お好み夜話-Ver2

第31回 横田フロストバイトロードレース

青梅線・牛浜駅で下車、ようやく陽がさしてきた福生の街を歩いて横田基地へ向かう。

フロストバイトの名のごとく、都心より数度は気温が低く、刺すように寒い。

基地の前の信号では、係りの人が歩行者の横断を制限し、入場の案内を呼びかけていた。

案内ハガキと身分証を提示し、金属探知器のボディチェックと荷物検査を受けて基地内に入った。

横田ハイスクールの体育館脇に、シートを広げて荷物を下ろす。

さっそくナンバーカードを提示して、参加賞のトレーナーを受け取り、肉の焼けるいい匂いに誘われ、ハンバーガー200円也を買う。

想像していたアメリカンサイズのバーガーではなく、100円マックサイズのシンプルなものでちょっとガッカリしたが、肉は100円マックより本格的で断然旨い。

続々と参加者が増えてくる中、スタート&フィニッシュ地点を散策していると、

こんな警告があちこちにあった。

ほどなくして開会式が始まり、アメリカンなお姉さんがアカペラで、君が代とアメリカ国歌を朗々と歌い上げ、制服の偉い人が

(将校か基地司令官なのか、聞き逃してしまったが、やたらフレンドリーで、気軽に写真に収まったりハイタッチに応じてくれた)アメリカと日本の友好を演説して、レース開始となった。

先ずはキッズの部、初めて2kmをひとりで走る「auちゃん」がスタート。

パパの薫陶よろしく、2kmを11分ほどで快走してゴール。

続くファミリーの部でも、「ユイたん」とチチが2kmを笑顔で完走

満面の笑みだ


そして5kmの部で、「サバ兄」と「クミちゃん」がスタート。

たとえ5kmでも、途中のトイレと給水所の前後で歩くと、ふざけた宣言をした「サバ兄」のことだからとたかをくくり、スタートから40分を過ぎた頃ゴール前に応援にいったが、待てど暮らせどやって来ない。

さては正月太りで、たった5kmですら

こういう救護のアメリカンのお世話になっているのかと案じたが、予想外に早く30分台でゴールしていた


「auちゃん」のスタートから待つこと2時間、ようやくハーフマラソンの時間になった。

晴れて陽は出ているものの寒さは和らぎもせず、スタートを待つ大行列の人混みの中にいるとほの暖かい。

広い基地とはいえ、走路は狭い箇所も多く、過去最大という人数が走り出したら混雑は避けられず、トップ集団以外はかき分けかき分けだろう。

だが今回のオヤジの任務は、ムービーを撮りまくることと、かあちゃんを制限時間の2時間半以内でゴールさせ記録を更新させることだから、ゆっくりでも楽しんで走るつもりだった。

見れば仮装ランナーも沢山いる。

終わった後、参加者の拍手で仮装大賞を選ぶんだとか。

そうと知っていれば仕込んできたものを、残念なのだ


さてさて肝心のかあちゃんであるが、3kmの地点で最初の泣きが入り、ペースを落としそれまで一緒に走っていた「ホリちゃん」から遅れをとり、それでも最初の給水所をスルーして、13kmあたりまではキロ6分30秒前後で走っていた。

ハイテンションなアメリカンな声援に応え、ハイタッチをしまくりながらムービーをまわしていたが、もう一つのお楽しみのチアリーダーにお目にかかれない

地平線が見えそうなほど広大な滑走路を回って折り返して17km過ぎ、スタートから1時間49分、これなら目標タイムの2時間半以内に間に合うだろう。

行きに見た滑走路に、いつの間にか何台もの輸送機がとまっていて、それをナメながら陽気なヤンキーをムービーにおさめていると、軍服に身を固めM16をたすきがけに、大型のオートマチックハンドガンを腰に帯びた米兵から、ホイッスルを吹かれた。

お~、兵隊さんもお務めの傍ら応援してくれるのかと、そちらにカメラを向け近づくと、
途端に形相が変わり、ホイッスルを連呼、なんとM16に手が掛ったではないか

ギョエ~~~~‼
こ、こ、こいつら本気でっせ‼ 善良な ?民間人のオヤジに対して、M16アサルトライフルを向けかねない挙動を示すとは

ソーリー、ソーリー、アイムソーリー、ノダソーリー・・・・、即、撮影中断、足早に遠ざかる善良な民間人。

いったいヤツらの何がアンタッチャブルだったのか?

銃を携帯したアーミーを撮影してはいけないのか?

輸送機にアンタッチャブルな何かを積み降ろしていたのか?

ここは日本の中の他国、治外法権のエリア、秘密の国アメリカだという現実を思い知らされた一件でありました。


このような危機一髪な出来事がありながらも、ふたたびくじけそうになるかあちゃんを叱咤し、ゴールに向けて走る。

あと2kmというところで歩きそうになるかあちゃんに、「マゴが待ってるから、ガンバレ‼」とだめ押しをして、ゴール直前の大声援の中を走り抜け、2時間29分でフィニッシュ、記録更新‼


帰りはゲートに、腰にハンドガンを携帯した米兵がひとり立つのみで、すんなり退場できた。

江戸の町と同じで、入り鉄砲に出女ってことですかいな?


ゲートを出たところで記念撮影。

何にせよ貴重な体験で、楽しかった。

米兵から拘束されかねない危険をおかして撮ったムービーは、ヤバイ個所を編集して公開することになるだろう。

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