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お好み夜話-Ver2

こあら3号に乗ってみた

朝っぱらからiPadでYouTubeを見ながら、小僧がブツブツ言ってうるさい。

 
何を見ているのかと覗きこむと、遊園地で走っているような可愛らしい電車の映像。
 
「エアコンがありません。暑あつちゃんです」
 
と笑いころげる。
 
どこを走ってるのかと聞くと、千葉の「ユーカリヶ丘」だという。
 
迂闊にも乗りたいのかと聞いてしまい、
 
「とーぜんです。いつ行く?何時に行く?」
 
と、墓穴を掘ってしまった。
 
 
う〜ん、ワシはこの暑いのにエアコンのない電車に乗るような鉄ちゃんではないし、「ユーカリヶ丘」などというザ・昭和なニュータウンにもまるで興味はない。
 
しかし「ユーカリヶ丘」に「中村雅俊」のような「ゆうひが丘の総理大臣」がいるのなら見てみたい気はするが、ただエアコンのない可愛らしい電車に乗るだけで汗をかくのは気がすすまないので、とりあえず「山万ユーカリヶ丘線」について調べてみた。
 
「ユーカリヶ丘」の公式タウンポータルサイトによると「山万ユーカリヶ丘線」とは、1971年から「山万株式会社」が開発を進めている街を周回する交通機関として、1982年に戦後初の鉄道事業認可を受けた民間として初めて実用化した自動案内軌条式旅客輸送システム(AGT)だそうだ。
 
AGTとはゴムタイヤで専用の通路を走行する特殊な鉄道システムのことで、輸送力は普通の鉄道より小さく路面電車やバスよりは大きく、タウン内の6つの駅を14分で一周するということだ。
 
なるほど、大阪の南港ポートタウンやポートアイランドへのアクセス路線と同じ方式かな。
 
まこれは予備知識で、一周14分の電車に乗るだけでわざわざこの暑いのに出かけるのはちょっとアレだから、もうちょい調べたら駅から4、5分のところに「アクア・ユーカリ」という温浴施設があるではないか。
 
エアコンのない電車で汗をかいたらひとっ風呂、これなら行っても良いんじゃないかいな。
 
というわけではやく早くと小僧に急かされ、京成本線「ユーカリが丘」駅までサクッと行って「山万ユーカリヶ丘線」の改札へ。
 
 全線均一200円、SuicaとかICカードは使えないので切符を買う。

待つことしばし、3両編成の「こあら3号」がやってきた。

小さく可愛い遊園地の電車みたいな車輌、

やはりエアコンはなく内開きの窓は全開。

小僧はご満悦、ふと上を見ると「つめた〜い おしぼり あります」

なんて書いてあるではないか⁉️
 
おおっ素敵、この田舎のバスみたいな車内の座席にクーラーボックスがあり、冷えたおしぼりとチーバくんの団扇がご自由にお持ちくださいですがな^_^

おしぼりで汗を拭いていると「こあら3号」は発車し、ガタコンガタコンとタイヤ走行にしては田舎のバス並みの揺れですぐに次の駅に着いた。
 
歩いても大したことのない距離で次々と駅に停まり、パラパラと乗り降りする人もいて、遊園地の電車みたいな時間でサクッと一周してしまった。
 
どうだ、満足した?と小僧に聞くと、
 
「最高です。続いてお風呂です」
 
といいながら、さっさと改札を出ていってしまう  ( ̄^ ̄)
 
「ユーカリヶ丘駅」からペデストリアンデッキを進んで隣接するビルの中を抜け、途中の出入り口から出て通りを渡って向かいにある温浴施設「アクア・ユーカリ」は、プールありボーリングあり、カラオケもゲームもあるこれぞ昭和の健康ランドな佇まい。
 
こりゃ子どもが多くて騒がしいかな、と思ったらさにあらず、お風呂はゆったりして混んでもなく、露天風呂も熱からずぬるからず吹く風は涼しくゆっくり寛げた。
 
サッパリ汗を流して帰り道は汗もかかず、京成線でサクッと帰路についた。
 
 

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