お好み夜話-Ver2

オレたちは親子みたいだなぁ、と小僧が言った

思い出すのも忌まわしい「真っ赤な薔薇事件」からもう9年も経ったのに、このポンコツの体の中には別のチューブ=ホースが入っていて、同時期に小僧の体の中にもホースが入れられようとは、我ら親子はどんな神さまの怒りに触れたのだろうかと天を仰ぎみて涙する毎日(ま、ウソだけど)。

親の因果が子に報いと言いたくなる気持ちは小僧にもあるだろうに、と思いきや、我が息子は天使のように(ま、すでにオッサンだけど)、

「オヤジといっしょだねぇ」

と嬉しそうに笑うのであった。

小僧には「親ガチャ」なんて言葉はあり得ず、オヤジという悪い見本があったから自身に降りかかった病魔に臆せず対処できたのだと良い方に解釈するのだ。

そうはいっても、腹に開けられた手術の傷を恐々と見て、

「ホース抜くとき痛い?」

と訊いてくる。

そう訊かれりゃイヤでも「真っ赤な薔薇事件」を思い出してしまうが、経験者としてちゃんと答えるのが親心。

「痛くはないよ。ただちょっと気持ちが悪い感じがするけど、スッポン‼️で終わり👌」

「ふーん」

と安心したように小僧はまた笑った。



そして先日水曜日、手術から3ヶ月経って小僧の中のホースが抜かれることになった。

病院の待合室で、若干不安げな顔つきながらも終わってから日帰り温泉に行けるという喜びの方が勝って、

「ホースはスッポンだね、抜けたら温泉だね、オレたちは親子みたいだなぁ」

とニヤつくのであった。

で、処置室に入ってほんの15分ほどで、すっきりウンコが出たかのような顔で小僧が出てきた。

「スッポンだったぁ、スッポン‼️」

ハイ、そういうことです。

オレたちはポコちゃんホース親子なのであります。



そして数ヶ月ぶりに大谷田の明神の湯に浸かり親子で腹の傷を見せあって、風呂上がりに晴れ晴れとノンアルコールビールで乾杯したのであった(^_-)

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