楽善な日々

新社会人となった楽と、大学生善、おとん、そしておかんの日々を綴ります。新しい街に引っ越して、新しいスタートを切りました。

更年期とヨガ

2022年06月07日 | 2022年日記
更年期の様子は、ひとそれぞれと聞く。
私の場合は、ひとつ、面白い現象がある。
月経前症候群の一つらしいのだけれど、月経の数週間前からどんどんどんどんお腹が膨らんでいくのだ。結局、妊娠しているのかと思うほどの、ぽんぽこお腹となって、胃も押されるのか一度にたくさん食べられなくなってしまう。このぽんぽこお腹とともに、更年期の様々な症状が湧いて出る。眩暈、ふらつき、吐き気、多汗。恐るべしぽんぽこお腹。
生理が来ると、なぜかぽんぽこお腹が凹みはじめて、更年期の症状も落ち着いてくるという毎月のサイクルだった。

しかし、
私はうすうす気づいていた。気づくたびに、気づかなかったふりをしていた。
気づかないふりをし続けていたら、大変なことになっていた!
お腹が出たりへっこんだりするたびに、ちょっとずつ脂肪をお腹に残していた様子なのだ。気づいたり、見なかったことにしているうちに、無視できないほどのぽにょぽにょお腹になっていた!さあ、大変!

大変なことは、まだあった。
おとんと二人で散歩しているとき、ソフトクリームを買ってくれた。
「楽と善に自慢しよう」とおとんが写真を撮って、画像を確かめている。
「おかん!!大変!おばあちゃんみたい」と叫ぶおとん。
画像を確かめてみると、ふと顔をあげた瞬間の、笑顔を作る間も与えられなかった無防備な私が、何かを言おうとしている様子で少し上を見上げている。
おでこにはしわ。つぼめた口周りにはほうれい線。おでこの髪は何故か少しずつ後退しているようで、広くなりすぎた額。手には抹茶ソフトクリーム。
「おとん!これは大変な事故だ。削除削除!!」

大変なことは、まだあった。
この間のおとんの写真はひどかったな、ちゃんと笑顔を作って写真を撮ったら、それほどひどくはないのではなかろうか・・・
と、何十年ぶりなのか、自撮りをしてみた。そしてショックは増したのだった。目のあたりが変な感じになっている。昔はぱっちり二重を自慢に思っていたものだけど、どうも目元がおかしい。拡大してみると、どうやら、まぶたが垂れ下がって、目の上にかぶるようになっている様子。老化現象また発見。
しかも、髪の毛の分け目がなんだかすごく広がっていて、禿げちゃったのかなと思うほどになっているではないか。老化現象また発見。

おとんの本棚を覗いていたある日、サッカー選手の長友さんが書いた「ヨガトモ」というヨガの本があった。ぱらぱらとページをめくってみる。色んなポーズをとって、30秒キープするらしい。なんとなく出来そう。
おとんが単身赴任先から持って帰ってきたヨガマットを敷き、さっそく試してみた。若いころは体が柔らかいのが自慢だったのに、前屈も痛くて痛くてできなくなっていた。負けず嫌いに火がついて、俄然やる気が出てきた。

あれから1カ月以上が経った。
YOUTUBEを検索すると色んなヨガやピラティスの動画があって、「ヨガトモ」のルーティーンにどんどん新しいポーズが加わっていく。YOUTUBEの検索で、顔のストレッチや頭皮のマッサージまであったので、ルーティーンに加える。瞑想に最適な音楽まであったので、瞑想もメニューに加える。そんなこんなでメニューが増えていき、今では、一時間ほどヨガマットの上であれやこれやと体操している日々だ。

目に見える成果があったから、三日坊主の呪縛をのがれ、今まで続いているのだと思う。まず変化があったのは髪の毛。分け目がどんどん目立たなくなっていった。そして、目元。垂れたまぶたがすっかり治った。さすがYOUTUBE先生。お腹の脂肪は強敵だけど、ちょっとずつ凹んでいるような。体も以前の柔らかさを少しずつ取り戻しはじめ、開脚前屈が日に日に深くまでできるようになっている。瞑想は私にはとても合っていた。しばらく目を閉じる何もしない時間が、私には必要だったようだ。音楽を聞きながら、気持ちがふわふわするまで瞑想している。

久しぶりに飲みに出かけたとき、友達に
「若くなった?52歳だっけ?全然見えないじゃないの!」
なんて言われて大喜びしてしまった。
そんな友の言葉がモチベーションとなる。
ヨガをして、そのあとしばらく目を閉じる日々が続く。
自分の体を意識して、健康を保っていこう。家族のために、自分のために。

6月7日 おかん


黒スーツ楽の奮闘記

2022年06月06日 | 2022年日記
黒いスーツをパシッと着こなして、てきぱき歩いて出かけていく楽。
そんな楽を見えなくなるまで見送る日々も、残すところあと少し。

エントリーシートを上手にまとめる人をES職人などと呼ぶらしい。エントリーシートを書くたび、楽はどんどんES職人になっていった。得意のイラストを駆使して、なんだか芸術作品のようなものまで作っていて、思わず記念に写真を撮ってしまったほどだ。楽の手書きエントリーシートを見ていたら、保育園時代の楽を思い出した。

