NHK大河ドラマ「青天を衝け」を見てからずっと気になっていた戸定邸に行ってきました!
戸定邸のある戸定が丘歴史公園は、徳川幕府最後の将軍・徳川慶喜の弟である昭武がつくった別邸となる戸定邸(国指定重要文化財)と庭園からなる公園です。
千葉県の松戸にあり、小さい頃に遊びに行った思い出はあるのですが、久しぶりに見てこんなに素敵な場所だったのかと驚きました。
お客様を迎える部屋と昭武の居間があった表座敷棟。
とても風通しが良く、庭園と富士山を眺めることのできる部屋で、合わせて畳64枚分の広さがあります。
柱は柾目でできており、丈夫で関東大震災でもびくともしなかったとのこと。
装飾の横木の〝長押(なげし)〟には葵の葉がデザインされた釘隠しがありました。
「外郎売」に出てくる「あの長押の長薙刀は〜」の長押って何だろうとずっと思っていましたが、これでイメージがバッチリできました!
国指定名勝にもなっている庭園は、パリ万博に行った昭武のこだわりが詰まっています。
当時の日本では珍しかった芝生を用いていますが、左右対称を美としていた西洋風ではなく、左右非対称を美とする日本らしさを取り入れており、床前から眺めたときにあえて左側が高く見えるように設計されています。
お使いや来客のお供のための部屋である、使者の間の欄間には、幸福を招くとされる蝙蝠がデザインされていました。
通される人の身分の違いから、ここの柱は上等な柾目ではなく板目でできています。
障子には〝鳴りどめ〟なるものが。ガタガタいうのを防ぐためのものだそうですが、知らない私は面白いデザインだなーと呑気に考えていました…
最後にこちらは湯殿棟の天井。
回し張りという技法で、杉の一枚板4枚で構成されています。
簡潔でありながら、細かいところまで機能を備えた美でしつらえられており、とても心地のいい空間でした。
近所に住んでいないとなかなか訪れることのない場所ですが、心を落ち着かせたい時にもおすすめです。