権。いつでも、事情がどうであれ、誰かが味方をしてくれるって知っているわけ。自分が間違っているときでも。いいえ、そういうときこそ、特に。」
"Granny then said the real trick of life was that almost no one is entirely a shit and almost no one is entirely not a shit. The hard part of life is keeping as much as on the not-a-shit side as one can."
「そうしたら、おばあちゃんはこう言った。人生のややこしいところは、完璧なくそ人間はほとんどいないし、完璧にくそじゃない人間もほとんどいない。人生で難しいのは、、できるだけ、どっちかというと、くそじゃない側にいられるようにするところかね」
おばあちゃんの語り聞かせは、私も大好きだった。
エルサのおばあちゃんのように口汚いクレージーな人ではなかったけれど、
私の祖母も、エルサのおばあちゃんと同じくらい、語り聞かせが好きだった。
おばあちゃんが幼い頃住んでいた、庭に川が流れる家。
福井地震の直前に、田んぼからわらわらと出てきたカエルたち。
多摩川の氾濫で床上浸水してしまい、水にぷかぷか浮いていた大事なお米。
おじいちゃんの出兵のときに、駅に落ちたカミナリ。
私の頭の中で、景色が鮮明に浮かんでくるまで
繰り返し繰り返し聞いた
おばあちゃんの昔話。
私も孫が生まれたら、たくさんのお話を語ってみたい。
私の人生で見てきたものを語ってあげたい。
面白い経験を語ってあげたい。
そして、ときどき、エルサのおばあちゃんのように
するどい人生論なんか語れたら恰好よい。
でも、楽は言う。
「私は結婚しないからね~」
「子供は生まないからね~」
ええ~。
そんなあ~。
最強の味方になる準備はできているのに。
7月11日 おかん
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