広い広い板張りの広間に、体に不釣り合いなほど大きな紙を広げて、思いのままに絵を描いていく裸足の保育園児たち。その中でもひと際ガタイの大きな楽が、背中を丸めて紙に向き合っている。楽は絵を描くのが大好きな子だった。書いているのは棒人間なのだけど、そこには物語が展開していて、見どころ満載の楽しい絵を描いた。棒人間たちが楽しそうに船に乗っていて、空には表情豊かな鳥たち、水の中にはまたまたにっこにこ笑った魚たち、太陽も雲も元気で、「わいわいがやがや」声が聞こえてきそう。紙の上は、いつのまにか、多くの棒人間や動物たちで埋め尽くされている。森の中の絵もあった。りんごの木がたくさん植わっていて、リンゴが地面にごろごろと。棒人間たちが輪になって踊っていて、なんだか収穫を祝っているような。空にはいつも太陽がにっこりしている。そんな絵を楽は何枚も何枚も描いてきた。私はそれらを捨てられず、今も押し入れにしまってある。

楽の手書きエントリーシートには、その頃の絵のような雰囲気があった。心に広い世界が広がっていて、伝えたいことがたくさんあって、それが心の外にあふれて、絵や文字になって出てきたような雰囲気が。エントリーシートからも「わいわいがやがや」声が聞こえてきそうだった。三つ子の魂百まで。

初めての面接は緊張しすぎて、うまく行かなかったね。自宅からのリモート面接だったけど、自分の部屋と居間を落ち着きなく行ったり来たりしていた楽が、今となっては懐かしい。あっけなく終わってしまった面接に、ちょっと不安そうな楽の顔。おかんの心はぎゅっとなった。がんばれ、楽!!

緊張の面接の後、あれよあれよと怒涛のように面接が続いていった。
「なんだか手ごたえがなかったかも」
「ドンマイ!!」
「疲れた・・」
「がんばったからゆっくり休み~!!」
「最終まで残った!!」
「えー!!!すごーい!!」
最終まで残った時、一番うれしそうだったのは、おとんだったかな。
「楽のどこが良いのやら」なんて言いつつ、ほっほっほと笑っていた。

ありがたいことに数社から内定を貰えた。
背中を丸めてにぎやかな絵を描いていた楽が、黒いスーツを着て駆け回り、親とか先生以外の人から認めてもらって、「ぜひ一緒に働きたい」なんて言ってもらえるなんて。
おとんとおかんは、うれしくてうれしくて、なんだか自然に
ほっほっほと笑ってしまうのだよ。
楽のがんばりに、心からすごいなと感心してしまうのだよ。

楽の就職活動はあと少し。最後まで走り切ってね。
頑張り屋さんの楽を、おとんとおかんは最後まで応援するよ。
黒スーツの楽さん、おとんとおかんにこんなに沢山の感動をくれて、
ありがとう。

6月6日 おかん


新しい流れ

2022年06月02日 | 2022年日記
おとんの単身赴任が終了した。
また、家族全員が揃っての生活となってそろそろ2カ月が経つ。

へとへとの引っ越し。
買い物好きなおとんが3年分の買いたい放題を満喫したその結果が、引っ越しの日にどっとやってきた。
「コーヒーカップが多すぎる!喫茶店を開くつもりなの??」
「おかん、大変!!マヨネーズの買い置きがすごいいっぱいあるよ!!」
「乾燥ひじきの買い置きの方が多いよ!!変なの!!」
「おかん、箸がこんなにある!!」
「もう、捨てちゃえ!!全部ぽいっ!!」
そんな怒涛の引っ越しを乗り越えて、一日一日が積み重なって、やっと日々の平和な流れができあがってきた今日この頃。

ほんのちょっと前は、山登りばっかりしている大学生楽、ハンドボールばかりしているお気楽高校生善、そして頼りにならないおかんが、単身赴任のおとんの不在を団結して乗り越える日々だった。
気が付くと、楽が黒いスーツで就職活動に走り回り、善は浪人生となって予備校に通い机に向かう日々、そして、居間のリラックス椅子には身体の大きなおとんがどっかり座って、テレビを独占している。日々はいつの間にか変化していて、ふと気が付くと、ちょっと前の日々が遠くにいってしまっている。時間の流れに追いつけない気持ちになって、ときどき振り返って、ほんのちょっと前を懐かしんでみたりする。

浪人生善に合わせるように、出かけて行った家族が集合する時間は遅くて、みんなを待つ間、私には時間がいっぱいある。実家の母のもとに手伝いに行かないで、家にいる日は特にたくさんの時間がある。母の介護で仕事を辞めたので、そのたくさんの時間を自分を見つめるために使えるわけで、色々と自分について考え始めた。そろそろ私も次のステップへ進まなければ。みんなもどんどん前に前に向かって変化していっているのだから。

ここ1カ月以上、ヨガを習慣にしている。
自分のために始めること始めること全部三日坊主にしていた私にしては珍しく日々のルーティーンになっている。ヨガのはじめと終わりに、ちょっと目を閉じて瞑想する時間を設けている。窓から入ってくる風を感じて、何も考えなかったり、わらわら頭に浮かんでくることを感じていたり。そんな時間が、実は大事だったりするのではないかな。

これからの自分を考えるきっかけにもなるし、家族全員が揃った新しい日々をまた日記に書いていってみようと思っている。新しい流れを、文字で追って行ってみよう。

6月2日 おかん