お世話になりっぱなし仙台

オヤジにとってもっとも苛酷だったハーフマラソンという砂漠から生還した後、我らをピックアップしてくれたのは「バーバーくん」であった。

車で彼の実家まで連れて行ってもらい、お風呂を使わせてもらい、ゴロリと横になれるよう敷物まで引いてくれて、荷物も全部ホテルから運んでくれた。

お言葉に甘えて師匠とふたり缶ビールを飲んでいると、足が痛いといって横になっていた小僧が起きあがって咳き込んだと思うと、大量に吐いた

過去の経験上とっさにタオルケットで受けたが、かあちゃんのTシャツとGパンは汚れてしまい、さらにえずいて血反吐を吐いた

風邪で喉が炎症をおこしていたための血痰みたいなもので、致命的な症状ではないが、目の当たりにした師匠「auちゃんパパ」はちょっとショックだったろう、無理して走らせすぎたと気にするが、なあに大丈夫なことはすぐに証明された。

吐いてスッキリしたのか、イビキをかいて寝ておきたあとはケロッとして、夜の食事はてんこ盛りのご飯をお替わりするほどだった。

しかしせっかく敷いてくれた敷物やタオルケットを汚してしまったので、洗濯機を拝借してかあちゃんの汚れたものと一緒に洗い、その間「バーバーくん」に運転してもらって近所のユニクロへズボンを買いに行った。

そうこうしているところへ、マラソンにはまったく何の関心もない「ヒトリモン先生」がやって来たり、帝王（バーバーくんのお父さ・・・お兄さんということになっている）がお出ましになり、日本天然党・みちのく支部の代表を務めるお母さんにもお会いし、車2台で今夜の宿泊先の松島へ行く段取りになった。

これがほんとうに申し訳ないことに、我が家と「auちゃんパパ」、「ヒトリモン先生」の5人はご招待を頂いちゃったのである。

「バーバーくん」が東京で貧乏くさい生活をしていた頃、猿蟹合戦の猿よろしくおにぎりをあげたり、ベロベロになるまで飲ませてあげたりしたことはたいしたことではないし、オヤジの顔に屁をかけたことへの見返りにしてはあまりにも豪華すぎるというものだ。

恐縮して帝王の車に乗せてもらったオヤジと「auちゃんパパ」と「ヒトリモン先生」は、ネイティブな宮城弁のお話しを聞きながら、高速をぶっ飛ばして松島へ。

「バーバーくん」とお母さん、かあちゃんと小僧はもう1台の車であとに続き、風光明媚な松島湾を見下ろすホテルに到着した。

さっそく風呂に入って、夕食のバイキング会場へ。

いつもチームモグランポで泊まる安宿と違い、バイキング料理のクオリティが断然違う。

そのうえ飲み放題をつけて頂き、生ビール、焼酎、日本酒（たって銘柄もわからないような酒ではなく、浦霞が飲み放題）を飲む飲む。

喉の痛みと筋肉痛も何のその、バイキング会場のひときわ賑やかなテーブル席から場を部屋に移し、「バーバーくん」の家から持参した、もう7年ものぐらいになる泡盛と、帝王がどなたからか頂いたというまるで中国酒のような瓶に入った日本酒で2次会。

お疲れな帝王が部屋の片隅でお休みになるというのに、燃費の悪い連中は1時過ぎまで飲んでいた

そのうえ同室の「ヒトリモン先生」の地響きのようなイビキで安眠を妨げてしまったようで、まことにもってすみませんでした

翌朝、師匠に起こされ、まだ酒が残る頭でウェアに着替え、部屋の窓の向こうに見える松島湾に浮かぶ福浦島を目指してジョギング。

朝の気持ちのいい空気と風を身体に感じて、日本三景の海岸線をゆっくり走る。

福浦島の橋は工事中だったが8時前なら通れるようなので、海の上を走って島にわたり、ぐるりと一周して戻ってきたら、向こうから6、7人でジョギングするグループと挨拶してすれ違った。

オヤジは気がつかなかったが、師匠がすれ違ってから教えてくれた「あれ、藤原新ですよ」と。

オリンピック代表選手で、昨日の国際ハーフで日本人トップになった「藤原新」も松島に泊まっていたということか

う～ん、早起きは三文の得ちゅうか、やっぱり一流選手は毎日走っているもんですな。

朝食の後またまた車に乗せてもらい、地酒の店で東京では手に入らない酒を買い、かあちゃんのたっての希望で修復中の瑞巌寺を参拝、お土産を買ったりしているともうお昼。

「バーバーくん」がおすすめの店があるということで、そこでお昼にすることになった。

やっぱり新鮮で旨い

震災でカウンターの下まで水を被り、5ヶ月間休業を余儀なくされたという話しだが、平日だというのに次から次へとお客さんが入って大繁盛だった。

小僧なんて、回ってないお寿司屋さんに入ったのは初めてじゃないか

松島から仙台駅まで車で送ってくださり、しかもお土産まで頂き、何から何までお世話になりぱなしだった。

このご恩返しをどうしたらいいのか、ほんとうにありがとうございました。

速報 !!

ついに「バーバーくん」が念願のお店を出すことになった。

詳細はおいおい明らかになるが、東京方面の関係者はせっせと髪を伸ばし、みんな彼に刈ってもらおうではないか

乞うご期待