空気は少し冷たいが、両国まで約7㎞走ったらさすがに汗も出て、病院のトイレで長袖のTシャツを脱いで着替えた。
レントゲンを撮って採血・再尿、相変わらずお年寄りで朝イチから繁盛しているどすこい病院の待合室のイスに腰掛け、どうせ1、2時間待つだろうと覚悟を決めて目を閉じたら、いくらもしないうちに呼ばれた。
担当の医師「マツザワ」ちゃんはこのオヤジの格好を見て、「走って来たんですか」と苦笑するが、取手の病院の最新データやレントゲン写真などからオヤジの腎臓は悪化しておらず、体内の石も育っていないのでいたって良好だと判断して次回の診察は来年の1月になった。
思いもかけず診察が早く終わり、天気もいいから、このまま来た道を帰るのももったいないと、隅田川沿いの遊歩道を下っていくことにした。
清洲橋や永代橋の下をくぐり越中島に出て、今回は相生橋を渡って月島方面へは向わず、逆の門前仲町の方へ。
永代通りを渡り首都高深川線の下を突っ切り、清澄庭園を左に見て清澄通りを行くと町並みは昭和の感じで、なんだか地方都市の目抜き通りのような印象がある。
スカイツリーがどんどん大きく見えて来て両国、江戸東京博物館をやり過ごして春日通を渡れば、道路は隅田川へぶち当たり浅草。
浅草から再び隅田川沿いに汐入公園へ入って一周して自宅へ戻ると、距離は22.67㎞。
4日間連続で走って、ようやく月間走行距離が100㎞を超えた。
やや脚が重くなったけれど、息は苦しくないし、おそらく今月の締めくくりとしてはこんなもんで良いだろう。
4日間お酒は抑えていたから、今夜は「ハマちゃん」の誕生祝いにかこつけて飲んでやる。
彼の希望でお酒は「黒龍」の「吟十八号」と
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同じく「黒龍」の燗酒「九頭龍」
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を用意してある。
オヤジ的にはあれば「吟二十八号」が良かったのだが、それでもキリッと冷えて旨いだろう。
未知なのは「九頭龍」で、純米吟醸の燗酒って想像がつかないから楽しみ。
結局、ほとぼりが冷めれば飲んじゃうのだ。
そうやって何ひとつ取り柄も抜きん出たものもなくジジイになってゆくのだが、いつも崖っぷちで踏みとどまりなんとか持ちこたえながら生きてきた。
これからもそうやって生きてゆくしかないのだろう。
憎まれっ子世に憚る、なんて誰かヤカラに言われたようだけど、それほどデカイ面はしていないと思うし、根は小心者で几帳面で神経質で繊細で気を使い屋でお人好しでバカ正直な、ただの色男のナイスミドルさ。
こんなことばかり言っているから、だからワテクシは嫌われる・・・・。
そうして明日からも生きてゆく