お好み夜話-Ver2

45年目の衝撃

かあちゃんは18歳で東京に出てくるまで、お店でラーメンを食べたことがなかったそうな。

初めてラーメンを食べたのは、職場の近くの麻布のラーメン屋で、なんとカウンターの隣には当時飛ぶ鳥を落とす勢いだった「草刈正雄」がバレバレの変装で麺をすすっていたという。

しかし初めてお店で食すラーメンの感動で、人気絶頂のイケメン俳優などには目もくれず、餃子も追加したらしい。

そしてここで驚愕の田舎者ぶりを晒すことになったのである。

出てきた餃子に、田舎でフツウにやっていたようにウスターソースをドボドボとかけた。

驚いたのは連れの友達とお店の従業員、それとお忍びの「草刈正雄」。

彼らの異星人を見るような視線が、嬉々としてウスターソース餃子を食らうかあちゃんに向けられたのは宜なるかな。


オヤジと一緒になった当初もその田舎流は続いていて、天ぷらやチャーハンにもウスターソースをかけるので、このままやっていけるのかとちょっとビビった思い出がある。

だがハイソサエティーな都会人のオヤジの辛抱強い指導で、なんとか人前でのウスターソース食いは改めさせることが出来た。(今でもたまにウスターソース食いにはしることがあるが・・・)

べつにウスターソースが悪いと言うのではない、こっちもソースをメシの種にしているのだし、調味料の使い方は人それぞれでよい。

しかし「タルタルふわっと」に味もみないでソースをドボドボかける人を見ると、ちょっと悲しくなってしまう。


ある日かあちゃんがしみじみと「ラーメンが食べたい」と呟いた。

減塩生活のオヤジに遠慮なく食べてくれば良いではないかと言うと、どうもひとりでは行きにくいようなことを言うので、では餃子で付き合おうということになった。

実はラジオで、餃子を食べるのに酢とコショウで食べると美味しいという話題を聴いたばかりだったので、かつて試したことがなかったものだから興味があったのだ。

餃子のタレにはお酢をいっぱい入れる方だったけれど、辛みはラー油と信じて疑わなかったので、コショウというのは新鮮だ。

で、やってみた

ブラックペッパーとお酢が合うこと合うこと、醤油もラー油もぜんぜんいらない。

餃子を初めて食べたのは10歳ぐらいだから、それからずっと45、6年この発想はなかった。

これはハマる。

さっぱりして食べ過ぎてしまうから危険だ。

醤油を使っていないといっても、餡の中には塩分がそれなりに効いているから用心した方がいい。

しかし餃子の食べ方で、これほど新鮮な衝撃があろうとは思わなかった。

こんど米粉で皮を作って、塩分を抑えた餡を包んで、心置きなく食べてみたいものだ。

その時はホワイトペッパーやわさび、カラシに粒マスタードなんかも試してみて、だまされたと思ってウスターソースでも食べてみるかぁ。

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