プラムフィールズ27番地。

本・映画・美術・仙台89ers・フィギュアスケートについての四方山話。

◇ 雨穴「変な家」

2023年07月04日 | ◇読んだ本の感想。
Amazonで見かけて面白そう!と思って課題図書にリストアップして、
――課題図書に入れると実際に読むまで8年くらいかかるのが常なのだが、
夕食の席でたまたま話したところ家人の蔵書であることが判明し、
存在に気づいてから読み終わるまでおよそ3時間。スピード記録。

そして感想は、
うん。面白くないことはなかった。でもやっぱりネット小説だなー。……でした。

第3章までは非常に面白い。五里霧中で走っている部分はね。
台詞形式でごくごく簡単に話が進むのはさっさと読めるし楽。
ここらへんはネット小説の利点で問題なし。
文学的な価値はないが。

が、謎解きである第4章がねェ……
ダレる。全てを知っている人の告白という形で語られるのだが、全然まとまってなくて。
これを小説だというにはとりとめがなさすぎる。

内容自体は、……うーん、まあ上手く書けばなんとかなりそうな話ではあったけれど、
こう書かれてはノレない。正直言って内容自体もけっこうバカミスだが、
無理な話でも文章力で読ませることはあるわけですよ。
だがこれではちとツライ。

でもネットでこの話を読んだとしたら、けっこうな感銘を受けたかもしれないな。
やっぱりネット小説(ネットで書かれたような小説も含めて)と小説は別物ですね。

というより、乱暴なことを言えば、ゲームとネットが存在した世界に生まれた人と、
その以前の人とはある部分の感性が大きく違うのかもしれない。
多分生きるスピードも、情報処理量も違う。

情報処理量は大きければ大きいほどいいと思われがちかもしれないが、
人間と機械が違うのはそこの部分で、情報処理量=感性処理量ではないからね。
現代はむしろ情報処理が大変すぎて感性まで手が回らないという部分もあるかもね。

だが現代社会で膨大な情報処理は必須。
それが息苦しさを生んでいる部分はあるかもね。

ネットネイティブはそれが普通の人生だから、苦しいと感じないかもしれないけど。
しかしそれが、=苦しくないということなのかどうか。
苦しさに気づけない、という部分もあるんじゃないかなあ。
昨今のテクノロジーの進歩は人間の身の丈に合ってない気がするもの。

とはいえ、そういうことを考えると、蒸気機関が発明された時も、
電気も電話も、車も飛行機も「身の丈に合ってない」と当時は思っただろうから、
今から20年後には、今をのどかな時代だったなと思い出すのかな。

途中から話はそれたが。
でも興味がある人は読んでもいいと思うよ。途中は確かに面白いし。
読んでも1時間だしね。


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