公園に蓮の花が咲いていました。
あのピンク色は本当に綺麗です。
コスモスのようなぺったりしたピンク色一色ではなく、(コスモスはコスモスで美しいですが)白地にほわっと蒸気が立ったかのようなグラデーションで彩色されています。
美しい白い肌の少女が頬に乗せたチークのような色あいです。
それを蓮の葉のなんとも言えない青みがかった緑が、ピンク色と対照的で花をひきたてます。
鳥の鳴き声を遠くに聞きながら、雨上がりの湿気を含んだ空気を肌で感じて、モネの絵画のような光景の本物を見ている時間は素敵なものでした。
私は急いでいたので、そのまますぐ自転車に乗って目的地を目指しました。すると、入れかわりに高齢の女性がその池の縁に立って蓮の光景をながめていました。
私が道の角をまがり、名残惜しくもう一度池をみると、女性は堪能するように近くの花をのぞきこんでいました。
いつまでもいつまでも見ていました。