お好み夜話-Ver2

逮捕者続出!東京蟒蛇倶楽部壊滅?(第42夜 2006-03-30 09:32)

めいてい【酩酊】
・・・・・ひどく酒に酔うこと。

ふかざけ【深酒】
・・・・・度を過して酒を飲むこと。

うわばみ【蟒蛇】
・・・・・大酒飲みの喩え。


その店は、しばらく前から捜査対象として取り上げられていた。
潜入執行官を送り込む前段階として、店の周囲の状況、入退店する客のチェック、経営者の身辺調査など、抜かりなく準備が進められていた。

その店が捜査対象となったのは、1本の電話がきっかけだった。

「このままでは、妻が壊れてしまう・・・」

店の近所に住む、40代の男性からの悲痛な通報だった。
担当の警察官が男性から詳しい事情を聞いたところによると、酒が大好きな妻は、夫の仕事が終わるのを見計らい、毎晩のように飲食店に出かけ、大量の酒を摂取し、自分では歩けないほど酔い、記憶を無くすこともしばしばだった。
夫は毎晩泥酔した妻を介抱し、罵倒の言葉を浴びせられるのが常で、最近ますますそれがエスカレートしたとのことだった。

なかでも北千住にある行きつけの店“M”では、夜毎怪し気な飲み会が繰り広げられ、泥酔者が続出しているとの確かな情報を得て、潜入執行官を送り込む手はずになった。

通報者の男性には定期的に店の様子を知らせてもらうようにしていたが、度々席を外し、コンビニに行くと言って(踊りに行く)店を出る男性の態度が怪しまれだしたので、予定より早く潜入執行官が派遣された。

以下は潜入した執行官の証言である。

「私が店に入ったときには、すでに酩酊者が何人もいて、通報した男性の妻は、中でも泥酔に近い状態で、キングギドラ色の髪の毛をかきむしり、ニャーとか、ガーという意味不意の言葉を連発し、手の付けられない状態でした。
他にも、イナバウアーを勝手に行い、後頭部を床に打ち付ける中年男性や、唾をやたらに飛ばす声の異様に大きい若者や、聞くに耐えない関西弁の男性、ニコニコしながら酒を注ぎ、言動を煽る天然系の女性などがいて、収拾のつかない有様でした。
さらに店主は自ら酒を呷り、その状況を助長していました。
私は頃合いを見計らい、身分を明かし、速やかに事態を収拾しようと尽くしましたが、力及ばす、並みいる泥酔者に弄ばれてしまいました。
その際通報者の男性は、関わりを避けるようにスチャラカな態度を決め込み、逆に私に酒を飲ませたのです。
増援部隊の到着がもう少し遅れていたら、私もその場にいた泥酔者と同じような蟒蛇になっていたかもしれません・・・」

この夜摘発された泥酔者の半数は留置され、あとの半数には重い罰金が科せられた。

東京都アルコール飲料委員会の職員が警視庁警察官の身分を持ち、泥酔者摘発制度が導入されてから、半年間の摘発者は約35,000人に及び、今回の“M”店で行われていた「東京蟒蛇倶楽部」というような泥酔者の反体制組織の壊滅に、委員会は全力を挙げて取り組むと宣言している。


○×新聞 朝刊記事より

『千住警察は昨夜未明、足立区千住2丁目のお好み焼店店主(反省期+1)才を、飲酒幇助並びに脅迫と傷害の容疑で緊急逮捕した。
調べによると同店主は、客に「東京蟒蛇倶楽部」なるものへ入ることを強要し、逆らうと悪魔になると脅し、ビールや泡盛等の焼酎を多量に飲酒させた疑いで、同店からふらふらの見事なジグザク歩行で逃げ出した常連客の「スチャラカ」さん(4○)才の通報で、東京都アルコール飲料委員会の執行官と千住警察の生活安全課が急行した。

店内には龍柄の服にキングギドラ色の髪の毛を逆立て、ニャ~とか、ガァーッという意味不明の言葉を連発する女性や、鋏を手にツバキをまき散らしながら「サムライソウル」を歌い続ける若者など、数名の泥酔者の中に混じり、同容疑者が一升瓶をラッパ飲みしているところを取り押さえた。
逮捕後の警察の発表よると、同容疑者は「バッカスの神」の怒りとか、「人生色々」「なんか文句あっか」という言葉を叫び、激しく抵抗した模様で、取り調べは酔いが冷めてから行われるという。
また同容疑者の自宅からは、大量のSF・ホラービデオ、DVDとともに、オカルトや黒魔術の書籍、ゴジラやウルトラマン関係の書籍が多数押収された模様で、同容疑者が何らかのカルトやオタクに傾倒していたとみて、専門家の意見を聞きながら慎重に取り調べをしていくということだ』


週刊□△・追跡レポート「蟒蛇悪魔オヤジの泥酔儀式」

『客に悪魔1号、2号などと名付け、自ら悪魔00を名乗り「東京蟒蛇倶楽部」なるものを主催し、泥酔させてアルツの里へ行こうなどと強要して逮捕されたお好み焼店主の「オヤジ容疑者(反省期+1)才。
バッカスの神の信奉者という容疑者の、東京都足立区の自宅からは、オカルトとオタク関係の本が多数押収されている。オヤジ容疑者の手口は、押収された本の内容にも通じる怪し気なものだった・・・』


アメリカ・テキサス州では、州アルコール飲料委員会が、州警察官の身分を持つ「潜入執行官」をバーなどに派遣して、飲み過ぎを摘発する制度が本当にあるのだそうな。
未成年飲酒や酒の無許可販売、飲酒運転を取り締まるために2001年に導入されたそうな。
州法では、公の場での泥酔は軽犯罪にあたり、罰金や留置されたりするそうな。
泥酔して本人や他人に危険が及ぶ可能性があると判断すれば、潜入執行官が接触して摘発するのだそうな。


3年前の旧ブログのネタですが、
クサナギくん、キミがきっかけで日本にもこんな制度ができてしまったら恨むよ goo
まあ、酒飲みからすると、記憶を無くすのはある意味正しい酔っぱらいのありかたなんだけどね。
水飲んでるわけじゃないんだから・・・・。 



本人にしてみれば、様々にある自分のたった一面でも、情報操作によってクローズアップされたイメージは、それが全人格のように他人には見えてしまう。
捜査筋の話として、その事件にさもふさわしいようなエピソードを膨らませる。
事件をより面白くするために、さもふさわしい写真をでっち上げる。
より扇情的なキャプションを踊らせる。
他よりも過激に、他よりも抜きん出るために重箱の隅を突く。
怖いよね、それを鵜呑みにしてしまうのは・・・・。


ともあれ、日本はまだまだ平和。
東京蟒蛇倶楽部には、たやすく泥酔して他人様に迷惑かけてしまうような人は1人もいません。
いないと思う・・・。
いないと信じたい・・・。
いないんじゃないかな・・・。

えー、ハマちゃんへ。
3年前と違って、もうみなさんすっかりキバを抜かれました。
もはや「東京蟒蛇倶楽部」は活動休止状態です。
だから、今はとてもおとなしく、カウンターには平和が保たれているのでご安心ください。
これからは、君たちのような若い世代がリードして頂きたいと、切に願うオヤジなのであります。



追伸 5月になったら飲みませんから・・・・
  誘われても応じませんから・・・・・
    たぶん・・・・・・・・・・・・

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