お好み夜話-Ver2

おっちゃんのご意見

笑福亭笑瓶をちょっとダークにした容貌で、ベタベタで早口の大阪弁でおっちゃんは豚玉をくれといった。

豚玉には目玉焼きをのせろというので、ソースをぬる前か後か?よく焼きかちょい焼きか?お好みの切り方はどうする?

そう訊くと、

「こまいことはええがな、あんたの好きなようにやってぇな」

さもうるさそうにハエを追い払うような仕草をしてタバコを吹かすが、その目はジッと鉄板を、焼く様子を観察している。

大阪の方も広島の方も、ずっと食べてきたお好み焼きに思い入れとこだわりが非常に強くあるので、ホームグラウンドの味をアウェーの店でも求めたがり、慣れ親しんだ味を再現させようとしたがる傾向にあるようだ。

だから要望をきかず、こちらの流儀でソースをぬったり切ったりすると、
「それ、ちゃうわ‼」
となってしまうことがままある。

このおっちゃんはそういうこだわりの強い方だと一目見てわかったから聞いたのだが、豚玉on目玉焼きというのは最近の流行りなのだろうか?

ついこのあいだ、たまたま見たテレビのグルメ番組でお好みon目玉焼をタレントが絶賛していたが、ふーん、なんてことはない。

やりゃあなんだってできるが、大阪・広島の人と違い、こっちの人はそういう要望がないうえ、仕上がりを想像できない方が多いので張り合いがないだけだ。

「千住は不便な街やな」

唐突におっちゃんがいう。

「駅前の立ち食いステーキ屋いったん・・・」

「どうでした? 」

「最悪や、ふた口食って出てきた」

「何がダメでした? 」

「何もかもや。あんなん肉やない」

取りあえず豚玉on目玉焼ができた。

ダメだったらふた口・・・。

3分で完食。

「大阪人は食うの早いのが取り柄や。そばめしある? キムチ入れて、ぎょうさん入れてや。お好みソースで仕上げて」

「?? そばめしキムチにお好みソースでいいですか? うちオリジナルのタレなんですけど」

スッと目がすぼまり、

「ごちゃごちゃいわんと・・・、まあええわ、にいちゃんの好きなようにやって」

にいちゃん🙄

「わし、鶴橋でキムチの汁まで入れたるねん」

ふむふむ、キムチとお好みソースね、こんどやってみよ。

キムチたっぷりそばめし出来上がり。

そっと呟くおっちゃん ( これはこれでもええか・・・) 。

「ほかに、なんかオススメないの ? 」

で、タルタルふわっとを。

ズルズル、ベチャ、クチャクチャ、ごっくん。

そっと呟くおっちゃん ( これはあかんわ )

滞在時間20分。

久々に強烈な大阪人っだった。

しかしいくつか参考になったこともあり、さすが大阪のおっちゃんだと感心した。

関西なまりの若い人も最近わりと来てくれるが、主張はないし、2、3人で来ても顔も上げずにスマホの薄ぺらい仲間と夢と魔法の冒険の旅に夢中だから、てんで盛りあがらないしつまらない。

いっそ店内でのゲーム禁止にしてやろか。

なんだかなぁ・・・。

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