お好み夜話-Ver2

ダダに侵略された夜

人間標本を採取するために地球にやってきた271号だが、任務にかまけて最近では川崎や新橋で飲んだくれている姿を見かけた。

きっとウルトラマンに敗れて、本星の上司からも見放されやさぐれてしまったのかもしれない。

そしてバルタンやメフィラスとも折り合いが悪くなったのか、とうとう場末の北千住くんだりまで流れてきたのだろう。

昨夜、路地の奥から現れた271号=ダダは店頭のカネゴンに誘われるように店内に侵入したのだった。

この個体は紛れもなく271号、ダダAといわれるタイプだ。

ダダ271号はモノクロームの世界からリアルな店内のカウンターに陣取って、「ダダ、ダダ、ダダ・・・」と我々には理解できない言語でドリンクなどを注文するのであった。

居合わせたお客さんはこの怪人と目を合わさないように、かかわりを持たないように成り行きを見守っていたが、なぜかダダカラーのボーダーを着ていた妙齢の女子がダダの魔力に落ちたのか愛人のように寄り添い飲食を共にするのだった。

この異常事態にオヤジもなすすべもなくただダダの言い成りに、唯々諾々とだだっだだっと焼き続けるのであった。

このダダ271号は恐ろしいことに、人間標本だけでなく宇宙怪獣エレキングの幼体も標本にしていたのである。

しかも台座にはピット星人のサインまで入っていて、ダダの交友関係の広さを思い知るのであった。

そして挑発的にまだまだ恐ろしいコレクションがあるのだと宣言し、不敵な笑みを漏らすのである。

う~む、このオヤジだって須賀川のウルトラの土地を住民登録している正義の端くれ、むざむざダダの侵略を許すまじ。

次回のダダの襲撃に備えて、横浜の悪魔のおじいちゃんからウルトラアイでも借りようか?「投げちゃん」から頂いた流星バッチを胸につけてやろうか?


ダダはすっかり店内を侵略宇宙人色に変えて、左右に愛人をはべらせて、意気揚々と人間の姿に変身して何処かへ去っていった。

2018年が始まってまだ半月、モグランポは侵略宇宙人の巣窟となってしまうのか⁉

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