冷蔵庫にイタリアのバルサミコが少し残っていて、もう既に賞味期限はきれているので整理しようと、しかしちょっと掌につけて舐めてみた。甘みと酸味がちょうど良くてまあ何とリッチな味。”エキストラアセト・バルサミコ”と書いてある。何かでちらっと見たが蓮根の棒切りとベーコンの棒切りをバルサミコで炒めてみた。お醤油少々をかけ回し胡椒を挽いて出来上がり。何かアルコールが欲しくなった。
著者は精神科医の立場から追及しているので、養賢と三島の両者の精神面を中心に書いてあり特殊な専門用語も多くあり難しい。金閣寺を焼いてしまった青年層は吃音や精神分裂病(今は統合失調症と言うらしい)のハンデを持ち”金閣寺の美しさに嫉妬した”と言うのはそうではないと三島由紀夫は”金閣寺”で追求した。私は三島由紀夫の”金閣寺”を読み青年僧養賢の生い立ち、修業中垣間見た彼の師、慈海や先代の師などの世俗的な生活を耳にするようになり養賢の気持ちが憧れていた金閣寺から離れていった…と思う。養賢のIQは160で平均より上の知的能力は持っていた。三島は”金閣寺”を書くに当たって入念に事件を調査し事実経過を書いているので迫真に迫り、下手なミステリーを読むより面白かった事を覚えている。
長女がタイの珍しいカレーペーストを送ってきた。家中にとても良い香りが広がった。レモングラス、ガランガル,コリアンダー、シナモン、クミン、シャロット、そして唐辛子やにんにく…こんなに何種類ものスパイスが入っているのですものね。このペーストにココナッツミルクを加えお肉、ジャガイモ、最後にナンプラーと砂糖で味の調節をする。香のよい深い味のタイカレーの出来上がり。何とも言えない旨味がある。ココナッツミルクがさっぱり、しかも深い旨味の元かしら?美味しかったわよ。 今日は夫の命日です。いつもカナダ産の松茸ご飯をお供えするが(季節ものだから一度は食べよう…が夫の口癖だった)ちょうど良い珍しい物が供えられました。夫の知人だった近くのバラ園から好きだったバラも買ってきました。私も20年一人で寂しいながらも楽しみを見つけてやって来たが、もう彼の傍に行きたいなあと思う日が多くなった。
我が家からも観ることが出来ました。十五夜です。母親がススキ、ケイトウ、菊を活けて、テーブルにはお団子、柿、落花生、栗、里芋、葉生姜などを並べ祝ったものです。月にある影を見て”月では兎がお餅を搗いている”なんて呑気な事を言って…。でもそれを信じていたメルヘンチックな幼い頃、五人兄弟姉妹がにぎやかだったあの頃を思い出すと懐かしく、胸が痛くなる。