お好み夜話-Ver2

4時4分入院、グレイルーム

朝、これまでの予定通り余丁町のクリニックへ「ちち」のタクシーで向かった。

女子医大へ入院してしまうとここへ来るのは年内最後になるかもしれないが、担当医は女子医大で外来も持っているから、腎臓に関してはここで話しをしておけば今後もわかりが早い。

受付をして採血・採尿をして診察を待っているうちになんとなく目元が重いようなだるいような感じになってきて、それを目ざとくかあちゃんが気がついて看護師に知らせると、即車椅子に乗せられベットに運ばれた。

倒れる前に無事横になり血圧などを計られたが、もし自分だけだったら耐えてしまってまた倒れていただろう。

もうこのクリニックでこんな状態になるのは3度目だ、相性が悪いのではなく最悪の時期にここにきているのだ、しかしその旨担当医から女子医大に伝えられて話がはやくなった。



クリニックを出てタクシーで女子医大へ向かうと、すくに消化器内科の受付からバックヤードのケアルームに案内され、「マリコ先生」から点滴のラインを繋がれ改めて採血し24時間点滴が始まった。

かあちゃんとはそこでお別れ、小僧が心配だから急いで入院手続きをして帰っていった。

その後は予定の時間通り3時にCTの検査へ車椅子で運ばれ、ケアルームに戻ってきてもまだ病棟へは移れなかった。

どうやら小僧が熱を出したことが問題らしい。

PCRもインフルエンザも陰性だと伝えたがさすがに病院はさらに安心が必要なのだろう、再びオヤジはPCR検査を受けようやく隔離病棟へ運ばれた。



木曜日の午後に作業所から連れ帰られた小僧は、その夜から8度、9度の熱を出し、解熱剤で一旦は熱が下がるも間もなくまた熱が上がり出し、40度にも上がりそれが5日間続いた。

咳は出ないが下痢が酷く、当然食欲はなくほぼ寝たきり。

医者はノロウイルスの胃腸炎ではないかとも言うが、ノタウイルスの大人版かもしれないと素人考えで思ったりもする。

いずれにしても早々に血液検査などしてもらわないと、食べられなきゃ衰えるというのは己の体で嫌というほど経験しているし、もし入院なんてことになってしまったら、面会や付き添いのできないこの時期小僧はどうなってしまうか・・・。

それに、今は気を張っているかあちゃんだが、フッとこれが緩んだらたちまち体調を崩して寝込んでしまうだろう。

我が家最大の危機、だがこのオヤジはどうするこもできない。

悪いことを考えたらキリがないが、今はひたすら耐えて、再び笑える日が来ることを信じるよりない。



暗証番号で解錠して入った病棟は昭和の薄暗さがあり、ところ狭しと機材などが置かれ透明ビニールであちこち廊下が仕切られていた。

5階まで上がり幾つかのビニールをかき分けて進むと、太く黒いパイプが奥まで伸びた減圧室のような病室もあり、まさにコロナ最前線といった感じ。

たどり着いた病室は元は二人部屋だったものをコロナ用に一人部屋にしたもので、がらんとして広く静かでテレビは無料で見放題、冷蔵庫もあるし電話もかけ放題、しかもコロナ対策ということでこの部屋は無料のようだ。

入室してパジャマがわりのジャージとマラソン大会の参加賞のTシャツに着替え横になった。

膵炎の点滴が追加され、さらに抗生剤も追加される。

やがてPCRが陰性と伝えられ、「マリコ先生」がやって来てCTの結果を聞いた。

脇腹の痛みはやはり膵炎のもので、脇腹から腰のあたりへ炎症が広がっているという。

炎症が強いから腎臓の数値も上がっているので、この炎症が治れば腎臓の数値も下がるだろうとのこと。

オヤジの中の小さいかあちゃんはどうやら難を避けられそうだ、良かった。

そのあとこの部屋に出入りする看護師は、ビニールのキャップとエプロンを付けなくて良くなり、グレー状態から脱した。

明日は普通の病棟へ移れることになり、今のうち静かな個室でぐっすりと眠れる・・・と思いきや、やはり夜中に点滴交換が何度かあり細切れにしか眠れなかった。

ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「迷想雑記」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事