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またまた日本でもないヨーロッパでもない、強いて言えばオリエンタルの香りいっぱいのヨーロッパ風の宮廷が広がります。源氏は栄華を極めていたがついに次の世代に移っていきます。紫が去り五十歳を過ぎ源氏の破綻により衝撃を受けたその後の人間関係が書かれています。”幻”では源氏が周りの物の整理を始める。光り輝き、まめに多くの姫君の元へ通っていた源氏も紫からの手紙を焼き捨てる時は涙が滂沱と流れ落ち、心の弱さを見せまいと必死に堪えた。ここの”幻”は源氏の死を暗示する箇所で”匂宮”の物語を書くまで9年のブランクがあるそうです。俳人と詩人の姉妹の訳ですから優しく気品があり読者にとっては本当に理解し易く楽しめる”源氏物語”であると思う。表紙はまたもクリムトの”水蛇Ⅱ”(Water Serpents)妖艶な二人の女性が横たわっています。