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本・映画・美術・仙台89ers・フィギュアスケートについての四方山話。

◇ 藤森照信他「西洋館デザイン集成 1 ドーム・塔.柱.天井.照明」

2009年04月14日 | ◇読んだ本の感想。

1988年出版当時は、(知名度的に?)まだ写真家の増田彰久さんが著者1。
というよりむしろ、写真がメインの本で、藤森さんが書いている文章なんて
ものすごく少ない分量だから、藤森さんが著者2なのは当然かな。

大判と書いてあったが、図書館で実物を見て思わず「……そう来たか」と呟く。
いや、でかい、相当に。立派な装丁。後で知ったが3冊組で当時売価が11万円だそうだ。
予約していたので「すみません、次の機会に」ということも出来ず。
家に持って帰っても読まなそうなので(ねっころがって読める本じゃないと多分読まない)、
閲覧席でその場読みをしてきました。ほとんど全部が写真(1ページ、あるいは
見開き2ページのでかい写真)なので、じっくり眺めて30分程度かな。
読むんじゃなくて眺める本。


この第1巻を見て驚いたのは、何よりも天井のデザインの完成度。
日本にある西洋館の外観のデザインは、完成度を感じることがあまりない。
まあ材料にも建築家にも、資金にも不自由することが多かったんだろうから当然だが、
「ああ、やっぱりモノマネ」というような。そのマガイモノ感も味だったりするわけだが。

でも天井のパートはね。和風テイストを加味するにせよ、モノマネ感、マガイモノ感がなかった。
むしろ和洋の見事な融合を感じた。ここまで出来てるのはなぜだろう。
天井デザインというのは自由度も高く、ある程度こじんまりしているがゆえに
デザインしやすいのだろうか。
正統的ロココ調、正統的ゴシック、ステンドグラスを使ったヌーボー調、和風格天井っぽいのとか。
個人的な好みとしては、みんな美味しい、好きなデザインだった。

照明デザインは前から好き。特にヌーボー、デコ系の照明は味がある。
豪華なだけのシャンデリアより好きだ。もっとも赤坂離宮のこれでもか!というべき
シャンデリアくらいになると、恐れ入りましたと頭を下げるしかないけど。
照明にもうちょっとページを割いても良かったかもしれない。
各部屋で照明器具は変えていることが多いから、物はいくらでもあったろうから。


本のテーマとしては大変良い。
でもここまで豪華本に作る必要はあったか?と思う。
廉価版にしてもっと普及させた方が良かったのにねえ。内容がいいからこそ。
高価で重くて図書館にしか置けない本じゃなく、個人で愛蔵出来る本にするべきじゃなかったか。



西洋館デザイン集成 (1)
藤森 照信 増田 彰久
講談社
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1 コメント

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ビーズ (ビーズ)
2009-04-22 17:10:11
スワロフスキーのビーズはやはり別格ですよねー。
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